2017-04-11
赤外線ダイオードと赤外線センサーを秋月電子で購入。この赤外線センサーは38kHzの点滅に反応するタイプ。単純に赤外線の強弱に反応させる仕組みでは太陽光などの影響により強弱の閾値が変化してしまうためうまくいかない
2017-04-12
38kHzで赤外線LEDを点灯させセンサーで受けてみる。感度は高く天井に反射した赤外線で十分反応するが38kHzで点灯しっぱなしにすると反応しなくなる
センサーの内部回路。BPF(バンドパスフィルター)以外にも赤外線リモコンに都合の悪い信号を除去する仕組みが入っているらしく遮光センサーとしては使えない。センサーを普通のフォトトランジスターに変更する
2017-04-13
ブレッドボードで回路を組んで屋外で実験。室内でうまくいっても屋外だとセンサーが太陽光で飽和しやすくなっているのでうまくいかない可能性がある
発光側。赤外線LEDは7個。光軸合わせが面倒なのでたくさん使っているが。光軸が合えば2~3個減らしてもいけるかもしれない。部品の価格は安いので大きさと消費電力の問題。市販品は1個しか使っていないと思う。専用のレンズで光束を数度の範囲に絞り込んでいる。使ったLEDは15度程度の良くある汎用品なのでたくさん使わないと必要な光量がセンサーに届かない
受光側。黒い熱収縮チューブを被せてあるのが赤外線センサー。中国製の型番不明品。秋月電子で売っているパラライトの黒い5mmLED型の物と殆ど同じ特性。センサー電圧の交流成分だけをコンデンサーで取り出しオペアンプで増幅しているだけの回路。増幅率は力任せに300倍。実際にそれだけあるかは不明。センサーの応答速度が余り速くないので発光側はリモコンで良くある38kHzの約半分の20kHzで点滅させている
2017-04-14
ノイズ除去用のバンドバスフィルターは無しにする。屋外に点滅している赤外線があるとそれに反応してしまうが人工物の少ない屋外ではいらないと思う。この波形はオペアンプを3個使うバイカッド型バンドパスフィルターのLTspiceシミュレーション出力波形。出力が安定するまで1msecもかかっている。オペアンプの多段接続は応答時間がかなり長くなる
レンズの実験。効果は非常に大きい。焦点距離が短い物でもかなり効果がある
レンズ有り無しの波形。水色がセンサーの出力波形100mV/div。黄色がオペアンプで拡大した波形1V/div。位相がずれているのは間にコンデンサーが入っているため。電源電圧が5Vなので出力が振り切れている。レンズの光軸をしっかり合わせればもっと差が付くと思う。これは上の写真の通りレンズに絞りを取り付けた状態の物。絞りは取り去った方が高感度になるがレンズより小さい物は検知できなくなるので絞ってある
レンズ無し
レンズ有り
反射板でも効果がある。センサー側の穴から光源を見るとアルミ箔が光って見える。尖った円錐形で無いと効果が無い
厚紙にアルミ箔を貼った物
センサー側から
2017-04-16
基板完成。発信機。LEDは8個使っているが室内だと2個で十分。赤外線LEDのVfは1.3V程度と低いので3個直列も可能。直列にしたほうが抵抗で失われる電力が少ないので電池が長持ちする
受信機。実験のため送信機と同じプログラムを動かしている。送信機と同じ周波数成分のノイズを発生するので受信機にとって一番過酷なプログラム
ノイズレベルは意外と大きいがソフトで取り除けるレベル。2V/div。黄色がオペアンプで拡大されたノイズ。水色はオシロスコープのプローブに何も接続していない
回路図。電源IC等いくつかの部品は実装していない。送信機側の電流は100mA
現段階でほしい機能等:
・センサーを物体が横切った時出力を数ミリ秒程度~数秒出力を保持する
・通常のオープンコレクタ出力に加えてリードリレー出力 電位差を気にしないで良いので
・感度調節。屋外テストの結果もし必要であれば
・送信機の出力調節。DIPスイッチかジャンパーピンで
・電池ボックス 部品をレイアウトしてから検討 大きくなりすぎるようならいらない
・電池電圧低下警告
2017-04-17
屋外でテスト。6m程度まで使える
屋外ではセンサーの遮光が必要。直射日光が当たる場合はそれなりの大きさが必要。センサーは真横からの入射にも反応する感じ
オペアンプの出力は飽和している。遮光しないとセンサーが飽和して振幅が小さくなる。PICのコンパレーターは
・ヒステリシスの設定ができない
・コンパレーターの出力が変化したときだけ割り込み発生させる
等の機能が無く使えないのでINT割り込みに変更した
屋外テストでのまとめ:
・緑色LEDは日が当たっていると見えない。赤はよく見える
・距離は6m程度が限界 回路を工夫すればもっと長くできそうであるが感度を高くしすぎると地面の反射光などにも反応してしまうかもしれない
現在のロジックで検出できるのは最悪のケースで100μ秒。時速100kmで移動している物体なら2.77mmの大きさとなる。これは光源よりずっと小さい
2017-04-18
指示LEDを超高輝度に変更してみたが赤外線LEDの照射角が広いので発光器側から受光機の指示LEDを見る必要性は無い感じ。FA用の光電センサーを屋外で使用する場合は受光機を先に設置し発光器を動かして光軸を合わせるほうが容易なので遠くから受光機の指示LEDが見えたほうが便利。この自作機とは逆。照射角が広いおかげでFA用より設置は圧倒的に容易。その分大きさ、信頼性、消費電力を犠牲にしている。YouTube動画 「自作光電管試作品テスト」
2017-04-18
回路図。試作1号の結果を踏まえて一部修正
受信側
2017-04-22
赤外線LEDを少なくできないか検討するためにセンサーは最初のリモコン用に変更、発光側を1kHzと38kHzのAND条件で点滅させる。センサーのデータシート上1kHzの点滅周期は1.666kHzまで早くできる
受光側
発光側のハードはいままでと同じ
LEDの発光周期
遮蔽物が無い時の受光センサーの出力。上のLEDの波形より1マスの時間をx10にしてある
遮蔽物が有るとき。感度が高いので赤外線の反射光が回り込んで完全反応してくれないがLEDの点灯数を減らせば少し変わると思われる。今日は曇っているので晴れたときに屋外で実験する。リモコン用なので室内では10m離れても十分動作することは実験せずともわかっている。今までの回路は応答時間が速く50μ秒。この方式だと500μ秒と遅くなってしまう。代わりに発光側のLEDの消費電力は今までの方式の半分。受光側の回路もセンサーにアンプが内蔵されている分だけシンプルになる
防犯用は250m程度で使えるものがある。反応速度は不明。誤動作防止のため1秒程度遮蔽しないと反応しない可能性あり
改造。室内テストはOK。応答時間は最大600μ秒。これ以上信号が途絶えると遮蔽物があると判断するロジックにした。1/1000秒ストップウォッチとして使うためにはセンサーに1/10000秒の分解能がほしい。お遊び用途なら1/100秒の精度があれば十分なのでこれでも使える
2017-04-23
リモコン用センサーを屋外でテスト。直射日光が当たるとダメなので水道管を被せた。感度はあまり変わらない感じ。センサー内部は完全なブラックボックスなので原因ははっきりしないが強い赤外線で飽和しているのだと思う。センサーの38kHz選択度はかなり高く2割周波数が違っていたら反応しない。周期600μsecは300μsecにしてもセンサーは動いてくれるがデータシートの範囲外なので無理な高速化はしていない。金額的にも利点のない回路であるがセンサーの入手性が良いので両方ともこのまま進める。同型番のセンサーは入手できなくなっても赤外線リモコン用センサーの特性はどのメーカーの物も同じはず。出力がON/OFFだけのデジタルなのも利点
2017-04-24
リモコン用センサーテスト続き。西日に近い条件でも動作する。発光側はLED2灯。強すぎるとかえって動作不良を起こす。距離は4mで安定動作。LEDの点灯数を多くして距離を伸ばそうとしたがうまくいかず。内部回路がブラックボックスなので原因はわからない
2017-04-24
8pinPICの動作確認。特に変わった特徴は無し。普通に動く。部品が届いたら量産基板をメーカーに発注する
2017-05-08
基板を発注
2017-05-09
SANYOのSPS-440は38kHzのキャリア信号だけだと反応しなくなるがVishayのセンサーは動くのがあるようだBreak-Beam Sensor
2017-05-24
基板が届いたので組み立て。回路を追加変更しているのでソフト開発
2017-05-25
簡易タイム計測器完成。近すぎるとセンサーの感度が高すぎてダメ。周囲に反射した赤外線に反応してしまう。ストロボのような強い光も苦手。晴れたら屋外でテストする。DIPスイッチはノーマリーオープン/クローズの設定とOFF-delay時間の設定。delay時間はスイッチを押しっぱなしにしている時間なのでdelay時間より短い時間の計測はできない
2017-05-27
到達距離テスト。曇り。晴れの予報だけど雨が降りそうな空。リモコンセンサー版は17m、オペアンプ版は13m。(追記)オペアンプ版の時々晴れ間の見える曇りで14m
2017-05-28
直射日光でテスト。オペアンプ版10m、リモコンセンサー版11m