電動ママチャリ YAMAHA PAS CITY L8

坂道が多いので電動ままちゃり購入。ヤマハのPAS CITY L8。近所のスーパーまで片道約4kmある。普通は車を使うところだが自転車だと近道ができる。さらに4箇所ある信号にもまったく引っかからずに走行可能。 行き下り、帰り上りなので牛乳2本買ったらアシスト無しではつらい。近道は未舗装路で途中13%程度の急勾配がある。各メーカー共に車種が増えているが
 ・買い物用なので籠が付いていること
 ・雨上がりでも走るので泥除けが付いていること
 ・恥ずかしいデザインでないこと(MTB型はちょっとかっこわるい)
 ・下りはスピードを出すので変速機が付いていること
 ・重いので両足スタンドが付いていること
 ・ライトがついてること
 ・スーパーまで3往復できること
 ・急勾配が多く下りの走行時間は短いので回生充電不要
という理由で絞り込んで行くとこれを満たす車種はそれほど多くない。
ヤマハのPASとブリジストンのアシスタ(OEM)のカタログにはアシストレベルというアシスト力の強さを表す★マークが付いているのだがこれは無視。電池容量が同じでアシスト力(★の数)が異なる自転車の走行可能距離を比較すると両者に殆ど差が無い。★の数ではなく「アシスト力が強いならより早く電池が空になる」という理屈で電池容量と走行可能距離の比を見た。そのほうが科学的だ。


2011-05-21

フレーム剛性が高く固めの乗り味。旧規格のアシスト比1:1のものに比べると1:2の新規格は別物。7~8%登り勾配でも平地の感覚。電動ママチャリはこれが3台目。2台目がこれ。電池がだいぶ弱ってきている。10年前と比べて技術的にあまり進歩はしていない感じ。体感的に別物と感じられるのは規制緩和でアシスト比が1:2になったため。使われている部品の質も向上しているが、それ以上に価格が上がっている。電池の性能については2年程度乗ってみないとわからない。改善すべき箇所はブレーキの効きの悪さのみ。握力の弱い人にはつらい。それ以外にダメなところは殆ど無く製品としては完成の域に達しているといって良い。

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スピードセンサー。ハブについている黒い円盤には磁石が沢山埋まっている。アシスト比は速度に応じて変化する。変速機が付いているのに速度センサーが車輪に付いていない電動自転車はクランクの回転数だけで速度を判断しなければならない。ギヤ位置を検出する機構は付いていないのでトップギヤにあわせてアシスト比を決めている。そのため最大のアシスト力を発揮してくれるのはトップギヤに入っているときだけになる。ローギヤーに落とすと速度が出ていないにもかかわらず クランク回転数大きい->速度出ている->アシスト比落とす->ペダル重くなる といった具合になる。スピードセンサーが付いている電動ママチャリはこの問題が無い。

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電池容量計 兼 スピードメーター。残量20%までは10%刻みの表示。それ以下になると1%ずつ減っていく。アシスト力は3段階に変更可能。強モードは勾配5%以上の登り用と思えばよい。標準モードはそれ以下の勾配。オートエコモードは平坦路で積極的にアシスト力を切るモード。カタログを見る限りではオートエコモードに入れっぱなしで良さそうに思えるのだが実走した感じでは登り強モード、下りオートエコモードに切り替えて使う感じになる。標準モードは中途半端。
ハンドルの位置は高く遠めで少し肩がこる感じ。ママチャリ型ハンドルのほうが腕に負担がかからない。前籠が邪魔でハンドルは下げられないので身長170cm以下の人にはちょっと大きめの車体。カタログ上は155cmの人でもOKとなっているがそれはサドルを目いっぱい下げると足が届く限界という意味。適正身長を表すものではない

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8段変速。シマノインター8。強い駆動力がかかっていると変速できないので変速するときは漕ぐのを止める必要がある。特に低速時は踏力の3倍のトルクがかかるのでアシストなしインター8自転車より意識してべダルから力を抜く必要がある。

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効きが悪い前ブレーキ。ブレーキシューはもうちょっと上に付くようにしてほしい。リムがステンレスで熱が逃げにくいので効きが悪いのか?

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チェーンはカッター不要タイプ。前ハブ以外は10万円を超える価格に見合った部品が使われている。後ろの荷台が無駄に頑丈。耐加重27kg。チャイルドシートが取り付けられるよう頑丈にしてあるようなのだがタイヤが大きく荷台が高いので2人乗りは不適。

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後ろのスプロケットはもうちょっと小さいほうが良い。1速にするとクランク回転数が上がりすぎる。電池切れの時の上り坂でしか使われないだろう。平坦なところでは6速以下に落とす必要は無い。もちろんそのような場所ではアシスト付き自転車に乗る価値は無い。時速13~16kmあたりの速度を維持するのが一番快適に走れる。アシスト力は時速24kmでゼロになるが坂の多い場所ではこの制約に引っかかることはまず無い。平坦な道路が殆ど無いからだ。登りは時速15kmも出れば十分だし、下りではアシスト力は不要になる。

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雨が降ると泥はねがひどいので当面室内保管。重く巨大。約30kg。家の中にマウンテンバイクを置くと大きくて邪魔くさいのだが、それより2まわり大きい。駐輪場でのとり回しに難ありだが、タイヤが大きく車体が重いので走行時の安定性が非常に良い。

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満充電まで4時間半ほどかかる。これはまだ充電中。充電完了すると消灯する。最初は定電流、満タンに近づいて行くと定電圧充電という通常のリチウムイオン電池の充電ロジックのようだ。充電開始1時間程度で6割程度充電される。カタログ上の走行距離は信用できる値になったようだ。山道を空っぽになるまで走ってみたが走行距離はカタログ値どおり30kmだった。
バッテリの容量が8AH、電圧26Vなので8×26×3600=748800ジュール。1カロリー=4.2ジュールだから 748800÷4.2=178286カロリー。バッテリーの容量は約178キロカロリー。食パン一斤は1200キロカロリーだからバッテリーの全エネルギーは6枚切のパン1枚に満たない計算になる。アシスト比1:2で走り続けてバッテリーを空にするまで6枚切の食パン半分のエネルギーしか消費しない。30kgもある自転車のアシストを切り山道を30km走って(厳密には15km登ればよい、半分は下りだ)ヘロヘロになっても食パン1.5枚分。

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走ったのはこんな感じのところ。大腸菌みたいなものはゴルフ場。当方の家はこの写真の中央付近。どこへ行くのにも坂を避けて走ることは不可能。

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2011-07-30

7~8回充電したので200km程度走ったと思う。
現時点でのまとめ:
 ・残量が20%以下になると1%刻みの残量表示になるのは効果が大きい。
  5段階残量表示の旧型PASでは途中で電池残量切れになることがあったが
  この機種は残量が少なくなってきた時点でオートエコモードに切り替えたりすれば電池切れを回避できる。
  但し、残量表示は「XX%以下」という意味であるのが欠点。
  例えば残量が30%と表示されているときは電池の残量が21~30%を意味する。
  表示はXX%以上残っているという方が良い。ソフトをいじるだけなので改善は簡単なはず。
 ・充電に非常に時間がかかる。今のところ4.5時間で充電を完了したことは一度も無い。
  6時間程度かかっているように思う(正確には未計測)
  これはカタログ上の充電時間を修正すべき。
 ・ローギヤ側に落とそうとすると引っかかって変速できないことがよくある。
  トルクがかかっているときにローギヤーに落とさないように走行する必要がある。
  坂道の手前であらかじめ変速しておく運転はかなり面倒。
  安価版のインター8だからだろうか? (高いインター8は赤いラインが入っている)
  この自転車で一番改善してほしい問題がこれ。
 ・操作ボタンのストロークが小さすぎる。
  荒れた道を走行しているときにボタンを押すと2度押しになってしまう。
  走行モードの切り替えの▲▼ボタン、1つのボタンで切り替える残量、スピード表示に問題あり。
  電源、ライトは走行時にほとんど操作しないので押しにくい場所でも良い。改善は簡単なはずだ。
  ボタンを増やしても良いし、一度押すと0.5秒間はボタンを押しても反応しないという変更でも良い。
 ・砂利道での走破性は非常に良い。但し車体が重いので大きな凹凸は苦手。
 ・前かごが大きいので荷台の必要性は今のところかなり低い。
 ・ロードバイクに乗っている自分自身と競争すると勾配12~13%以上で勝敗が逆転する。
  1:1の旧アシスト比率の電動ママチャリだとロードバイクには絶対勝てなかったのだが1:2だと状況が変わる。

完成度が高い製品ではあるが改善点すべき点はある。

2011-08-05

本日走行中に電気系トラブル発生。
 ・LED表示全消灯、ボタン押しても一切反応せず。
 ・電源ボタンも動作せず。全ボタンが機能していない。
 ・アシストは効いたまま。
 ・電池残量約60%、強モード走行中。
電池を一端取り外し、取付直しで回復。
ハンドルに付いているコントローラーのバグか?

2012-05-20

1年乗った
 ・走行距離 約1700km
 ・バッテリ充電回数 約50回 バッテリの持ちに変化無し
 ・ペダルキャップ脱落 行方不明
 ・電気系のトラブルは再発せず
 ・フロントブレーキの効きの悪さは変わらず
 ・ブレーキシュー、タイヤの摩耗は殆ど無し

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2012-06-30

膝が痛かったので一番強力にアシストが効く時速11~13kmを維持してホームセンターまで買い物に行ってきた。行き先はコメリとカインズホーム。
 ・走行距離 32.3km
 ・満タンのバッテリは丁度空になった
 ・全区間強モード走行
 ・アップダウンはかなり激しい。延べ高低差 490m。自宅を出発して戻ってくるので490m上って、490m下ることになる。
約1年経過して、カタログ値より走行距離がやや長いのでカタログの走行距離はかなり信用して良い値。バッテリ残量計は残り数パーセントの時はあてにしないほうがよいみたいだ。2%から一気に0%になった。バッテリが切れると上り坂は押して歩いた方がむしろ楽。

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2012-11-21

荷台に20kgの石材を積むとフレームがかなりよれる感じ。坂はいつもとあまり変わらず登れる。ペダルが重くなるのでは無く空荷の時より速度が落ちる感じになる。同じ速度で走ろうとすればペダルが重くなるのだがフレームのよれ感と後ろ重心のため同じ速度で走る気が起こらなくなる。

2012-12-31

ブレーキシューが減ってワイヤーの調整範囲を超えてきたので調整ついでに付け根で折れていたアウターを切り詰めた。ワイヤーも切れていたので交換。

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購入時に既にこうなっていたもの

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重いので減りが早い

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負担が大きいのか

2013-06-13

案内が来た
要点:
・バッテリーのファームウェア書き換え。販売店にバッテリを持ち込んで書き換える
・旧ファームウェアは延べ充電容量が約900回分に達したらバッテリー劣化と判断しバッテリーを使えなくしていた。容量だけでなく9年経過でも使えなくしていた。
 書き換えでこの制限が解除される
・修正点はもう一点ある。自転車本体側とバッテリー間の通信機能のバグで電源遮断するというバグの修正。
バッテリー残量減で使えなくなることは公表されていなかったと思うのでこの書き換えは想定していたことなのだと思う。経年劣化に関することなのでしばらく使ってみるまで解らなかったと言うことだろう。以降発生していないが2011-08-05の電源遮断はこれで直るのかも。

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バッテリの容量は新品で約8.1Ah。延べ充電容量が6100Ahになったら使えなくしていたらしい。バッテリが劣化しないとするなら6100Ahは充電約753回分に相当する。

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2013-06-14

充電回数に比例してバッテリ容量が減少していくと仮定すると、メーカーが想定している劣化グラフはこんな感じになる。横軸が充電回数、縦軸が容量[Ah]。8.1Ahのバッテリが900回の充電で延べ充電容量が6100Ahになるので900回充電後の容量は台形の面積の式に当てはめて計算すると 6100[Ah]/900[回]/2-8.1[Ah]=5.45[Ah]

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2014-01-05

あと4ヶ月で3年になる。往復7.6km(延べ標高差80m 40m下って40m登る)の買い物コースが強モードで3往復できなくなった。充電回数はたぶん120~130回。夏場はギリギリ3往復できるかもしれない。電池残量40%表示になったら帰ってこられない可能性有りだ。上り下りが少なければ標準/オートエコモードを組み合わせて走行できる最大距離は約40km。現在の最新型はバッテリ容量が12.8Ahに変更されている。

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2022-12-30

購入して11年経過した。冬場は郵便物を出しにポストまで往復すると残量が90%から2%にまで低下する。要交換。使い方にも依存するがバッテリー寿命は7~8年と見ておくのが妥当。X74-20は製造中止。現在はX83-24で約¥20000。互換性はあるらしい。内部は3x6か3x7セルの18650バッテリーと思われる。中国製が1本¥300として3x7=21本¥6300になるので充電器との相性に問題が無ければ中身の電池だけ交換するほうが安上り。出力250W程度のモーターなのでバッテリーの負荷は1セルあたり3.3Aとそれほど大きくないので安い中国製いけるはず

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