電気柵パルス発生回路タイマーIC版

・電気柵用のパルス信号を発生させる回路です

・自動車のイグニッションコイルを流用した電気柵を自作しようとするとき殆どの人がパルス発生回路でつまづきます
 パルス発生回路以外は市販の回路を相互接続するだけなので誰でもできます
 この回路はパルス発生回路をキット化することにより電気柵の自作を容易にするものです
 回路やソフトはライセンスフリーです自由に複製、改変してかまいません
・これ単体では電気柵にはなりません。他に必要なものは
  1.自動車やバイク用のイグニッションコイル
  2.CDI もしイグニッションコイルがダイレクトイグニッションコイルでなければ
    最近の自動車のイグニッションコイルは100%ダイレクトイグニッションコイルなのでCDIは不要です
  3.電源 バッテリーもしくはスイッチングレギュレータ(100Vの商用電源が使える場所なら)
  4.タイマー 常時通電している場合は不要
  5.柵線やその支柱、アース棒
・電源電圧 12~15V 基板には12Vと印刷してありますが15Vまで使えます 
・出力電圧 約5V
・設定可能な項目
  1.コイルへの通電時間 通電時間が長いほど電気柵の出力電圧は高くなります
    但しこれはダイレクトイグニッションコイルの場合です、CDIの場合は影響がありません
  2.高電圧発生間隔
  3.連射回数
    自動車のイグニッションコイルは出力が弱いのですが高速動作可能です
    弱い出力を短時間に多数出力することによって威力を上げます
    例えば0.01秒置きに10連発といった出力が可能です
 出力を大きくすれば消費電力も大きくなることに注意してください
 商用電源を使用する場合は気にする必要がありませんがバッテリーを使う場合は節電も重要です
・このキットはダイレクトイグニッションコイルにも対応していますがコイルの通電時間(充電時間)を正確に設定できないのでCDI向きです

注意:
・これは組み立てキットです 半田付けが必要です
 フラックスは使わないでください フラックスは半田の中心部に既に入っています
・防水のためケースに入れてください
・イグニッションコイルを使用した自作電気柵は市販の電気柵に比べて出力が強くありません
 自家消費用や家庭菜園向きです
 家畜の逃亡防止用としては威力が低すぎます


2023-12-16

動画
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
ef_timerIC_burst.wmv MOVIE 動作している所 wmvファイル
連射回数7にしてあります。スパーク音が単発でないことが分かります
柵線が繋がっていないとき予期せぬところでスパークしないようにケース内部のスパークギャップ電極でスパークするようにしてあります
電線に適当な隙間を設けただけの物です
柵線を接続すると柵線が負荷になるのでこのギャップでスパークしにくくなります
コイルに蓄えられたエネルギーを消費する場所が無いとイグニッションコイル自体の巻き線抵抗などで電力を消費することになるためコイルの寿命が短くなります
動物の抵抗値は電極のギャップ間よりずっと小さいので柵線に触れればそこに電気が流れこのスパークギャップではスパークしません
使用している電源は15V3Aです

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 設定方法
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注意:
・回路の電源が入ると直ぐに動き出すので初回設定時はイグニッションコイルへの信号線のコネクターを外しておいてください
・LED1が消灯した瞬間に電撃発生します 充電中に点灯します

VR1:
  コイルの充電時間が変化します
  設定可能な値の範囲 0.6 ~ 3.5[ミリ秒]
  左に回すと充電時間が短く、右回しで充電時間長くなる
  充電時間が長いほど威力が上がる
  CDIには充電時間の概念は無いので特に何もしなくてよい
  実際に何ミリ秒になっているのかは計測器が無いと分かりません

  電気柵テスターを使用して以下の手順で調節してください
   1)VR1を一番左に回しておく。威力は最小になる
   2)装置を柵線につなぎ動かす
   3)電気柵テスターで柵線の電圧を計測しVR1を右に回しながら柵線電圧を上げる
     回しても電圧が上がらなくなった位置より右には回さないようにする
     この位置が最大出力でこの装置の限界

  トヨタプリウスのイグニッションコイル 部品番号 90919-02240 の場合 1.0ミリ秒が適値です

VR3:
  電撃の発生間隔を設定する
  設定可能な値の範囲 0.7 ~ 1.65[秒]

JP1:
  電撃連射回数を設定する
  自作電気柵は威力が低いので短時間に複数回高電圧を発生させて威力を上げます
  ジャンパーピンを挿す位置によって連射回数が変わります 一番左に挿すと1回 一番右に挿すと9回
  連射速度は10ミリ秒(=1/100秒)と速いので目視不能ですがスパーク音で連射していることが分かります
  設定可能な値の範囲 1 ~ 9[回]

¥100ショップのタッパーに入れた作例
大きいケースの方がこの作例のように部品を立体配置しなくて済むのでずっと作りやすくなる
・タイマーの下にあるのはスイッチング電源 入力AC100V 出力15V 3A
・タイマーは100V用
・イグニッションコイルはトヨタプリウス用 90919-02240
自動車のイグニッションコイルが発生する高電圧はマイナスの高電圧。電気柵として使用するときはプラスの高電圧でもマイナスの高電圧でもどちらでも問題無い
プラグを取り付ける箇所はかなり弱いバネになっている。赤いターミナルに長ナットをねじ込みイグニッションコイルをこれに押し付けて接触させている。半田付け等はしていない

R0052098.jpg

基板表面
・キットは所定の部品を所定の場所に半田付けするだけです 動かない場合の原因は99%以上の確率で部品の取り付け向きの間違い、半田付け忘れ、間違った部品の取り付けです
・印刷してあるのは部品番号です。半田付けすべき部品は部品表を参照します
・部品のいくつかは実装されていません。拡張性のためで部品を実装する場所だけを確保しています
・可変抵抗は長期的(たぶん10年後以降)には抵抗値が接触不良で変化してしまいます
  VR1の実際の抵抗値は実装されていない抵抗 R1 の個所をテスターで計測するとわかります
  最適な値が決まったらこの抵抗値を計測しておいてください
  修理するときはVR1を取り外し計測した値に等しい抵抗をR1に半田付けします
  VR3も同様です、VR3の抵抗値はR3の個所を計測します

R0052011.jpg

部品表 
・形状が同一の異なる部品に注意してください
・向きがある部品に注意してください
・両面基板は半田付けを間違えると簡単には取れません

partslist_burstpulser.png

基板裏面には何もありません。半田付け個所が多いので半田付け忘れに注意してください

R0052012.jpg

CDIを使用するときの配線例
・バッテリーを使う時はスイッチングレギュレータ電源をバッテリーに置き換えます
・パルス発生回路の消費電力は小さいので細い電線が使用できます。それ以外はAC100Vコード程度の太さの物を使用してください
・ダイレクトイグニッションコイルを使う場合の配線例は電気柵パルス発生回路デジタル版を参照してください

CDIhaisen.png

ご参考の回路図

sch_burstpulser.png
電子回路に詳しい人のための情報
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
timer_cd4541_multi_panel.zip Gerber FusionPCB用です
他の基板メーカーではV-CUTが製造エラーになります
FusionPCBはV-CUT無料です
1枚の基板にV-CUT4面付けしてあるので10枚製造すると40枚出来ます
この回路はライセンスフリーです自由に使ってください
timer_cd4541_multi_EAGLE.zip EAGLE プリント基板CAD EAGLE Ver4.15以上用