熱転写紙とGreenTRF

サーマルトランスファーペーパー(トナートランスファーペーパー)によるプリント基板パターンの転写実験

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 サーマルトランスファーペーパーについて
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・購入は aliexpress 50枚で送料込み約$8。10枚約$3というショップもある。1枚約¥20。切って使えるので紙で転写する方式と価格は変わらない
 この商品を扱っている店舗数は100件以上ある。迷うときは評価の多いところで買う
・黄色いシールの剥離紙を流用した物だと思う
・名称は toner transfer paper もしくは thermal transfer paper 製品名は特にない
・Press-n-Peel同様の使い方。この紙にパターンをレーザープリンターで印刷しラミネーターでトナーを生基板に転写する
  -基板にはトナーしか転写されないためエッチングするとピンホールがかなり残る
  -トナーが薄くなるとエッチングによるパターン切れが発生しやすくなる
  -紙は普通のA4コピー用紙程度の厚さで柔軟性はPress-n-Peelより高い。埃のかみこみによるパターン切れは少ないと思う
  -表面がツルツルなのでプリンターの用紙送り時に詰まりやすい

価格が安いのでインクジェットプリンター用紙を使用する方式は近い将来消滅すると思う
このトナー転写方式は
 ・全てのブラザー製プリンター
 ・全てのカラーレーザープリンター
 ・HPのいくつかの機種(HP-1006,HP-1020,HP-1102)
ではうまくいかない
詳しくは http://www.pcbfx.com/main_site/pages/start_here/printer_info.html
現時点では安い CANON LBP3100 がお勧め

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 GreenTRFについて
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・パターン強化剤。基板に転写したトナーの上に積層することによりパターン切れやピンホールを防ぐ
・Mouserで購入できる
・穴径は0.45mmが最適。0.3mmでは塞がってしまう
・Press-n-Peelより安価 20cm×4.5mで¥1200
 専用のトナー転写紙を同メーカーが販売しているが安い中国製で十分
・しわになりやすいので少し大きめに切って基板をくるむように貼り付けると良い
・Press-n-Peelのほうが微細パターン向き
・塞がってしまった穴は針でつつく
・溶剤による落としやすさはPress-n-Peelと同じ。パーツクリーナーが一番便利だがアセトンが一番よく落ちる
・FR4(=ガラスエポキシ)、紙フェノール両方とも実験してみたが差は特に感じられない
・パターンは太く潰れるため8milでも切れない
・クリアランスは14mil以上開ければショートしない(ピン間2本は無理)これはラミネーターを使ったときの値。アイロンの場合はもっと酷くなる
・0.5mmや0.65mmピッチのSMD部品はショートする可能性大。換算すると0.5mmピッチは0.25mm(=10mil)の配線になるのでかなり厳しい

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 GreenTRF と Press-n-Peel の使い分け
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Press-n-Peelが適しているケース
・ピン間2本抜きや10milの微細パターン、0.65mmピッチのSMD部品を使う場合
・複数の転写方式を使い分けたくない場合

GreenTRFが適しているケース
・ピン間1本抜きまでのパターン
・ベタパターンを出来るだけ綺麗に仕上げたい場合
・基板の用途によって熱転写紙だけを使う方法とGreenTRFを併用する方法を使い分けたい場合(トナーカートリッジが新しければ熱転写紙だけで十分綺麗な基板が製造できる)
・転写失敗を出来るだけ少なくしたい場合(熱転写紙はトナーとの密着性が低いのでPress-n-Peelより転写失敗確率が低い)


2015-01-01

たぶんシールの剥離紙だと思う

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Press-n-Peel同様にA4用紙にセロハンテープで貼り付けて印刷してみるが詰まる

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そのままのサイズで印刷してみる。また詰まる

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送りローラーが滑っているようなので印刷位置を変更。A4プリンターなら長手方向に用紙を送るので位置変更しなくてもうまくいくと思う

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かすれているのはトナーカートリッジの問題でこの紙の問題では無い

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ラミネーターを最高温度にして8回通す。斜めに入れないと転圧ローラーにはじき出されて剥離してしまうことがある

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冷ましてから剥がす。ぶどう紙と違ってぺろっと剥がれる

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わずかに紙にトナーが残るが許容範囲

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シルク印刷実験。自作基板では必要性は低い

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反転するのを忘れていた。実際は裏面を完成させてから転写しないと溶剤を使ったときに溶けてしまう。アルコールでも強くこすると少し落ちる

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Press-n-peelを上塗りしてみた。トナーの補強効果は有り。当方のプリンターのようにトナー切れ間近で印刷が部分的にかすれ始めた物には効果が無いと思うが全体的にトナーの薄い機種には効果があるかもしれない。このような使い方をする「Green TRF」という製品があるのでそのうち試してみる。基板が傷だらけなのは表面にシルク印刷実験をしたため

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2015-01-02

木材に転写してみた。一旦ビットマップに変換して反転印刷するのが面倒だったので裏焼きになっている。さすがにこれはラミネーターに入らないのでアイロンを使った。温度設定は約175度。綺麗に転写できない方が木材らしくて良い。材料は栂。銘板等他にも用途がありそうだ

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2015-01-12

GreenTRF(GreenTRF Foil)の実験。20cm×4.5mサイズ。長いので段ボールに巻いてある。約¥1200。面積あたりの価格はPress-n-Peelの半額程度だが購入先はMouserしか無い。これだけ買うと送料が¥2000かかってしまう。Press-n-Peelはレターサイズ100枚で送料込み約2万円。同様に送料がものすごく高い

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プリンターをCANON LBP3100(¥7480)に変更

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熱転写紙に印刷。トナーカートリッジが新品なのでかすれは全くない。トナーの濃さは最大にした

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基板にトナーを転写。ラミネーターを最高温度にして7回通した。このままエッチングしても十分回路は機能する。ベタパターン部にピンホールが多数有るがGreenTRFを使うとこれが塞がってくれる

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若干転写紙にトナーが残る。写真中央のトナーはかなり大きなゴミを付いていたため転写されなかった

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GreenTRFをかぶせてラミネーターを7回通した。たぶん3回くらいで十分。フォイルは食品用ラップより更に薄い感じ

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何度か試してみたがしわが発生しやすい。しわの部分にもトナーは残っているのでパターン切れになるわけでは無い

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トナーと緑物質の密着性はPress-n-Peel同等だが透明フィルムと緑物質の密着性はPress-n-Peelよりかなり弱い

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部品穴まで塞がった。穴の径はdrill_aid.ulpで0.3mmにしてある。この問題は透明フィルムと緑物質の密着性が低いことによる物と思われる

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テープを貼って剥がしてみると穴も抜けるがパターンもテープに付いてきてしまう。紙テープやビニールテープなど種類を変えてみたがどれもうまくいかない。歯ブラシでこする方法もダメ

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穴の径をdrill_aid.ulpで0.45mmに変更。0.4mmまでは不良が発生した。プリンターの機種やラミネーターの温度などにより若干変わるかもしれないが当方の環境では0.45mmが最適。穴が塞がった箇所は針でつつくのが今のところ最良の修正方法

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小さな穴はGreenTRFが塞いでくれるのでベタパターンは非常に綺麗に仕上がる。●がピンホール修正箇所。パターン切れよりもパターンショートになりやすい傾向がある。塞がった穴は良く確認しないと気がつかない。この基板にも1カ所塞がっている穴がある。部品の実装時に穴が無いことに気がつくと既に半田付けした部品が邪魔になって銅箔面からの穴開けがやりにくくなる

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エッチング後。GreenTRFは穴は小さくパターンは大きくなる傾向があるのでクリアランスはPress-n-Peelより広くした方が良いと思う。写真左下の穴の周囲は非常に幅の狭いサーマルなのでPress-n-Peelでもたぶんうまくいかない

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0.45mmだと穴開けが難しくなると思ったが変わらなかった。ドリルを降ろす瞬間に基板を押さえる力を抜くと勝手にドリルが穴の中心に収まってくれる。大きな基板より小さな軽い基板の方がうまくいく。ドリル径は0.7mm。フラックスを吹いてから穴を開けている。フラックスは吹き付けた直後にティッシュで拭き取ってから再度薄く吹き付けると綺麗に広がってくれる。濃く吹き付けると表面がべたついて穴開けの時に出た粉が付着したり指紋が付く

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2015-01-16

GreenTRFの限界性能テスト。プリンターの精度上は8milのクリアランスは小さすぎる。パターンの幅とクリアランスは同じにしてある

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転写後。トナーカートリッジが新しければこのままエッチングしてもパターン切れはしないはず

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GreenTRF転写後。12milでは繋がってしまう

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やり直し。
右側のパターンはクリアランスとパターン幅は同じ
左側のパターンは上からクリアランス12mil、13mil、14mil、15mil。クリアランス14milでほぼショートしなくなる。パターン幅8milでも切れない。ピン間2本はランドを小さくすればいけるが不器用な人には穴開けが出来なくなる。ピン間2本抜きが必要な物はPress-n-Peelを使った方が良い

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拡大写真
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
R0023018.jpg PNG 上の写真の拡大版

ショートした箇所はテープを貼ってから剥がすと除去出来る。これでも12mil程度がクリアランスの限界になるので0.5mmSMD部品はたぶん無理。0.65mmSMD部品がギリギリ

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同パターンのPress-n-Peelの結果。基材の透明フィルムとの密着性が強いので時々転写不良を起こすのがPress-n-Peelの欠点。8milパターン&クリアランスは潰れた。プリンターが1200dpi機なら8milもいけるかもしれない。1200dpi機はかなり高価になる

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上からクリアランス11mil、12mil、13mil。10milクリアランスが転写できるので0.5mmピッチSMD部品もOK。一番上の9mil幅パターンはパターン切れが1カ所発生している。Press-n-Peelはクリアランスを小さく出来るがパターンは基板との接着力を稼ぐために太くした方が良い

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2015-01-17

印刷してある文字の意味はパターン幅。CXXはクリアランスの幅

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2015-02-12

配線太さ20mil。穴径は0.45mm。中央の部品はSOT23。1.27mmピッチ。このままでも十分使える基板になる

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GreenTRFの切れ端が余っていたので実験。このように巻き付けるとしわにならない。Press-n-Peelはラミネーターに7~8回通さないと転写不良を起こしやすいが熱転写紙やGreenTRFは3回通せば十分密着してくれる

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転写結果。ベタパターンの転写不良はGreenTRFにより殆ど塞がる

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エッチング後

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Press-n-Peelとの比較 使用しているプリンターの機種により必ずしもこうならない可能性有り

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2015-02-14

かすれ気味のトナーカートリッジでテスト。このままエッチングしてもギリギリ切れないと思うが危うい場所が何カ所かある。特に基板左側中央付近がかすれている。パターンは素直なピン間1本抜き。CADはEAGLE。デザインルールは
クリアランス 10mil
配線太さ 13mil
ベタパターンのアイソレート 24mil
プリンターはEPSON LP-8700(1200dpi) カートリッジは再生品

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GreenTRF使用後。クリアランスが10milなので繋がりかけている場所があるが危うい場所は改善されている。このパターンはラミネーター導入前にPress-n-Peelで実験したときとほぼ同じ物(ページの下の方にある)付近にGNDが無いのでベタパターンが抜けている箇所があるがEAGLEの場合この上から更にGNDに接続されていないポリゴンを配置すれば抜けは塞がる

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2015-03-14

かすれ気味のトナーカートリッジでPress-n-Peelのテスト。GreenTRFの方がピンホールを塞ぐ力は高いがパターンが太ってショートを起こしやすくなる。Press-n-Peelはパターンがあまり太らないがピンポールを塞ぐ能力は低い。これは8年前に購入した物なので新品だともう少し良い結果になる

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2015-07-11

紙フェノールだとシルクもくっきり印刷できる。穴開け後に転写した

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2017-02-07

海外ではphoto paperとやらを使っている例が多い。日本で言うインクジェット用の光沢紙だと思うが基板に紙が残ること無くきれいに剥がれている。光沢紙の表面コーティングもトナーと一緒に転写されているようだ。photo paperを使ったトナー転写法のYouTube動画 紙は近くの文房具店で買った物とある他の動画ではきれいに剥がれていない例もあるので光沢紙なら何でも良いというわけでは無いと思われる

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