2014-05-15
土壌水分計は交流電圧を電極にかけて誘電率から水分量を換算しているらしい。植物の生育に必要な最適な水分量データを持っていないので絶対精度は必要無い。繰り返し精度があれば十分なので単純に直流電圧で抵抗値を求める方法などが使えないか実験してみる。このテスターは位相のズレまで計測しているが電極に交流信号をかけたときの電圧降下から求める方法など計測方法はいろいろ考案されているようだ。計測値は1kHzで658pF。電極は自動車のワイパーブレード
とりあえずおおざっぱにデータ取り
空気中の静電容量 ほぼゼロ
コップに水を入れると10μF程度
周波数で静電容量は大きく変わる
100kHzで12pF
100Hzで8nF
直流抵抗値は13kΩ
2014-05-20
実験用のステンレス電極。手前の1本だけは中に温度センサーを入れられるようにステンパイプを使用。ロガーなので先端が尖っている必要は無いが実験用は何度も抜き差しするので土を荒らさないように尖らせた
2014-06-06
直流回路だと計測値が安定しない。電流を流すので電気分解が起こるのか?
2014-06-25
雨上がりに計測。直流計測は時間経過で値が変わるので安定する30秒後に数値を読み取り。この方法は中性の土壌ならたぶん問題ないがピートモスは強酸なので電極が劣化する可能性有り
黒土。直流電圧5Vにおける電流。0.434mA
黒土+ピートモス。直流電圧5Vにおける電流。1.037mA
黒土。直流電圧3Vにおける電流。0.348mA
電極に熱収縮チューブをかぶせて絶縁し交流計測すると。計測が難しそうな値。ロガーで無いなら直流計測でもいけそうだし交流計測も電圧を上げて逃げてしまうことも出来そうだがロガーは電池節約をしないといけないので簡単にいきそうも無い
空中で1.8MΩ。たぶん濡れた木片の影響を受けている
土に挿して1MΩ
10kHzのインピーダンス1MΩ
静電容量46pF
2014-06-26
省電力化は後回し。±9V電源で実験。交流信号はシグナルジェネレーターから8Vp-p、20kHz
オペアンプで回路を組む
電流->電圧変換回路
+絶対値回路+ローパスフィルタ
2014-06-27
開発環境はarduino。計測回路の周波数は20kHz付近。arduinoはラダー回路でD/A変換してSIN波を出力できるほど高速動作できないのでローパスフィルタに20kHzの矩形波通して正弦波を作る実験。波形は角の取れた3角波になるが十分使える。フィルターはオペアンプを使ったアクティブフィルター。そもそも計測は矩形波のままでもいけるので実験の意味が無かった
入力2Vp-p 20kHz
フィルターを通すと波形の振幅は小さくなる
現時点の回路。±9V電源。前段が電流電圧変換回路。IC3Aの2,3番ピンがバーチャルショートするのでセンサーにかかる電圧波形はシグナルジェネレーターの波形と同一になる。後段はテキサスインスツルメンツの高精度絶対値回路(jaja204.pdf)そのものの出力にローパスフィルタを追加した物。オペアンプは高速オペアンプじゃ無いと波形が歪む。LM358はダメ
鹿沼土で計測。水を入れて攪拌し20分程度待って計測。粒が大きく良いデータは取れず。分解能10mV程度なのでarduinoのA/Dコンバーターで計測可能。抵抗値を大きくすればもっと高感度に出来るが不安定さも増す
乾燥した鹿沼土。下側の点線ラインが土無し
水を50cc入れる
100cc
150cc ほぼ飽和状態 振り切れるので表示をずらした
状態が均質では無い
150ccで水が僅かに溜まる感じ。瓶は約1リットル
2014-06-28
農業用の土壌水分計。「pFメーター」「テンシオメーター」「テンションメーター」なる物。先端部が素焼きのセラミックになっていてこれを土に突き刺す。土壌水分が少ないときは内部の水が吸い出されてメーター内部が負圧になる。メーターは30kPa程度の真空計。メーターを圧力センサーに置き換えてデジタル化してしまうという方法もありそうだ。調べると地温、メーター内部水の気泡の影響を受けるとあるがこれが誤差要因になる理屈がわからない。たぶん真冬も凍結して使えない
±電源の変わりにLT1054で負電源を作り出す。±5Vでも実用になりそう。arduinoを除いた部分の消費電力約24mA×5V。電池駆動の場合電源入れっぱなしというわけには行かない
塩分濃度の影響を受けるか確認。塩の体積増加分による水位上昇の影響なのか僅かに電気が流れやすくなる
入れる前
これくらい入れてみる
殆ど変わらず。10mV程度出力上昇
2014-07-01
右側のIC4個は全部電源IC。常時通電用のRTC用、ATMEGA用の主電源、通信モジュール用の3.3V電源、オペアンプ用の負電源。主電源はソフトでON/OFFできる。OFFすると自分自身の電源も切ってしまうので常時通電のリアルタイムクロックのアラーム機能でONさせる。リアルタイムクロックの設定を間違えると眠りっぱなしになる。電源ON/OFF時に不安定にならないかは要実験
2014-07-05
裏焼き基盤を作ってしまった。作り直すのは面倒なので半田面に部品を実装する
2014-07-29
半田付け終了
コンデンサだけで¥300
修正多数
2014-08-01
動作確認
2014-08-15
計測開始。実験材料はアボカド
ソフトも16チャネル対応に変更したので複数同時計測可能
2014-08-16
金曜の夕方に水遣り。その後何もしていないが土曜の6時頃から上昇。鉢底の水分が温度上昇で上がってきたのか?
雨なのになぜか電流が下がる。防水不完全で回路に水がかかったか?
土砂降り
2時半から雨
2014-08-17
今日は水遣りも降雨もなし。やはり気温の影響を受けているか
2014-08-18
水の誘電率は温度で大きく変わるらしい
2014-08-22
測定結果は実用にならないレベル
内部に水滴が付いている
電極の構造を少し変更して温度による水の誘電率の影響を測定
木片も濡れている
お湯で実験
14:30~のデータがその結果。水道水なら温度による影響は殆ど無し
2014-08-26
グラフは上から温度、水分計の基板温度、水分。今日はずっと小雨。午前9時頃から降り出したが雨が降ると何故か電流が流れにくくなる。土壌の温度はほぼ一定なので温度の影響は無いはず。普段の水やりは雨水を貯めた物を使っているので水質の影響も無いはず。ジョウロで水やりすると電流は流れやすくなり、雨が降ると流れにくくなる。降り始めの雨にだけ電流を流れにくくする何かが含まれていると考えないと計測値の説明がつかない。しばらく計測を続けて見る
2014-10-09
雨が降ると電気が流れにくくなる原因はまだ不明のまま。周波数を1/8(4kHz)に下げてみた。貯め置きした雨水や水道水では電気が流れやすくなる。袋の中にはシリカゲルを入れて乾燥させてある
2014-10-14
周波数を変更した結果。何も変わらず。上から電流、土の温度(温度計は2本挿してある)、基板の温度。台風の影響で9時頃から雨が降り出すと直後に電流が流れにくくなる。温度の影響も若干有るが温度補正できるようなデータは取れなかった