単相誘導モーターブレーキ

慣性で回転中の単相誘導モーターに直流をかけるとブレーキをかけることが出来ます。実験してみたところ減速機構がついているボール版のような物には大きな効果は認められませんでした。しかし、ボール盤のベルトを外してモーターとプーリーだけにすると効果が確認できます。この状態だと慣性により70秒も回り続けますが、5V、3Aの直流を流すと5秒ほどで停止しました。15ワット程度の電力で停止させている計算になるので慣性があまり大きくなく、回転抵抗がきわめて小さな物には大きな効果が期待できそうです。当方のボール盤のモーター直流抵抗値は1.6Ω程度です。コンデンサー型ではなく分相始動形という巻き数の異なるコイルを使用する方式です。当方のボール盤の写真は散財のコーナーにあります。


2008-11-05

この作品は共同開発です。この回路のマイコン+SSR部分を当方が作ります。リレーの部分を2局のスイッチにしたり、リレーおよびスイッチを全てトライアックにしたり(誤動作すると危険です)、回路は色々考えられます。回路の組み方によって
 ・動作の確実性
 ・安全性、使用時の安心感
 ・故障場所の発見のしやすさ、修理のしやすさ
 ・作りやすさ、配線のしやすさ
 ・部品点数の少なさ、故障箇所の少なさ
 ・部品の入手しやすさ、価格
が異なり、全てを同時に満足する回路は存在しません。

グラインダーの電源をOFFするとマイコン回路の電源が入ります、マイコン回路は電源が入ると直ぐにSSRをONさせ、モーターに直流(脈流です)を流してブレーキをかけます。一定時間が経過するとSSRをOFFしてブレーキを解除します。マイコン回路はとても簡単なタイマー回路です。

m.GIF

先ずはブレッドボードで実験

PICT8123.jpg
動作の様子
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
braketimer.wmv MOVIE 1.電源が入ると、直ぐにSSRがONしてモーターに直流が流れてブレーキがかかります。
  黄色いLEDがSSRの代用品です。点灯しているときにブレーキがかかっています。
2.10バーLEDにブレーキ時間の残量が表示されます。
3.ブレーキが解除されると、ブレーキ時間の設定モードになります。
4.変更する必要が有れば(殆ど無い)ロータリーエンコーダーでブレーキ時間を変更します。
  1クリック回すたびに内蔵のEEPROMに設定値を書き込んでいます
  ブレーキ回路の電源をOFFするまでこの設定モードのままです

試作基板はPress-N-Peelを使用しました。生基板は感光、現像に失敗した1mmのガラスコンポジット感光基板です。もちろん感光剤は除去してあります。丸い物の上を転がして転写すると良いとあったので試した見ましたが、このゴムの丸棒はフラットスポットが有ってうまく転がりません。効果の程は不明です。

PICT8126.jpg

試作はPress-N-Peelを使う

PICT8128.jpg

丸い物をコロにして転写すると良いと聞いたが...

やはりPress-N-Peelは1mmの基板を使うとうまくいきます。

PICT8129.jpg

転写後の状態

PICT8132.jpg

エッチング完了

試作完成

PICT8135.jpg

部品面

PICT8138.jpg

裏側にはトライアック

黒い部分はエッチングされないようマジックで塗った跡。塩化第2鉄溶液を節約するための物だが画材屋でものすごく安く売っている。サンハヤトの1/3~1/4で購入できる。廃液処理は消石灰を入れて中和する。サンハヤトはかなり複雑な方式で中和している。そろそろ溶液の寿命も限界なので、今度は画材屋で購入して実験してみることにする。ベタパターンを多用しているので今までに使用した塩化第2鉄溶液の総量は1.5リットルに満たない。

当方の作業はここで終了。

PICT8224.jpg

量産は感光基板で。

PICT8236.jpg

穴あけして基板完成

部品のレイアウト

brake_BOARD.GIF

回路図。フォトトライアックでPICとトライアックは絶縁されています。

sbrakeschema.GIF
基板パターン&回路図&プログラム一式
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
BRAKE_TIMER_MIKROBASIC.zip OTHER mikroBASICのソース&HEXファイル
BRAKE_TIMER_EAGLE.zip EAGLE EAGLEの回路図&基板パターン