PICkit2用ZIFソケット 作成:2007-05-02〜

PICkit2はICSP用の6ピンコネクタしか備えていないのでZIFソケットを接続するアダプターを作ります。


PICはデバイスごとにプログラムの書き込みピン位置が異なっています。書き込みに必要なピンは全部で5種。5種であって5本でないのは28ピンと40ピンの物にはVdd,Vssが複数あるため。
 Vpp/MCLR <−ここには13Vの電圧がかかると書き込みモードになる(...だったような気がする)
 Vdd <−電源プラス側(5V)
 Vss <−電源マイナス側(0V)
 PGD/ICSPDAT <−プログラム書き込みデータピン
 PGD/ICSPCLK <−プログラム書き込みクロックピン

これは秋月電子で販売されているフラッシュタイプの書き込みピンを図にしたもの。ピン数が異なると書き込みピンの位置も異なります、同じピン数なら書き込みピンの位置はどれも同じです。旧式なPICを含めるともっとバリエーションがあるようですが、最近販売されている物は書き込みピンの位置が統一されているようです。


アダプターを作るためにはピン数によって異なる書き込みピンの位置をどうやって切り替えるかがポイントです。思いついた案は...
 ・ロータリースイッチを使って切り替える <−配線が面倒だし、ケースに入れないと格好が悪いので没
 ・アナログスイッチ(半導体スイッチ)を使う <−電源が必要になるし、回路も複雑になるので没
 ・ZIFソケットを4つ使う <−高くなりすぎるので没
等ですが、結局シンプルな回路にしました。これがその回路図。ピンの数に応じてPICkit2を突き刺すコネクターを変えるというもの。


基板のレイアウトです。下の方を手前にして使用したときに使いやすいようにしました。考慮点は...
 ・PICkit2のLEDが正面を向く
 ・ZIFソケットのレバーが右側にくる(左利きの人には不便)
 ・同様にPICkit2がZIFソケットを操作するときにじゃまにならないようにPICkit2はZIFソケットの左側に配置する


ZIFソケットを1つだけ使う方法の問題点は、差し込み位置を間違えると変な場所に13Vの電圧がかかって破壊してしまう可能性があるということ。40ピン以下のPICに書き込むときはZIFソケットの上側にそろえて差し込む様にしましたが、下側にそろえた方が見やすいので回路を変更。


ソケットも黒、PICも黒いので差し込み位置を間違えやすいのです。


簡単な回路ですが、部品のレイアウトが悪いと未配線が多数残ります。もちろん片面基板で作ります。ユニバーサル基板でも良いのですが配線が面倒なのでプリント基板で作ります。


完成したパターン。プリント基板はPress−n−Peelで作ります。生基板の在庫が無くなったので発注。しばらく中断です。


基板届きました。緑の基板も購入しました。基板の購入先はここ


転写がうまくいきません。右の写真の右側パターンはちょっと前にPress−n−Peelに印刷したまま使わずに残っていた物を転写。よく見ると色の濃さがだいぶ違います。恐らくトナーが少ししか載っていないため。トナーを購入することにします。またまた中断です。トナーは再生品が安く購入できますが、今使っている物にトナーを詰め直して再生してくれるところがあったので、そこに発注してみました。料金はちょっと高めです。


トナーカセットは自分で梱包しなければなりません。PICkit2を買ったときの緩衝材を使った廃物利用。宅配便で回収されます。


送られてきました。銀色の袋に包装されていて新品のようです。新品のトナーカットリッジを使うときに必ず必要なトナーを解除するタブも付いてきます。


テスト印刷もしているようです。


左がカートリッジの再生をする前に印刷しておいた物、右が今回印刷した物。やはりトナーが少なくなっていたようです。


...で、再度やってみましたが、かなり改善されたもののキレイに転写できません。転写後のシートの方にもうっすらと青い物が残っています。


今までと違っているのはいつも使っている1mm厚の基板ではなく1.6mmの基板を使っているところ。分厚い分だけ熱が奪われるのではないかと思いアイロンを最高温度にして、さらに加熱する時間を倍にしました。結果、やはり縁の部分がシャープではありませんが、何とかいけそうな物になりました。


エッチング液を電子レンジで加熱してエッチング。とりあえず使える物は出来ました。


穴あけして半田付けして完成。ZIFソケットを直接半田付けせずにソケット経由にしました。


裏はこんなです。


書き込みテスト。すべてOK。
40ピン、28ピン


18ピン、8ピン


ネームランドでラベルを貼りました。


回路図


回路図&基板パターン <−EAGLEのファイルです

2007-05-30追記
同じようなコンセプトの物発見!! なぜかピンの数が7本なので使い方がちょっと違うのかもしれません。7本ピンが突き出ていたらPICkit2は刺さらないはずです。

P板.comで基板を作りました。自作基板とはさすがに出来が違います。基板はたくさん作ったので売店で販売します。<−売り切れました