パルス発生回路

タイマーIC CD4541 を使用したパルス発生回路

有名なタイマーIC NE555 は
 ・周期の長いパルスを発生させにくい(容量の大きなコンデンサーが必要になる)
 ・初心者向きではない計算式のわかりにくさ
 ・消費電力が大きい。電池駆動機器にはほぼ使えない程消費電力が大きい
 ・電源電圧が変わると周期も変わる
 ・回路定数が変わると消費電力も変わる。つまり周波数が変わると消費電力も変わる
で多用されている割には使い道が限られる
CD4541はピン数こそ多いものの電子回路入門者でも機能がわかりやすい

MPUを使うほうがシンプルな回路構成になるがタイマーICを使うとプログラム作りや書き込みから解放される

メーカーによって型番が違うが同じ機能
 MC14541 オンセミ
 CD4541 テキサス

機能が類似しているIC
 CD4536 
 74HC4060

・パルス幅は0.5msec(1kHz)~30分程度
・電源電圧範囲が広く3V~18V
・周波数は抵抗とコンデンサの容量で決めるので精度はあまり良くない
・安価 Aliexpreesで10個で¥200程度
・単発パルスも連続パルスも出力できるがICを1個使うだけではデューティーは50%にしかできない
・ICを2個使うとデューティーは自由に設定できる
・DIPパッケージがあるので電子工作向き
・出力電流10mA 5V電源だと500Ω負荷が最大

NE555との使い分け目安。NE555の良いところを活かすなら
・1秒までの周期
・出力電流を10mAより大きくしたいとき
・IC1個でデューティー50%以外のパルス波形を作り出したいとき
・基板の実装面積や価格を抑えたいとき
・消費電力が大きくても問題無いとき


2023-07-22

R0051503.jpg

・発振回路で作ったクロック信号をカウンターで分周して出力するしくみ

言葉の定義
 電源マイナス = GND = Low
 電源プラス = VCC = High

クロック信号周波数の決め方
 ・周波数 = 1 / (2.3 x Rtc[Ω] x Ctc[μF] / 1000000)
 ・Rtcの値は5kΩ~100kΩ程度にする
 ・Ctcの値は特に必要性が無い限り0.001μF~0.01μF にする
 ・Rsは周波数の精度に影響する。Rtcの2倍の抵抗値にする Rtcの抵抗値が5kΩ~なので10kΩ以上になる

出力周波数の決め方
 ・上のクロック周波数を 256,1024,8192,65536 で分周した出力が選択できる
 ・この分周比の選択は A(12番ピン),B(13番ピン) で行う
 ・この回路図ではプルアップしてあるがJP1,JP2にジャンパーピンを挿すか否かで設定できるようにするため
  分周比を変更する必要が無いなら直接GNDやVCCに接続して良い

その他の機能
 ・MR(6番ピン) - Highにするとリセットがかかる Highにした瞬間に出力は開始されるがLowになるまでカウンターは動かない
 ・AR(5番ピン) - 電源投入時のリセット。GNDに接続する
 ・QSEL(10番ピン) - GNDに接続すると初期出力QがLow、電源+に接続すると初期出力がHigh
 ・MODE(9番ピン) - GNDに接続すると単発パルス出力 MRでリセットしないと再度動作はしない、電源+に接続するとDUTY50%の矩形波出力

回路図の説明
 ・IC1でパルス幅をIC2で周期を設定
 ・R3,R6はRtcの微調整のため コンデンサーは製造誤差が大きいので抵抗で調節する コンデンサーは周波数によって容量は変化するし50%以上の誤差があることも多い
 ・デューティー50%ならICは1個で良いがそれ以外の場合は2個必要 出力ピンとリセットピンを互いにたすき掛けすることにより50%以外のデューティーを実現している
  JP5の2,3 JP9の1,2 をショートさせないとたすき掛けにならない JP5,9で切り離してあるのは両ICが独立しているほうがクロック周波数の微調整がやりやすいから
  LED1,2の点滅周期をストップウォッチで計測しつつR3,R6の並列抵抗で微調整する 分周比は65536にしておくと十分数えられる点滅速度になる
 ・JP1,JP2,JP3,JP4 で分周比を設定
 ・QSELのプルアップ抵抗はジャンパーピンで動作を変更できるようにするための物。変更する必要が無いなら直接GNDやVCCに接続して良い
  QSELのHigh,Lowを入れ替えるとこの図の下の波形図のように出力が反転する 反転させると出力を取り出すICが変わることに注意
 ・IC2の MODE は 繰り返しモード(High) でも 単発(Low) でも良い

pulsesch_mini.png

配線量は多いが電源マイナス、電源プラス側に接続するものが多いので回路は単純

R0051505.jpg

Ctc,Rtcを求めるためのEXCELファイル CD4541タイマー計算.xls

excel.png
大きい回路図等
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
pulsesch.png PNG 内容は上の物と同じ
CD4541.zip OTHER Ctc,Rtcを求めるためのEXCELファイル

2023-09-09

周期を求めたいことの方が多いのでEXCELファイルを変更した

keisan.png
大きい回路図等
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
CD4541timerexcel.zip OTHER Ctc,Rtcを求めるためのEXCELファイル 改良版