2017-05-26
このキットを利用したタイム計測器
・ストップウォッチは$2の中国製
・キットにストップウォッチ、電線、電池ボックス、電池は付属していない。送料を除いて総額¥2500程度
・センサーの遮光チューブはキットに付属。これが無いと屋外では太陽光の影響でセンサーが飽和してしまい使い物にならない
プリント基板には接着剤が効かないので両面テープで貼り付ける
長さは8cmほどあるが切り詰めると太陽光の影響を受けやすくなるのでそのままの長さで使うこと
・スタートとゴールが別の場所になる場合は光電センサーを2個接続する。遮光されるとON(=ショート)するスイッチなので並列接続可能
センサーを取り付けた状態でストップウォッチのSTART/STOPスイッチも使える
・ストップウォッチとセンサー間の距離(=電線の長さ)はストップウォッチの回路に依存する。電線が長いほどノイズが入りやすく誤動作の原因になる
誤動作する場合はリレーを増設し
[光電センサー]-[長いケーブル]-[増設したリレー]-[短いケーブル]-[ストップウォッチ]
のようにする。リレーはノイズのような小さな電力では動作しないのでこれで誤動作は防げる。リレーの動作速度だけ遅れることに注意
電気的に理想的なのはLTC485のような通信用のICを使うこと
Youtube動画 光電センサーキット
受光器。基板表面。基板四隅のネジは撮影用のためキットに付属していません
・電池を電源として使用するときはこの写真の通り組み立てます
5VのAC-DCアダプターを電源として使用するときはJ1をショートさせます。切り取った抵抗のリードなどでショートさせてください
・センサーの足は長いので斜めにならないよう注意して下さい
・ICSPピンヘッダーはプログラム開発用なのでキットに含まれていません
・3つのLEDは点灯していないときは色が区別できないのでテスターのダイオードモードで点灯させて色を確認します
テスターが無い場合は1.5V電池を2本直列にして3V電源を作りLEDの片側の足に510Ωの抵抗を仮付けして点灯させて確認して下さい。LEDは極性があるので点灯しないときは電池の極性を逆にする
1.5Vだと電圧不足で点灯しません
・端子はこの写真左から
「電源+」「電源-」「リレー接点」「リレー接点」「オープンコレクタ出力」
・オープンコレクタ出力は電気に詳しい人向け機能
これを使うときはリレーは不要なので取り付けない
リレーは反応速度がオープンコレクタ出力より遅く接点寿命もある
モーターの回転数を計測するような用途にこのセンサーを流用するとリレーの接点が短期間で壊れる
受光器基板裏面。電池を電源として使用するときはこの写真の通り組み立てます。5VのAC-DCアダプターを電源として使用するときはIC1を取り付けません
投光器基板表面。赤色LEDは赤外線LEDと同時に点灯します。実際には点滅しています。赤外線は肉眼では見えないのでデジタルカメラで確認して下さい。デジタルカメラは赤外線に感度があるので光っているのが解ります
投光器基板裏面
集合抵抗の向き。抵抗の文字はこの写真には写っていない。組み立て完了すると赤いスイッチに隠れて文字が読めない向きに半田付けする
ダイオードD1の取付向き
電源ICはセロハンテープで仮固定してから半田付けする
部品表
・赤外線LEDは完全に透明では無く少し色が付いている
・デジタル回路のキットは調整不要で部品を所定の場所に半田付けするだけで動くので動かないときは半田付け不良を疑う
・両面基板の半田付けは基板に半田を盛り上げるのでは無く穴が半田で埋まれば良い
熱が逃げやすい場所では盛り上がってしまうが止む無し。半田が流れるまで長時間加熱しすぎると基板と部品がダメージを受けるので注意
加熱時間は最長6~7秒にする
・ジャンパーは付属していない。必要なときは切り落とした抵抗のリードを使用する。電池駆動の場合はジャンパーは使わない
・リレーを使う場合はオープンコレクター用の回路 TR1、R1 を取り付けなくても良い
・X1セラミック発振子(3本足の茶色)の周辺が汚れていると動作不良を起こしやすいのでフラックスで汚れたらアルコールで拭き取る
鉛フリーはんだのフラックスはアルコールでは簡単に落ちないので普通の共晶はんだを使う
・動作不安定なときは発振子X1,センサーPS1、ICソケットの半田付け不良を疑う
・3本足以上の部品の取付向きを間違えたときは部品を壊して取り去る
基板にダメージがあると基板と既に半田付けしてしまった部品全てが無駄になる
赤丸がプラスで足が長い
赤丸がプラスで足が長い
ストップウォッチの改造例。シールド付き2芯ケーブルを使っているので赤白線は束ねている。2本線あればどんなケーブルでも良い。裏蓋が簡単に取り外せるものを購入する。このストップウォッチと同じ物はAliexpressを探すと直ぐ見つかる。ストップウォッチで検索するとストップウォッチ機能付きの腕時計ばかりが見つかるので「sports stopwatch」で検索すると良い
表示の意味
赤LED:投光器からの赤外線を受信していない。点滅しているときは赤外線の強度が不安定なことを意味する
緑LED:投光器からの赤外線を受信している。赤LEDとは点灯、消灯が逆転しているだけ
黄LED:出力がONの時点灯
赤いDIPスイッチの4番をONにすると出力のON/OFFが反転する。電源を入れなおさないと設定変更は有効にならない。この設定で使うと2倍電池消耗が速くなることに注意
OFF遅延時間は表の通り。遮光が解除されてからこの時間経過しないと出力がOFFしない
前輪と後輪で2度センサーを横切ってしまうなどの防止機能
この時間以内に再度遮光されると経過時間はこの表の値にリセットされる
部品表。同一部品を集計したもの。基板を自作する人の部品買い出し用。黒字の赤LEDは通常輝度の物、色つき文字は高輝度。直射日光が当る環境では高輝度で無いと光っていることが分かり難いので設置がやりにくくなる
投光器回路図。赤外線LEDは3列有りますがこのキットはセンサーの感度が高いので1列だけしか使いません
受光器回路図
自作派向け情報:
・投光器が38kHzのキャリア信号を1.59kHzでON/OFFさせているのはセンサーの仕様による。38kHzのキャリア信号だけではセンサーの出力が出ない
・2SK4017はLEDを3列点灯させる場合の余裕を見ているためで1列なら2SC1815で十分
FETがONしているときは50mA流れる
・38kHzの周波数は数%ずれても問題ないので外付け水晶無しの内部発振回路でも十分動く
・PIC12F1822,PIC16F628Aは共にPiCkit2でプログラム書き込み可能
・プログラムはかなり小さいので無料版のmikrobasicでコンパイル可能なはず。現在無料版があるかは不明
mikrobasicの無料版は生成したコードのサイズ(=HEXファイルサイズ)で制限をかけている
・受信機のLEDは多めに電流を流して輝度を上げているので電池寿命を延ばしたいなら抵抗値を大きくするとかなり効いてくる
特にR2には電流が流れている時間が長いので効果大
OUT-LEDは輝度を落とすと昼間直射日光の下でのセンサー設置がやりにくくなる。点灯時間は短いので大きくしても節電効果は殆ど無い。NG-LEDも同様
・緑色のターミナル以外の部品は全部秋月電子で入手できる
・センサーはSANYO SPS-440以外の物でも使えるはず。キャリア周波数は38kHz以外の物も有るので注意