2009-02-27
土地はこんな所、団地内ですが北東側が崖になっています。山の北側斜面で日当たりは良くない。周囲は殆ど杉の木。花粉症の人は住めません。崖の角度は35度。地震が来たら埋まるかもしれません。自動埋葬システムだと思えばいいのです。(追記 南西側の敷地は平屋が建ったので無駄に日当たりが良くなってしまった)
買った土地、目障りなフェンスの向こうは市の所有物。木を切ったばかりで何も生えてませんが、数年経てば色々な物が生えてくるはずです。
2009-03-24
土地を購入したら、普通は建築家探しをするのですが、弟が設計事務所をやっているので先ずメールを送信することから開始です。送った物は...
1.要件を箇条書きにした物(A4用紙1枚分程度の量)
2.敷地の図面
3.敷地の中央でぐるっと1回転して撮影した動画(普通は現地を見てもらいますが身内なので後回し)
敷地の図面。隣家の敷地も書いてある。JW_CADで書いた。普段使っている鍋CADと全く違う操作に苦戦
要件。工作室に関する要求が一番多い。
2009-04-16
第1案が出来てきました。これがたたき台になります。この構造の問題点や要求なんかを2時間程度打ち合わせ。設計が「バランス取り」であるのは電気回路でも建築でも全く変わりは無く「あちらが立てばこちらが立たず」になります。むしろ土地が狭く異形であるといった強い拘束条件がある方が設計が楽になります。「東南角地で日当たり良好、長方形の敷地に、予算1億円」なんて条件だとかえって設計が難しくなります。第2案が出来るのは2週間後。
道路に面した側は全面ガラス。
工作室が家の中央に配置されている。
反対側(崖が見える側)は屋根が切り欠いてあって、そこから採光する
2009-04-24
夏場の日差しを遮るのに落葉樹はあまり理想的とは言えないようです。4月末現在はまだ日射があって欲しい季節ですが。落葉樹でも完全に日光を遮ります。
手前の木は常緑、奥の木は落葉
2009-04-29
案1が160m2と大きすぎたので、案2は大分小さくなりました。約120m2です。
だいぶ小さくなった
断面図
案2では屋根の形状(=採光)を検討。耐力壁は光を遮るので壁量も計算。強度を持たせるために屋根まで届く壁が必要になる(らしい)。案3はもっと北側から採光するように変更の予定。
壁量計算
平屋は正方形の家にすると北側が暗くなる。採光は2階建てより難しい。
2009-05-19
第3案で住む上で理想的な状態になりました。このあと施工上の問題などを加味して修正していきます。この状態では給湯器の配管に難があるので風呂場の位置を変更する。第4案はまた2週間後。
更に小さくなる 106m2
裏表両方が正面になる家
間取り
2009-06-05
構造は少しシンプルになった。
2009-06-10
設計士が「階段作ってみる?」とか言うのでトラス構造にしたときどの程度力がかかるか計算してみた。
手計算は途中で断念
EXCELを使って計算。繰り返し構造なので式をCOPYすればもっと段数が多い物にも簡単に対応できる。
計算は各点(A,B,C...)にかかる力を横方向と縦方向に分解してそれぞれの力が釣り合うように未知数を潰していけばいい。高校生の物理というより単なる三角関数で十分答えが出せる。酷く面倒なだけだ。結果を見る限りかなり細い材で支えることが出来るが、階段左右の荷重が不均衡になるとねじれが大きくなる。常に階段の中央だけで上り下りするか、もしくはねじれを抑えるために正面から見た構造もトラスにしてねじれ剛性を稼ぐ必要がある。それでもたぶんバネ感のある階段になるはず。
2009-07-01
建築現場に見学に行きました。あと2ヶ月程度で完成する予定とのこと。大手ハウスメーカーではなく地元の工務店が建築しています。外側はほぼ完成していますが内部の設備(トイレや浴槽なんか)は全くなく内壁を貼っている途中です。
床板は貼ってあるが(養生してある)一部完成していない状態。2階トイレの水道管が宙ぶらりんになっている。
カマキリの卵状態の現場発泡断熱材。機密性が良いがそれなりの機械(単純な構造らしい)と根性(臭気がすごいらしい)が必要なので素人施工は無理。電気器具は付いていないので電線はほとんど全部宙ぶらりん。
半セルフビルドなので施主工事が多い。これは当方の家の作業分担。
2009-07-10
サッシの現物を確認しにトステムのショウルームへ行く。内側がプラスチックで出来ている結露しないタイプを使う予定なので、どれくらい安っぽいのかを確認する。現物を見ると暗い色ならそれほど気にならない。
カタログとサッシのカラーサンプル
2009-08-08
工務店に見積依頼が出来るところまで進んだ。現在見積中。
見積のための資料一式。見積に必要ない物も少し含まれている。
2009-09-02
見積書が来た。電気工事が施主工事になっていなかったりでちょっと修正が必要。
見積書 全部で約30ページ
2009-10-09
建築費に占める人件費はどれくらいなのか調べてみた。人件費以外の部分は素材の価格と設備の償却費(=設備のレンタル費)になる。建材の多くはネット上で小売り販売されているので価格を調べるのはそれほど難しくない。
古本屋で購入、工事明細の例が載っているが素材価格まではわからない。
基礎工事の工事明細。何故か5000万円の豪邸の例だ。各項目(1行分)毎に素材価格と施工費用が合算されているので明細を見ても材料費と人件費は分離できない。単価は既に素材価格と人件費を含んだ物になっているのだ。
木材の価格などを積み上げて材料費、建機のレンタル費用を集計すると、総工費の半分程度になる。残りが人件費なので人件費も総工費の半分程度だ。2000万円払って家を建ててもらう事も可能だし、全く同じ仕様の家を1000万円+根性で建てることも可能だ。以下は色々調べてみた結果まとめ。
・素材は安いが施工費が高い物もある「半額」の意味は家一件分で計算した時にそうなるという話。
・定価が有る建材の小売価格はたいてい定価の半額程度。
人件費と建材の小売価格はほぼ同額なので施工費まで含めればちょうど定価と同じくらいになる。
・ホームセンター価格とネット価格にそれほど大きな差はない。
価格が知りたければホームセンターに行ってみると良い。
現物を見たければ出来るだけ大きな所に行くこと。
・ネットショップの中には少量の小売りを前提とした割高な価格設定の物もある。
・価格が調べやすい物と調べにくい物がある
例)
同じ屋根材でもアスファルトシングルはネット上に小売り価格がたくさんあるがコロニアルはとても少ない。
コロニアルについては、そもそも情報が少ないことに加えて屋根のリフォーム業者が多数有り
検索するとリフォーム価格ばかりがHITしてしまう事もわかりにくさの一要因
こういう場合は定価を調べその半額が小売価格だと思えばよい。
実際コロニアル(コロニアルクアッド)の定価は1枚¥536で、ホームセンターで価格を調べたところ1枚¥285であった。
1m2の屋根には6枚必要なので70m2なら420必要になり、¥119700が素材価格だ。
・家一件分の素材価格を調査すると大体3日かかる。
建材に関する知識が少なければ1週間程度かかる。人によっては1ヶ月かかるだろう。
・ホームセンター調べの価格
-S.P.F ¥67800/m3
-コンパネ ¥1000
-石こうボード ¥400
・人件費の単価は不明であるが、公共工事については単価が決められている。
公共工事の施工単価は書籍が販売されている。中身は時刻表のような感じで¥3500程度と高い。
大体¥16000±¥2000/日というのが公共工事の人件費らしい。
住宅と公共工事を単純比較できないが住宅の方が公共工事より単価は高いであろう。
クボタの屋根材。コロニアルの定価。
かかった費用 | ||||
品名 | 購入場所 | 数量 | 単価 | 解説 |
住宅の建築コストがわかる本 | amazon | 1 | ¥839 | この本では実際コストはよくわからない。ネット上にも明細を掲載しているサイトがあるので見てみると良い。4,5件の明細なら直ぐ集まるだろう。それぞれ建物の仕様は異なるが比較することによって何となくわかってくる。 |
2009-12-04
建築確認申請も終了し、来週月曜に工務店と契約の予定。確認申請手続きは建築士がやってしまったので当方は只待っていただけ。仕様書はA3サイズで30ページ程度。確認申請の書類はもっと薄くて10ページ程度。
断面図
文字だけのページもある。文字だけのページはどの家でも同じになる共通事項的な物が記述してある
3月頃からやっているので、9ヶ月かかったことになる。身内に設計を頼んだので後回しにされた気がするが注文住宅は結構時間がかかる物だ。
柱の構造 横から見た図
柱の構造 前から見た図
2009-12-07
工務店と契約してきました。通常戸建ての工期は5ヶ月かかりますが、当方が作業する部分があるので8ヶ月かけて完成させます。完成は7月末の予定。
今年は基礎工事まで
工期は通常より長い
2010-01-04
設計段階で出来上がった物は主にこの3冊
・工務店との契約書 見積、保証関係が主な内容
・建築確認申請書
・設計事務所の作った設計書
3冊の内容はかなり重複がある。重複部分を取り除いたらたぶん半分程度の厚さになってしまう。ここにある3冊の内容で家を建てるのに十分というわけではなく例えばプレカットはプレカットの図面がないと出来ないがここには含まれていない。
中身はここでは紹介しない。図面のたぐいは現物との対比がないとわかりにくいので施工の記事の中で紹介することにする。
この記事は一旦ここで終了。
契約書、建築確認申請、設計書の3冊
こんな厚さ