デジタルノギスの表示更新間隔 実験:2007-02-14〜2007-03-04

中国製のデジタルノギスの表示更新間隔は電源とデータ端子をショートさせると変更可能という情報を得たので実験してみました


中国製ノギスの表示更新間隔は0.3秒おきですが、更新間隔を20msに変更できます。
百聞は一見にしかず <−MOVIE
高速更新されるため1/100の位が何を表示しているのかよくわかりません。スライダーを動かしていないときはソフトウェアで更新を遅くして表示する小細工が必要です。

説明書にも確かに20msの更新間隔で信号を送れると書いてあるのですが、その方法までは掲載されていません。


このノギスはICソケットを取り付けてあるので端子の形状が異なっていますが、端子の並び順は同じです。電源を入れた後、電源端子(一番左側)とデータ信号端子(右から2番目)を一瞬ショートさせると、高速更新モードになります。回路に悪影響が無いように電線でショートさせるのではなく抵抗を介してショートさせます。電池を入れたままであれば高速更新モードを維持してくれますが、電池を抜いてしまうとまた元に戻ってしまいます。DROとして使用する場合は電池を入れたまま使用しないのでDROの電源を落としてしまうと元に戻ってしまうことになります。写真は1kΩでショートさせていますが、4.7kΩでもOKです。一瞬ショートさせるだけなので写真のような状態にしたままではダメです。このノギスは案外電気的に頑丈で電源端子に5Vを加えたりしてもそう簡単に死んだりしません。時々ご機嫌斜めになってスライドさせても表示が変わらなくなるときがありますが、電池を抜いて30秒程度放置してから、再度電池を入れると回復します。
参考までにピンの並びは、右から
 ・アース(電池のマイナス側)
 ・データ信号端子
 ・クロック信号端子
 ・電源(電池のプラス側) 1.5Vです
です


DROの電源ON時に自動的に高速更新モードにするための回路の実験中の図。


顎なしノギスの場合は、ノギスとは異なる方法で高速更新モードになります。手順は1手多くなり
 1.電源を入れる
 2.電源端子とデータ信号端子を一瞬ショートさせる
 3.電源端子とクロック信号端子を一瞬ショートさせる
となります。
回路の実験がうまくいったのでローコストDROの表示を高速にするための追加基板を作ることにします。1軸あたりトランジスターが2個、抵抗が6本の小さな回路になります。


Press−n−Peelで基板を作成。だいぶなれたのでパターンのつぶれは少なくなりました。1カ所転写がうまくいかないのはいつものことです。赤マジックで修正してエッチングしました。いつもなぜか回路に影響のない部分が転写不良になります。


きれいにエッチングできました。よく見ないと感光基板で作ったものと差がわからないレベルに仕上がりました。


集合抵抗を使いました。配線の長さを短くした方がノイズに強いので右の写真の位置が理想的なのですが、さすがに余裕がないので...


この位置になりました。右はDROを使ってDROのケースを加工しているところ。この回路のおかげで外付けキーボードを取り付けることが出来なくなりました。
ってな訳で外付けキーボードの開発は没とします。


配線の様子


なぜかZ軸だけ、メイン基板についている3mmのLEDが点灯しません。スケールのモード変更も出来ません。原因を突き止めたらショートが原因でした。写真の黄色いところが接触していました。基板の不良でしょうか? 半田がレジストの下に潜り込んで隣のパターンと接触したように見えますが、拡大鏡でみてもよくわかりません、顕微鏡が必要です。光の当たり具合を変更して撮影してみましたが下の写真を見る限り接触しているようには見えないのですが、確かにここでショートしているのです。



当初、PICがいかれているのでは?と思い外してみたときに失敗。このスリムタイプの28ピンのものは引き抜くのがちょっと難しい。


最下位の表示を安定化させるアルゴリズムを考えてみました <−MOVIE

DRO_add.zip へのリンク <−EAGLEの回路図&基板パターン&基板パターンビットマップ

回路図

トランジスターは2SA1015です。

出力信号がどれくらいパワフルなのか確認してみました。これがオリジナルのクロック波形。


220pFのコンデンサを信号線とGND間に入れてみたときの物。右は10kΩの抵抗を信号線とGND間に入れてみたときの物。「へなちょこ」ですな。


DRO3.zip へのリンク <−改良版プログラム HEXファイル&ソースファイル

動いているところ <−MOVIE
通常のくちばし付きのノギスはすぐ起動しますが。くちばしなしのタイプはノギスの起動に時間がかかるタイプの物があるようなので、その間カウントダウンしてみました。深い意味はありません。時々起動に失敗して、信号が来なくなりますが、10秒程度待ってから再度電源を入れ直すとたいていは起動うまくいきます。電源スイッチはつけておいた方がいいみたいです。

3軸版を作ってみました。これは1個だけ作ります。160×100の基板からちょうど1個作れるため無駄がないので配布予定はありません。


このページはとりあえずこれで終了。3軸版の制作に続きます。