プレッシャーアンカー 制作:2007-09-04

SHIMANO製のプレッシャーアンカーの性能が悪いので自作しました。


固定力が弱くてほんの少し予圧をかけようとしただけで抜けてきてしまいます。形状も悪くアルミ製のコラムが3角形に変形します。SHIMANO製のプレッシャーアンカーの構造はこちらを見てください。


コラムは貫通しているので摩擦に頼らない方法で設計しました。図面を書きましたが作っている途中で設計変更したりで最終形の形状は図面とちょっと違っています。


円柱形なのでひたすら旋盤で削るだけです。そんなに頑丈でなくてもいいのでジュラコンで作りました。黒いものはOリングです。がたつき防止です。これは上側の部品。


こちらは下側の部品。ピンは真鍮。分解組立を考慮して面取り。


上下の部品を繋ぐアルミパイプ。直径10mm、0.5mm厚。これも面取り。


ピンを通す穴を開けて、バイスでピンを圧入。ジュラコンは3.0mmのドリルで穴開け。アルミパイプは3.1mmのドリルで穴開け。ピンはちょうど3.0mmだけどジュラコンは弾力があるので3.0mmのドリルでは2.95mm程度の穴しか空きません。そのため圧入がうまくいきます。


下側の部品のピン穴は3.1mmのドリルで開けてあるのでぶかぶか。とがった物で押せばピンは簡単に抜けます。10mmの穴はドリルではなくフライスで開けました。分解することを考えるときつすぎてはいけないが10mmのフライスだと10mmよりほんのわずか小さな穴が空きます。10.5mmだとぶかぶか。ちょうどいい直径の刃物が無かったので、旋盤を回したままチャックを真上から押さえつけて穴を広げました。剛性の低いホビー用の旋盤ならではの方法です。


完成したので主さを比較。15g重くなりました。


組立は上から押し込んで。空いている穴にはM6のネジが切ってあります。


下から出たアルミパイプに下側部品を組み付け。


ピンが抜けないようにOリングで固定したら、コラムの中へ押し戻します。こんな面倒な組立方をするのはフォークの上の穴が25mmで下側が21.5mmと異径になっているため。ストレートなパイプなら組立済みの状態で下から押し込むだけで済んでしまいます。


蓋をかぶせてネジを締め込んで予圧をかけます。フレームがカーボン製なので締め付けトルクはドライバーを2本指でつまんで力一杯締め込む程度にしています。それでも十分な予圧がかかります。L字型のアーレンキーで締め込んだらいくらでも締まっていってしまいそうです。たぶん中に通してある10mmのアルミパイプが一番先に負けます。