2009-07-01
以前は外袋と黒いビニールの内袋になっていましたが、新基板では外袋のみになっています。以前の内袋はセロハンテープで口が止めてあったので人件費削減の為か、生産工場が変わったのではないかと思います。
新パッケージ。価格に変更無し。
以前は黒ビニール袋に入っていたが、外袋がそれを兼ねるようになっている。
冷蔵保管不可と有りますが、明確な理由はわかりません。結露防止なら室温で1時間も放置すれば問題は発生しません。実験のため1枚冷蔵庫保管して結果を確認してみることにします。実験は数ヶ月後です。露光時間のグラフが公開されていますが製造後3ヶ月~6ヶ月間は露光時間が大きく変化するそうです。このグラフが正しいなら新品かもしくは6ヶ月以上経過した基板を使用する方が良いことになります。在庫の回転がよいと思われる千石電商でも購入した基板は既に製造後2ヶ月を経過していたので、これまで以上に製造年月日を注意してみる必要があります。
冷蔵保管不可?
露光時間のグラフ。製造後3~6ヶ月付近は急激に露光時間が変化します
実験開始
いつものOHPフォイル
2枚重ねにするため同じパターンを2枚印刷
マスクパターンは遮光性を良くするために2枚重ねにします。
実験回路はデジタル回転計の反射式センサーVer2
数分乾燥させて2枚重ねにする
ネット上を探し回りましたが、どの程度感光時間が短くなったのかの情報が全くありません。サンハヤトのホームページにも情報がありません。露光時間を今までの40%にして実験してみることにしました。過去の露光時間の記録はこれを見て下さい。
感光剤の色が薄い
感光時間は1分50秒とした
この紫外線ライトは片道約15秒で移動します。そのため露光時間の分解能は15秒単位になってしまいます。1分50秒だと3往復半です。
感光中の様子
今回は照明に白熱電球を使用しているので現像中に紫外線はほとんど当たりません。蛍光灯でも影響はほとんど受けません。距離が遠すぎるからです。感光剤の色が薄いので現像完了が解りにくくなった感じがします。
現像液は作り置きした物を使用。常温、暗室ではない通常の室内に保管。
現像中に刷毛でなでても大丈夫です。
綿棒に塩化第二鉄溶液をしみこませて、基板に塗って現像終了の確認をします。縁の部分は感光剤が若干厚いので4隅の現像が完了していれば現像完了とみなして良さそうです。
感光完了の確認
エッチング中
微細パターンも特に問題なく出来ています。ピン間2本も抜けると思います。
細いパターンもきれいに出ている
ゴミが付着していた部分はエッチング時にパターンが切れてしまった
繊維くずの付着が確認されたので。あと2枚開封してみました。2枚とも繊維くずが付着しています。繊維くずは基板を構成しているガラス繊維かも知れません。製造工場が変わったのでしょうか?これはいただけません。
繊維くず
ここにも付着している
これはちょっと解りにくいが確かに繊維くずが付着している
開封した2枚はそれぞれ1分50秒、2分05秒露光して現像してみました。
「現像液は流水で洗い落とすな」とあるのですが、溜水で洗ってもその差は確認できませんでした。
基板に穴あけしたあと、太陽光で感光、現像液で感光剤を除去します。露光時間の異なる2枚に差は見られませんでした。どちらも良好です。多少の露光時間の違いは問題にならないようです。
エッチング完了
再感光して感光剤を落とす
ドライヤーで少し加熱してスプレー式フラックスを塗って完成。
完成
2009-07-28
前回と同じ条件で実施しましたが出来の悪い基板が出来ました。やはりデータを取っておかないとダメなようです。このページにデータを蓄積することにしました。
使用基板:NZ-E41K
基板製造年月日:2009-05-15
購入日:2009-07-25
使用日:2009-07-28
購入店:秋葉原 千石電商 店舗
基板不良:直径2mmの感光剤が薄い箇所有り。この部分は穴が空いた。
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:26℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分50秒
現像時間:約3分
結果:ベタパターン部が露光オーバー
原因考察:
・現像時間が長すぎた
・露光時間が長かったか?
今後の対策:
・露光時間を15秒短くする
何とか使えるが、ベタパターン部不良。
感光剤が薄い部分は穴が空いた
2009-08-04
露光時間以外は前回と同じ
使用基板:NZ-E41K
基板製造年月日:2009-05-15
購入日:2009-07-25
使用日:2009-08-04
購入店:秋葉原 千石電商 店舗(前回使用した物と同時購入した物)
基板不良:なし
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:28℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分35秒
現像時間:約3分
結果:ベタパターン部が僅かに露光オーバー
原因考察:
・露光時間が長かったか?
今後の対策:
・露光時間をさらに15秒短くする
露光時間を15秒短くしてみたが、まだオーバー気味
ベタ部分以外の出来は悪くない
2009-11-16
マスクパターンの出来があまり良くない。詰め替えインクがちょっと水っぽいのかインク粒子が大きくてにじんだ感じになる。
マスクパターンは遠くから見ると綺麗に出来ているように見えるが
拡大するとインクがちょっとにじんでいる
往復式の感光ライトはこの基板には適していない。感光時間が短すぎて調整が困難。基板は冷蔵庫保管しておいた物だが特に問題は見られない。冷蔵庫保管の問題は「冷蔵庫から出して直ぐ開封すると結露する」という事だと思われる。
露光中。時々取り出して軽く水洗いし、綿棒に染みこませた塩化第二鉄溶液を塗って現像の完了をチェックする
エッチング中
今回のパターンは配線のクリアランスが12mil(=0.3mm)しかない
使用基板:NZ-E43K
基板製造年月日:2009-04-28
購入日:2009-07-25
使用日:2009-11-16(4ヶ月間冷蔵庫保管)
購入店:秋葉原 千石電商 店舗
基板不良:なし
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:21℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分20秒
現像時間:約20分以上
結果:良好
露光時間を短めにして現像時間で調整すると失敗無く仕上げることが出来そう
これについては旧製品も同じ
ピンホールの発生も殆どなし
2010-02-01
1枚目は現像時間が40分かかった。2枚目は1時間経過しても現像終了しないので現像液を新品に交換。どうやら現像液は長期保存できないようだ。現像液を作ったのは昨年の4月なので、約10ヶ月経過している。賞味期限は6ヶ月と見ておくのが安全か。前回の現像時間が長かったのはこれが原因と思われる。
使用基板:NZ-E43K
基板製造年月日:2009-10-14
購入日:2009-11-18
使用日:2010-02-01(約2ヶ月間冷蔵庫保管)
購入店:マルツ 通販
基板不良:なし
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:15℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分20秒
現像時間:約40分
結果:良好
普通の出来
2010-03-27
纏めて4枚作成
1枚
使用基板:NZ-E43K
基板製造年月日:2009-11-27
購入日:2010-02-10
使用日:2010-03-27(約1.5ヶ月間冷蔵庫保管)
購入店:千石電商 店頭購入
基板不良:なし
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:16℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分20秒
現像時間:約10分
結果:良好
3枚
使用基板:NZ-E43K
基板製造年月日:2010-02-24
購入日:2010-03-25
使用日:2010-03-27
購入店:千石電商 通販
基板不良:なし
紫外線ライト:サンハヤトBOX-8A
室温:16℃
マスクフィルム:3Mインクジェットプリンター用2枚重ね
プリンター:EPSON PX-G5000
露光時間:1分20秒
現像時間:約10分
結果:良好
現像液の濃度で現像時間が変化する気がする。2~3割濃いほうが良いのでは? 次回実験してみる。
普通
ちょっとホコリの付着によると思われる部分があるが概ね良好