ステッピングモータードライバーキットの作り方

バイポーラステッピングモータードライバーキットの作り方

・ドライバーIC:東芝TB62209FG
・2相バイポーラステッピングモーター用です
 ステッピングモーターにはバイポーラとユニポーラがあります。ユニポーラは使えません
 バイポーラ:モータから4本電線がでているタイプ
 ユニポーラ:モーターから6本または5本電線がでているタイプ
・この回路単独ではモーターは回りません
・PIC等のMPUから
  CLK:回転速度(MPUから1パルス送ると1ステップ回ります)
  CW/CCW:回転方向
 を制御する必要があります。
 この2つの信号線と5V電源、モーター電源を繋ぐだけで制御できます
 これ以外の信号線
  ENABLE:動作/停止
  RESET:ローターを初期位置にする
  DM:駆動モード
  STANDBY:省電力モード
  TQ:4段階のトルク制御
  CW/CCW:回転方向
 はHighまたはLowに固定もしくはMPUから制御します
・電源は2つ必要
  ロジック回路用の5V
  モーター用電源 13V~24V
・トルク、駆動モードはディップスイッチでも設定できます
・ドライバーICが過熱するとLEDが点灯します
・2相、1-2相駆動方式にも対応しています


2012-06-09

完成時の姿
解説:
・両サイドのピンヘッダは蛇の目基板ピッチになっています。モータードライバーICの足がそのままそのまま接続されているだけです
・R6,R8は電流制限用の抵抗です0.5Ωの時モーター電流1.2Aに制限されます。電流は抵抗値に反比例します1Ωなら0.6Aになります。この写真では1Ωの抵抗を2段がさねにして0.5Ωの抵抗値を得ています。定格以上に電流を流すとモーターが過熱するので注意。
・モーターに流す電流はR5,R7を変更することによっても可能です。詳しくはデータシートを参照して下さい。抵抗値はVrefが2~4Vになるように設定します。キット標準状態ではVrefは3Vです。
 電流の計算式はデータシートの31ページを参照して下さい。
・MOは通常ONです。LEDは電気角が0度の時に消灯します。MPUからCLKパルスが送られてくると点滅します
・PROTECTは過熱時に点灯します
・ディップスイッチは 4ビットマイクロステップ、トルク100%、MDTメーカー推奨値の時は MDT2だけをONにします
・モーター停止時の保持トルクが小さくても良いのであればトルクを落として消費電力と発熱を抑えることが出来ます
 トルクをMPUで制御する場合は
   -ディップスイッチのTQ1,TQ2をONにしないこと
   -R11,R12は不要なので取り付けない

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ドライバーICは裏面です。2つの大きな穴は放熱器を取り付けるための物です。基板からも放熱できるように設計してありますが1Aの電流を5分以上流すのであれば放熱器が必要です。

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ICの足間隔は狭いので半田をたっぷり盛りつけた後に半田吸い取り器で余計な半田を吸い取ります。ICの半田付け以外にはこれと言った注意点はありません。所定の場所に所定の部品を半田付けして下さい。

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セロハンテープで仮固定し対角の足2本だけを半田付けしてから残りの足に半田を盛ります

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余計な半田を吸い取った後にフラックスを塗り再度半田コテを当てると細い半田ブリッジが無くなります

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フラックスを使ったときは必ず洗浄します。アルコールにどぶ付けするか水洗いします

部品表

partslist.png

基板レイアウトと部品の値。●がついている物が要接続、それ以外はディップスイッチで設定可能。

brdtvalue.PNG

簡単な解説。基板のピンヘッダ端子はドライバーの足がそのまま延長されて繋がっているだけなので詳しくはデータシートを参照。
TB62209FGデータシート(日本語) 英語版も有り
TB62209FG参考記事TB6560の記事も混ざっているので注意!! この記事は長いが結論は「パスコンは最短距離で入れよう」だけ。
入力ピンは無接続にしないで下さい。(内部プルダウンに頼らないで下さい。ノイズが入って誤動作することがあります)

tanshi.png
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
schtb62209.PNG PNG 回路図。モーター電源とロジック電源のGNDは基板上で繋がっています。
TB62209_eagle.zip EAGLE EAGLE回路図と基板レイアウト Ver4.16
TB62209_fusionPCB.zip OTHER ご参考 基板のガーバーデータ

Arduinoを使用して制御しているところ。白い線がCLK、これ以外はHigh、lowに固定しています。

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