素子:フォトインタラプタ

フォトインタラプタは赤外線LEDとフォトトランジスタが1つの部品になっている素子です。今回使用したGP1A53HRJ00Fは定電圧回路やアンプを内蔵しているため少ない外付け部品でセンサーとして使用することが出来ます。

特徴:
 良いところ
  ・受光部と発光部が一つの部品になっているので動作が確実
  ・高速動作可能(反応速度1μ秒以下)
  ・少ない外付け部品で使用可能
  ・安い(今回使用した物は)
 悪いところ(適用場所次第で問題なし)
  ・スリットの付いた円盤を作らないといけないので工作が面倒
  ・ちょっとでかい(今回使用した物は大きいが、小さなフォトインタラプタもあります)
  ・足がユニバーサル基板ピッチではない

注意:
 ・出力側の3番,5番ピンの極性を逆に繋ぐと過電流が流れる


2008-10-12

ちょっと大きいのと、3本足側がユニバーサル基板ピッチでないのが難点。但し、そんなに無理に押し込まなくてもユニバーサル基板で使用できます。

PICT7999.jpg

フォトインタラプタ。秋月電子で4個¥200。

PICT8000.jpg

GP1A53HRJ00F

スリットの付いた遮光板をコの字型の部分に挟んで使用します。かなり高速回転でもきれいな波形が出てきます。データシートによると信号の立ち上がり、立ち下がり時間は1μ秒以下なのでもっと多くのスリットがある遮光板が数万回転しても余裕です。

PICT8018.jpg

回転体

データシートが矛盾しています。オープンコレクタと記述がありますが、内部構造の図には15kΩのプルアップ抵抗が付いています。正しいのは図のほうです。抵抗でプルアップされています。OUTピン(3本出ている側の真ん中)の電圧は遮蔽物が挟まっているときに0V、遮蔽物がないときに電源電圧になります。

PICT8095.jpg
PICT8096.jpg

内部でプルアップされているのでR2は無くてもOKです。つまり抵抗1本(R1だけ)でセンサーとして機能します。

interrupter_sch.GIF

実験回路図

interrupter_brd.GIF

ご参考の基板パターン。このパターンは基板を裏面から見た物です。

LEDを点灯させる実験です。この実験回路は上の回路図のR2とフォトインタラプタの間に赤色LEDを入れただけの物です。

PICT8003.jpg

ブレッドボードで実験

動作の様子
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
interrupter_movie.wmv MOVIE カッターナイフを遮蔽板として使用

2011-10-26

上の物は秋月電子での取り扱いが終了したようなので代替品をテストしてみた。上の物は出力がICタイプだが、これはフォトトランジスター出力。

R0012928.jpg

KODENSHIのSG206

R0012893.jpg

中身はこうなっている

エミッタ(フォトトランジスタの矢印がある方)を抵抗経由でGNDに繋ぐのが標準的な使い方。エミッタをGNDに直結してコレクタを抵抗経由で電源+に繋いでも良い。

SG206kairo.PNG

上の回路をブレッドボードで組んだもの

R0012895.jpg

ドリルの先に付けた円盤のスリットは1個だけ

R0012897.jpg

デジタル波形が得られる

赤い部分:
 光を遮る物が無いときにはフォトトランジスターに最低でも0.5mA流れてくれるという意味。
 0.5mA×10000Ω=5000mV=5V
 フォトトランジスターに10kΩの抵抗を繋いでおけば素子のばらつきがあっても出力はほぼ電源電圧いっぱいに振れてくれる。
青い部分:
 光を遮ったときにフォトトランジスターに流れる電流
 10μA×10000Ω=100mV=0.1V
電源電圧が5Vなら素子のばらつきがあっても出力は4.9Vになってくれる。PIC等のMPUに繋ぐには十分な電圧
緑の部分:
 反応速度。2桁µ秒より大きいときは高速回転する物体について行けなくなる可能性がある
 特に1回転複数パルス、つまりスリットがたくさんある回転体の時はこれに注意する。

LEDに流す電流を決めるのはこの表の一番上。Vfのところにある20mA流せば良い。電源電圧が5Vなら直列抵抗は約180Ω。最大定格は60mA。流しすぎるとLEDの寿命が短くなる。

R0012930.jpg