クリーピングタイム栽培

タイムを栽培して雑草と戦わせてみる

クリーピングタイムは文字通り匍匐製のタイムという意味で特定の品種を指す物では無い
種の袋にはタイムとしか書いてないので実際の品種は不明

種蒔き
 ・種が非常に小さいので蒔きづらい。種の上に土はかぶせなくて良い
 ・種まきは風の弱い日を選ぶ。そうしないと種が飛ぶ。静電気で思うように蒔けない
 ・発芽率60%程度
 ・苗の土はバーミキュライトが良い。黒土は水はけが悪いので良くない。植え替える頃にはバーミキュライトが崩れない程度に根が張る
 ・根が細かく鉢底にネットを敷くと絡む
 ・種まきの適期は3月頃。2月は寒くて発芽しない。一気に成長するのが10月。6月までに種蒔きすれば年内に定植できる
 ・7月種蒔きだと定植は10月になり根が生長しないまま越冬させることになるので寒さや霜柱の影響を受けやすくなる
 ・10cmポットは乾きやすいので日中の水やりを出来ない人は13.5cmポットに種を蒔く

水やり
 ・成長速度に差が大きい。早い物と遅い物では1ヶ月以上生長に差が付く。発芽も同様にかなり差がある
 ・雨が降った後にポットの中に水が溜まっている状態はダメ。育たないわけでは無いが成長が悪くなる
 ・ポット栽培中は水を切らさないようにする。半日陰が良い
 ・茎の途中から根が出るので水分を含む物との接触に注意。土で無くても水分を含んだ物が近くにあると根が出る

定植
 ・10cmポットなら約4ヶ月で十分に根が張るので定植する。夏場に移植しても問題ない
 ・10cmポットは乾燥しやすいので一回り大きい13.5cmポットがお勧め
 ・定植場所も水はけの悪い黒土はやめておいた方が良いと思う。黒土は冬場の霜柱発生も激しい
 ・ネットを検索すると乾燥気味に育てるとあるが十分に大きくなるまでは水分が多い方が成長は良い
 ・ポットで育てた苗を定植するときは20cm間隔に植える
 ・葉が薄茶色になって枯れた物は回復しない。そのまま枯れる
 ・土を選ばない。有機物が殆ど含まれていない宅地造成残土でも育つ
 ・乾燥には強い。地植えしたら水やりは必要ない
 ・冬場赤黒く変色してしまった葉は枯れて生え替わるのでは無く春には緑に戻る
 ・霜柱で株が持ち上がると根が切れたり風にさらされたりして枯れる
 ・花にはいろいろな種類の蜂が集まる。ブルーベリーやクローバーのように花の奥に蜜が有る物はミツバチしか寄ってこないがこれは蜂に限らずいろいろな虫が集まる

増殖
 ・挿し木、取り木で増やせる。枯れにくいので挿し木の方が良い
 ・挿し木は3本程度切って13.5cmポットに挿す。2~3ヶ月で根が一杯になるので定植
 ・移植にも強い。表層の土毎剥がして他の場所に敷けば良い

雑草対策など
 ・日当たり条件の悪いところでは雑草並みに強いが日当たりの良いところでは雑草と入り混じってしまう
 ・アルカリに強いため大量に石灰を撒いた他の植物の苦手な場所でも育つ
 ・花期には蜂やハエが集まってくる
 ・大量に栽培すると夏場はかなり香辛料臭くなる


2014-04-28

内容量が0.1mLと少なかったので5袋セットをネットで購入。種類はクリーピングタイム

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種がものすごく小さかった

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アルカリ性の土が良いらしいので有機石灰(カキ殻)を土に混ぜる。種は1袋もいらなかった。これで半分も使っていない

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熱くなりすぎない擁壁の下で育てる

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2014-04-29

主な対戦相手 春バージョン。夏場は猫じゃらし、メヒシバ等の強敵がいる。春の雑草は比較的短命

クローバー。たぶん一番強力。真夏の一番暑い時期以外はいつでも成長できるようだ。この雑草はホームセンターで種が入手できる。除草は表層の土を耕すしか無い

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ヨモギVSカラスノエンドウ。カラスノエンドウは先行逃げ切り型で真夏には枯れてしまう。除去は簡単だが害虫の餌になるので適度に放置。誘蛾灯みたいな物。ヨモギの根はバックホーで掘り返す以外に除去できないと思う。固い地面の所には生えてこない

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ヒメオドリコソウ。これも先行逃げ切り型。群生していることが多い

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ギシギシ。ゴボウのような根が深く真下に伸びる。殆どの雑草は根を掘り起こさない限り再生する。これは深く掘らないといけないので除去が一番やっかい

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これはなんだか不明

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タンポポ。落下傘部隊は育つ場所を選ぶような気がする

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スギナ(つくし)。悪条件に最も強い種類。むしろ条件の悪いところにしか生えない。道路沿いに生えている物は忽然と姿を消すことがある。何を撒いてあるか解らないところの雑草を取って食べるのは危険なのだが... 有効な除草方法は強力な除草剤を撒くこと

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ジシバリ? 水が多いところが好き

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これは隙間大好き植物ヤブガラシ。水を吸い上げる能力大。物理攻撃に強く切っても1週間程度で再生する

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2014-05-06

不明なこれは種類が解った。ユウゲショウ。漢字では夕化粧らしいが朝から咲いている。不明な雑草は野草・雑草検索図鑑で検索できる。写真は生えている状態の物では無いので元気が無い。

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2014-05-08

芽が出た。これがタイムなのかは不明

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2014-05-11

日が当たるのは11時頃までだが土が乾く

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温度も上がりすぎ。右の葉は野いちご。いちごは三枚葉なので直ぐ解る。日当たりの良すぎる場所は苦手

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日除けネットを張る

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2014-05-12

元々観賞用だったらしい

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夕方に咲くのでは無く閉じるのでユウゲショウなのか?夕方になると花は閉じる。それだとあまりにも普通。良い名前が思い浮かばなかったのだろう

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2014-05-14

成長が遅い。こんなので雑草に勝てるか?

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2014-05-26

ゆっくり成長

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ギシギシの根はこんなに長い。先端は切れてしまった

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ユウゲショウは満開。まだ蕾がたくさんあるのでこの状態が長く続く

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ハヤズソウが石の隙間から生えてきた。成長が早いのであっという間に地面を覆うが秋には一気に枯れてしまう

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2014-06-21

一番大きい物がこれ

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2014-06-24

金網の向こうに生えている木イチゴらしき物。成長が早く3~4mの高さになっている。甘いだけで美味くない。カーボショッツのような味。酸味が無いためだと思う

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2014-06-25

ユウゲショウは雨が降るとエイリアンの卵のように開いて種を洗い流す。乾くとまた閉じる。雨だけに頼って種を拡散するのは水分の少ないところでは育ちにくいという理由だろうか。他の方法でも種をばらまきたいなら閉じる必要は無いはず

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2014-06-30

大雨で表面の土が飛んで根がむき出し

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根は意外と深いのでうまく植え替え出来ず

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バーミキュライトを追加してごまかした

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2014-07-07

成長が遅いので土はバーミキュライトのほうが良いと思う。黒土だと葉が土ぼこりをかぶってしまい成長の阻害要因になりうる

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ユウゲショウは花が咲き始めてから2ヶ月経っているが相変わらず満開。葉が茶色くなってきれいでは無い

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2014-07-20

雑草と戦うためには常緑であることを生かさないといけない。寒い時期からの陣地取りが必要。この成長速度では雑草と同時に陣取り合戦を始めたら絶対負ける。

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2014-08-01

ユウゲショウの種を採取。沈む種と浮く種がある

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栽培方法は不明。一定期間低温にさらさないと発芽しない植物もあるので袋に入れて屋外放置する

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2014-08-17

だいぶ育ってきた

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2014-09-04

これが一番大きい

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これくらい成長したら植え替えないとダメなようだ。途中から根が出て隣のポットと繋がってしまう

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途中から生えた根

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根の生長状態。これは黒土だがバーミキュライトの物も崩れない程度に根が張っていた

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赤くなっている物。これは根が生長していなかった。鉢底の穴が埋まって水はけが悪くなっている物は成長が悪かった

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全部植え付け。レッドロビンもアルカリ好きのようなので並べて配置。茎の途中から根が出るタイプの植物は根が浅く乾燥にも強いので土は残土をふるいに掛けた土を使用

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2014-10-11

だいぶ育った

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雑草と戦える戦力はまだ無い。アザミとヒメオドリコソウが生えてくるので時々抜いている

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2014-10-28

ここまで育てば他の雑草と戦えると思う。背が低いので雑草が徒長して逃げる可能性有り。背の低いクローバーも普段は低く地面を這うが競争相手や遮蔽物があると日光を求めて徒長する

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2014-12-19

緑の帯が濃くなってきた

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かなり黒い

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2015-03-06

冬場は左のように赤黒く変色しているが春になると右のように緑に戻る

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2015-04-15

全株緑に回復した。小さい株ほど回復力は弱い感じがする。大きく成長できなかった悪条件の株の回復力が弱いのは当然なので、株の大きさと回復力に相関関係は無いかもしれない。雑草とは共存している。雑草を駆逐するほどでは無いが冬場も枯れないので抑制効果はある。生えている雑草はオオイヌノフグリ(青い花)、カラスノエンドウ、オニアザミ等。
オオイヌノフグリはタイムより冬場に強く抑制効果は無いと思われる。余り大きくならず花も綺麗で開花期間も比較的長い。放置しても余り問題にならない雑草
カラスノエンドウは背が高くなるので一度生えてしまうとタイムに抑制効果は期待できない。蔓性のマメ科植物なので抜くのは容易
オニアザミは2年草。1年目は地面に貼り付くように成長するのでタイムによる遮光が期待できる。但しこれを乗り切ってしまうと翌年には1m以上の背丈になる

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2015-05-08

立ち上がり始めた

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日当たりが良い場所だと雑草と共存してしまう。刈り払い機は使えなくなるので場所によっては余計に手間がかかるようになると思う。家の陰になる場所は石庭にしてしまったので。半日陰状態での防草効果を確認出来る場所が無い。雑草が生えてこないようにするのが目的なら石庭の方が確実

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2015-05-21

挿し木ならクローンになるが種から栽培しているので少しずつ違った物になる。左は背が高い、中央は低い。右は葉が大きい

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葉の色が濃く小さい物も有る

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2015-05-24

去年の7/21に種まきした物は花が咲き始めた。去年の4/28に種まきした物はまだ花芽が無い。この場所は日当たりが良いのでその影響と思われる

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2015-06-12

擁壁の下のタイムも花が咲き始めた。タネの袋では派手に咲いているが実際はかなり控えめな花。これは咲き始め

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2015-06-14

これで満開だと思う。犬の臭いと混ざっているのかかなり臭い。根が浅いので雨上がりに雑草を引き抜くとタイムも抜けてしまう

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2015-06-26

花も個体差が大きい。これは種の袋の写真に近い

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これは赤系統の花。花の色をそろえたいときは取り木か挿し木で増やすしか無い

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2015-07-02

株が大きくなったので挿し木の実験。実験結果

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取り木。土に接地した部分から根が出る性質があるのでポットを切開して挟み込む。根があるので挿し木より枯れにくい。挿し木の方が一気に増やせる

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2015-07-08

花期は1ヶ月以上あるようだ。最初に咲き始めた株の花がまだ終わっていない。蜂やハナアブなど50匹程度群がっている

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2016-05-11

電柱の回り。悪条件の方が他の雑草が生えにくいので占領しやすい。土の無い場所でも砂が少し堆積しているだけで広がっていける。写真奥の方が低い。手前側から流れた砂がタイムの下に堆積しているので水分が切れない

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