半田鏝温度コントローラーキットの作り方

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 使い方
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★★★★ 注意!! ★★★★

・出力電圧は最大141Vの直流なので半田鏝以外のAC100V機器には使わないこと 
・60W以上の半田鏝を接続しないこと
・温度調節機能付きの半田鏝を使うと鏝が壊れるので使用しないこと 
・定格以上の電圧で使用するためその場を離れるときは電源を切ること
・複数の半田鏝を使うときは鏝番号を間違えないようにすること。異なる設定値で動作させると鏝が過熱して危険

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 主な機能
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・半田鏝の抵抗値による自動制御モードと一定の比率で通電するDUTY(デューティー)モードがある
・抵抗値の計測精度が0.1Ω程度あるため半田鏝はニクロム線ヒーター、セラミックヒーター両方に対応できる
・半田鏝は最大9本設定できる。一つの半田鏝をいろいろな温度設定(例えば半田付けと熱収縮チューブの加熱)で使い分けてもよい
・一定時間スイッチなどを操作しないと鏝の電源が切れる自動OFF機能

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 制約事項
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・使用可能な半田鏝のワット数は15W~60W
  下限は鏝の抵抗値が大きくなりすぎて4桁に表示しきれないことによる制約。DUTYモードで使用するのであればこの制約は無い
  上限は3ワットの抵抗(R8)が熱くなりすぎることによる制約
・半田鏝によって抵抗値と温度の関係は変わるため7セグメントLEDに表示されるのは温度ではなく半田鏝の抵抗値
・鏝の抵抗値は鏝に電源を入れないと計測できないため設定温度以上になっていても完全に鏝の電源を切ることはできず
 鏝の抵抗を調べるために1秒間隔で短時間通電している
・抵抗値の計測中などエンコーダーを回しても反応しないことがある
 3クリック分回しても2クリック分しか反応しないといったことが起こる

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 表示/操作の共通事項
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・赤色LEDは半田鏝に通電しているときに消灯(通電時に点灯ではない)
 現行バージョンでは 通電時に点灯 するように回路を変更しました
・エンコーダーを回すと数値が増減、右回しで増加、左回しで減少
・エンコーダーの軸を長押しすると保存
・エンコーダーの軸を短押しすると100%加熱のキャンセル
 但し初期設定動作においてはキャンセルではなく選択/保存/次項目へ移行の意味となる
・トグルスイッチはDUTYモードと自動制御モードで動作が異なる
  自動制御モード:
   H位置で最大温度で自動制御
   L位置で通常温度で自動制御
  DUTYモード
   操作すると一定時間100%出力で加熱。スイッチの位置には無関係
・自動制御モードにおいて目標値が変更されると目標値が点滅する
 エンコーダーを回して目標値を変更した場合は点滅しない
・自動制御モードにおいて最下位桁のドットが
  点灯しているときは設定値(=制御目標値)
  消灯しているときは現在値(=現在の半田鏝の抵抗値)
 を意味する
・黄色LEDが点滅中は設定中

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エラー
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[E--1]
  自動制御モードで半田鏝を接続していない
  DUTYモードはフィードバック制御が行われないので何も接続されていなくても動作する

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先ず使ってみる
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1.電源を入れる
  半田鏝を接続し電源を入れると以下のものが順番に表示される
   鏝番号 初期値:1番
   周波数 初期値:50Hz(電源周波数を計測した値ではなくコントローラーに設定してある値)
   モード 初期値:自動制御モード
  半田鏝の抵抗値が表示され温度の上昇とともに抵抗値も上昇していく。黄色LEDは点滅している
2.最高温度の設定
  半田が溶ける温度になったらエンコーダーの軸を押す
  軸を押したときの抵抗値が「最大温度」として記憶されこの抵抗値で自動制御が行われる
  この時黄色LEDは点灯しているが先ほどより点灯時間が短くなる
  ヒーターの温度が上場するよりも鏝先の温度が上昇するほうが遅れるためこのままだと鏝先は焼けすぎてしまう
3.通常温度の設定
  エンコーダーを回して抵抗値を下げると鏝の温度も下がる
  数分使ってみて丁度良い温度になったらエンコーダーの軸を再度押す
  この抵抗値が「通常温度」として記憶される
4.最高温度/通常温度の切り替え
  トグルスイッチON で「最高温度」で自動制御 黄色LEDが点灯
  トグルスイッチOFFで「通常温度」で自動制御 黄色LEDが消灯
5.電源を入れなおすと最高温度に達した後にトグルスイッチの位置に応じた温度で自動制御される

さらに詳しい使い方については以下を参照

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初期設定など
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・最大9本設定できる鏝毎のモード(自動制御モード/DUTYモード)の選択
・計測精度を向上させるための商用周波数設定(50Hz/60Hz)
 これは設定が違っていても動作する
 DUTYモードだけを使用する場合は使用されないため設定しなくてもよい
・設定値の保存/復元
・自動電源OFF機能の時間設定

◆鏝番号毎のモード設定方法
 ※初期値は自動制御モードになっているため自動制御モードで使う場合はこの操作をする必要はない
 1.エンコーダーの軸を押しながら電源を入れる
   鏝番号が表示される
 2.目的の鏝番号が表示されているときにエンコーダーの軸を長押しする
   モードが表示される
   自動制御モード(表示はAUtO) DUTYモード(表示はduty)の変更はエンコーダーを回す
   エンコーダーの軸を押すと保存
   設定した値は初期値にリセットされる
 3.自動制御モードの場合はエンコーダーを回したときの増減値の設定を行う
   0.1~1.0Ωまでは0.1Ω単位、それ以上では0.5Ω単位で増減
   0.1~10.0Ωに設定できる
   ニクロム線半田鏝なら0.1Ωが良い
   セラミック半田鏝なら2.5Ωが良い
   自動制御モードでを選択した時点で記憶されていた抵抗値はリセットされてしまい増減値だけを単独で変更できないことに注意

◆周波数の設定方法
 1.エンコーダーの軸を押しながら電源を入れる
   鏝番号が表示される
 2.エンコーダーを右に回すと鏝番号-9-の次が50Hz(表示は F 50)その次が60Hz(表示は F 600)になる
   エンコーダーの軸を押すとSAVEと表示され周波数が保存される
   設定された周波数は電源を入れなおしたときに確認できる

◆設定値の保存/復元
 1.エンコーダーの軸を押しながら電源を入れる
   鏝番号が表示される
 2.エンコーダーを右に回し続けるとバックアップ(表示 bUP)と復元(表示は rES)の項目がある
   エンコーダーの軸を押すとそれぞれの機能が実行される
   バックアップ復元中のアドレスが表示され完了するとSAVEと表示される。復元の場合も表示はSAVEとなる
 3.電源を入れなおす

◆自動OFF機能の時間設定
 1.エンコーダーの軸を押しながら電源を入れる
   鏝番号が表示される
 2.エンコーダーを右に回し続けると自動OFF機能(表示は AOFF)の項目がある
   エンコーダーの軸を押すと時間が表示される
   単位は分
   エンコーダーを回すと値が増減
   1~180分の設定が可能
   この機能は無効にできない
   エンコーダーの軸を押して設定値を保存

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 鏝番号毎の切替
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1.エンコーダーの軸を押しながら電源を入れる
  鏝番号が表示される
2.エンコーダーを回して鏝番号を変更する
  目的の鏝番号が表示されているときにエンコーダーの軸を短押しする
  長押しすると設定モードになってしまうので注意

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自動制御モード
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・電源投入直後設定した温度(=鏝の抵抗値)に達するまでは出力100%で初期加熱が行われる
 その後トグルスイッチの位置に応じた2種類の温度で自動温度制御が行われる
・最初に電源を入れたときは温度設定機能が実行される

・温度(=抵抗値)の設定
 先ず使ってみる に書いてあることと同じ
 補足:
  ・最高温度の設定は最大120秒で終了する。これは鏝をDC141Vという定格以上で使用しているため通電時間が長すぎると焼けすぎてしまうため
  ・設定時は黄色LEDが点滅する
    最高温度設定時:点灯時間が長い
    通常  〃  :点灯時間が短い

・通常モードの動作
 動作1.
  ・電源を入れると最高温度に達するまで初期加熱が行われる
  ・表示は現在の鏝の抵抗値を表示
  ・エンコーダーを回して温度変更
  ・エンコーダーの軸を
    長押しすると保存。保存しないと電源を入れなおしたときに元の値に戻る
    短押しすると初期加熱をキャンセルして動作2へ移行
  ・設定した最高温度に達していなくても120秒が経過すると初期加熱は終了する
  ・最高温度に達すると動作2へ移行
 動作2.
  ・トグルスイッチの位置に応じた「最高温度」「通常温度」で自動制御が行われる
  ・エンコーダーを回して温度変更
  ・抵抗値はエンコーダーを回すと0.1Ω単位で増減
  ・エンコーダーの軸を1秒以上長押しするとSAVEと表示され現在値が記録され次回の電源投入時この値が初期値となる
  ・トグルスイッチ
    HIGH位置:最高温度で制御 黄色LED点灯
    LOW 位置:通常温度で制御 黄色LED消灯

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DUTYモード
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・電源投入直後一定時間(初期加熱時間)は出力100%で初期加熱が行われる、その後間欠動作で加熱が行われる
・最初に電源を入れたときは初期加熱時間の設定が実行される

・初期加熱時間の設定
 STEP1.完成直後DUTYモードで電源を入れるとコテの電源が入り通電時間がカウントアップされる
 STEP2.半田が溶ける温度に達したらエンコーダーの軸を押す
     一瞬SAVEと表示され初期加熱時間が記録され通常モードの動作2に移行する

・通常モードの動作
 動作1.
  ・電源を入れると上記で設定した初期加熱時間だけ出力100%で加熱が行われる
  ・表示は加熱時間をカウントダウンし動作2へ移行
 動作2.
  ・一定の比率(DUTY)で通電が行われる
  ・初期値は1秒につき0.35秒(=35%)
  ・通電時間はエンコーダーを回すと1%単位で増減
  ・最大値は70%でこれ以上にはならない。電源電圧がAC100VではなくDC141Vなので70%で半田鏝の定格になる
  ・エンコーダーの軸を1秒以上長押しするとSAVEと表示され現在値が記録され次回の電源投入時この値が初期値となる
  ・トグルスイッチを操作すると一定時間(初期値は20秒)出力100%になる
   表示はカウントダウン
   エンコーダーを回すと秒数増減
   エンコーダーの軸を短押しするとキャンセル
   長押しで値保存

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自動OFF機能
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設定した時間一切のスイッチ操作、エンコーダーの回転が行われないと鏝の電源が切れる
表示は OFF <-> ---- を永久に繰り返す
回復させるためには再度電源を入れ直す必要がある


2017-06-01

キットを組み立てたところ

R0034875.jpg

基板表面

PICT4039.jpg

基板裏面。左下の茶色い積層セラミックコンデンサは取り付け用のパターンがありません。この写真の通りロータリーエンコーダーのスイッチ端子の裏面に半田付けします

PICT4036.jpg

AC100V付近の配線。右下のコードが電源、その左上の電線が半田鏝用です

PICT4046.jpg

別売のケースに入れるときはコードは裏面から出したほうが使いやすくなります。割れやすいケースなので穴あけ時に注意してください

R0034878.jpg

スイッチの配線。電線はキットに付属していません。スイッチONで低温(=低抵抗=L位置)、OFFで高温(=高抵抗=H位置)

PICT4049.jpg

部品レイアウト
・赤丸がプラスで部品の足が長い
・1N4007は 0Ωの抵抗(設計を変更したため)
・R14は470kではなく部品を取り付けない

handabrd.png

部品表

buhinhyo.png

左側の黒い帯が共通ピン。上の完成写真では黒い部品を使っているがこれが付属しているロットもある

PICT4052.jpg

ご参考の回路図

handasch.png
プログラムなど参考資料
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
handa_1788_rev2_eagle.zip EAGLE プリント基板CAD EAGLE V4.15以上用 回路図+基板レイアウト
soldering_controller_new.zip mikroBasic PRO プログラムなど一式 2021-10-08以降販売分 ロータリーエンコーダーの仕入変更に伴うもの
エンコーダーを回したときの増減回転方向が下の物と異なる
変更点はこれ以外に無い
旧ロットと現ロットではエンコーダーのA,Bピンの位置が逆
soldering_controller_mbasic.zip mikroBasic PRO プログラムなど一式