NC翼型スチロールカッター(Page4) 作成:2005-05-09〜
NC制御で発泡スチロールを切る装置を作ります。刃物で切るのではなくニクロム線で切ります。
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いろいろ、速度と温度(ニクロム線に書ける電圧)を変更して切ってみました。錘はハンダです。
一番左:ほぼ適切な温度と速度。速度は60mm/分。若干速度が速すぎ。
左から2番目:速度は60mm/分のまま温度を上げてみた。切ると言うより溶かしてしまった
左から3番目:速度を目一杯速度を遅くして5mm/分の極低速、温度も発泡スチロールが溶けるぎりぎりの温度にした。上の部分がやはり溶けている。ゆっくり動かすと熱の逃げ場所が無くて溶けてしまうのだろうか?
一番右:速度を30mm/分にして、温度も最低温度より若干上げてみた。これも失敗。
少し幅のあるものも切ってみました。あまり違わないように見えますが、右の方はかなり波打っています。送る速度が速すぎるとこの波うちが出てしまうようです。もう少し実験してみないとわかりませんが50[mm/分]付近が適切な速度になりそうです。
ちなみに切ってみた翼の重さは0.44g 片翼150×80mmです。
波打は上に乗せる錘を重くしすぎても発生します、ニクロム線の動きを阻害するような力が波打の原因のようです。これは切れる速度より送り速度をうんと速くしたときのもの。物凄く波打ちます。山と谷の高さの差は0.5mm程度。送り速度は90mm/分。(適正速度は50〜60mm/分)
最終的なNCデータはPICのタイマーに設定する値を4バイトで持つようにしました。各行の後ろ4桁がタイマーに設定する値。タイマーはアップカウンターなので、この値が16進数のFFFFになるまでの時間間隔を置いて次の行が実行されます。1カウントは1/625000秒です。
テーパー翼を切る場合、左右反転をしたいので左右反転機能を付けました。上下反転もついでに追加。
翼端にいくにしたがって薄くなるようにしてみました。これは装置の両端の軌跡なので右は実際の翼の厚さよりずっと厚く左は薄くなります。
切ってみた結果はこれ。薄い側の前縁部が溶けてしまっています。真横から見た状態は良好です。送り速度は50mm/分
溶けてしまったので送り速度を60mm/分に変更。若干溶けていますが使えるレベル。右が上の失敗作。後縁はカッターで切り落として整えてあります。
約300×450サイズの50mm厚の板を半分にスライスしてみました。送り速度は56mm/分。若干波打が見られます。薄物では50mm/分だと遅すぎますが、厚物は50mm/分が良さそうです。
こんな使い方も出来る。
尾翼を切ってみました。青い点群がワークの両端の形状、赤い線がカッター両端の軌跡。翼端側は後ずさりしてます。
現物はこれ。後ずさりするのに正しい形状に切れるのは何となく不思議。ワークは片側に大きく寄せています。いちおう垂直尾翼のつもり。高さ150mm長さ120mm(胴体とのつけ根部分)厚さ6mm、重さ0.67g。もう少し分厚く作ればラダーも発泡スチロールでいけるかもしれない。
全翼機の翼型を切ってみました。翼型はEppler335。かまぼこ形ではなく後縁部が跳ね上がった形状をしています。ちょっと失敗、後縁部に波打が出てしまいました。原因は不明。ニクロム線をテキトーにみの虫クリップで銜えているだけなので通電が瞬間途絶えたのかもしれません。前縁部に¥10玉を挟み込んで軽く押し出すと滑空してくれます。翼だけで飛ぶのは何とも不思議な感覚。6畳の部屋で飛ばしたので本来の性能は不明です。
後退角を付けてみましたが重心位置に神経質であることには変わらず。上半角はいまいち効果不明。この翼型なら後退角が無い方が面白いと思う。
錘は両方とも¥10玉。ちょっとサイズが違うが後退翼と矩形翼の重心位置の違いはこんなです。
翼を切っているところ <−MOVIE ちょっと暗かった
Eppler635も切ってみました。Eppler335と比べると下側のふくらみが少し小さい。こちらのほうがいい感じ。重心位置は変わらないが、わずかに押し出してやるとと自然に滑空する。上半角を付けた方が、くるっと回って前のめりに地面につっこむことが少なくなります。ラダーを付けてみましたがあまり曲がりません。遅すぎるせいだと思います。プロペラ後流もありません。こんな物でもかなり抵抗になっているのがわかります、重心位置も僅かに変わります。
抜け殻です。ニクロム線は使っているうちにだいぶ伸びました。
クラークYでも実験してみましたが、くるくる回って滑空しません。大きく違うわけではないのですが、ほんの僅かな後縁の跳ね上げが効いているのでしょう。
こんな変な翼型も試してみました。これは重心位置がわかりませんでした。
上はファウベルの翼型。よくわかりませんが無尾翼グライダーの物のようです。軽いときは下のEppler635のほうがきれいに滑空しますが、重いときはあまり差が無くなります。分厚い分剛性があるためかもしれません。剛性が原因とするとフィルムを張ったら結果が異なってくる可能性があります。錘は38gの小銭、翼の重さは約8g。
この本にクラークYでもひっくり返すと翼だけで飛ぶと書いてあったので実験してみました。上半角もつけてあります。下側が丸いので奇妙です。
クラークY逆さ翼を飛ばしてみたところ <−MOVIE うっ 小指立ってる
翼型そのものの形状で切るとニクロム線の半径+α(ちょっと溶ける)ほど小さい物が出来ます。当初CADのオフセット機能を使う予定でしたが毎回オフセット操作をするのも面倒なので、プログラムにオフセット機能を組み込むことにしました。このオフセット機能、簡単そうで簡単ではありません。実際、鍋CADでも無理な値を入力したりすると変な図形を生成してしまいます。くさび形図形のマウスポインターがある部分がそれ。中学生なら苦も無く解ける連立方程式が結構応えます。よく見ると式間違ってるし...
2つの直線の交点を求めたり、線分を指定寸法だけオフセットする基本部分から作り始めます。2本の直線の交点や、円と直線の交点を計算する機能が正しく動作しているかを得られた結果をもとに作図して確認しているところです。
息抜きにまたまた翼を切ってみました。赤い線がオリジナルのEppler635。切ってみたのは青い線の形状。今回の物は下面の曲線はオリジナルのままにして、上面の出っ張りを主翼前方へ移動させてみました。この方が重心位置の変化を許容してくれるようになるようです。
オフセット機能...はまってます。どんな多角形にも対応できるロジックはかなり複雑。もう1週間もやってます。一筆書きにならなければ切れないので、万能なロジックでなくてもいいのですが、ここまでやったのでなんとか完成させるつもり。現時点オフセット機能のプログラムは900行もあります。それでもまだ未完成。最終的には1400行程度になりそうです。プログラムの1/4はオフセット機能で占められることになります。
ここまで来ましたが、難しいのはここから。赤い線が緑の線をオフセットして出来た図形ですが、この赤線どうしが交差するとやっかいなのです。右はこれまでの残骸。
PC側プログラムはHSP3という言語を採用しましたが、システムエラーが発生してそこから抜け出せなくなってしまいました。エラーが発生した行を表示してくれるのですが、実際は他の所で起こった問題が最終的にこの行で破綻しただけのようで、エラーが発生した付近を修正するとまた別の所で同じエラーが出ます。モグラたたき状態なので言語を替えようかと考えています。右はエクリプスというJava言語の統合開発環境です。Java専用の統合開発環境ではないのですがJavaで使っている人が多いようです。統合開発環境というのは工作機械で言うとマシニングセンタみたいな物、とにかくいろんな機能がたくさん付いていてこれで何でも出来るようになってます。その昔(20年以上前)まともな開発言語は10万円以上したものですが、今はほとんどが無料です。
Javaはちょっとしきいが高いようです。サンプルプログラムを見ながら、適当にやればなんとかなると考えてましたが思うようになりません。本を買ってざっと読んでみないとダメみたいです。VisualBASICにでもすればいいのですが、Javaは作図関数も標準で多数用意されていて便利そうなので捨てがたい。翼型を描くのに都合がよいポリゴンなんていうのもあります。その反面、ふつーの言語で文字を表示するのに
Print "XX" や Msg "XX" で済むところがJavaだと System.Out.Println("XX")ってな具合に長くなります。悪霊を呼び出すんじゃないんだから呪文は短いほうがいいのですが...
こんな本買ってきました。
VisualBASICにもポリゴンっていうのありました。データ構造はJavaの部品のほうが良くできていると思うのでJavaで続けます。
Javaはシリアルポートで通信できないのでしょうか?検索してみるとコミュニケーションAPIというので通信できると、多くのサイトで紹介されているのですが、実際のダウンロード画面にはWindows版がありません。NCデータを生成してしまえば後はそのデータをコントローラーに送り込むだけなので、通信部分とデータ生成部分が別のプログラムでも問題ないのですが、何だがちょっとかっこ悪い。通信部分はとりあえず後回しにして、描画部分に取りかかることにします。本をざっと見て概要をつかんでからのほうが楽なので入門書をamazonに発注。新品を買うと高いので古本にしました。
サンプルプログラムだけをたよりに作るのはやはり無理。Javaとは何ぞや、オブジェクト指向とは何ぞやという堅苦しい本も読まねばダメみたい。550ページ。この手の本はだいたい前半部分を読めば十分実用になる知識が得られるようになっていますが、半分でも275ページあります。
古本届きました。7年も前の本。内容ではなく本そのものが酷くかびくさい。これを読むのは強い精神力が必要だ。内容ではなく臭いに耐えるために。ファブリーズしてみましたが効果無し。1日外に出しておいたらにおいが取れました。
Javaはほぼ理解できました。上の「プログラミング言語Java」はプログラム例が良くないのとJava言語の暗黒面の話が多いので疲れます。