信和DRO 分解:2007-02-24
市販のDROちょっとふたを開けてみました。中国の信和製です。CDCO Machinery Corpで購入。
30インチグラススケール付き。箱でかっ!! 借り物です。
本体も大きい。自作DRO3号機とLEDの大きさはほとんどかわりません。
赤いのは輸送用のストッパー。コネクターはD−SUB9ピン。TTLレベルの信号が出ています。
ストッパー取るとぐらぐら <−MOVIE
アース付き。電源の電圧は80V〜260Vで使えます。中にスイッチングレギュレター入ってます。ケースはプラスチックみたいに見えますが金属です。
メイン基板です。3軸、2軸兼用の造りになっています。さらにこの下にスイッチ基板があります。CPUは2個。スケールからの信号を受けてLEDの表示をしている物とスイッチ部を制御している物(パターンを追ってみていないので推測です)。秋葉原で部品集めて、基板メーカーに基板発注して同じ物作ったら、ケースなしの部品代だけで¥35000〜¥40000はかかりそうです。このDROで一番高いのはソフトの開発費用のはず。人件費の高い国ではDROは作れません。
メインのCPUは表面が削られてメーカー型式がわかりません。100ピン。右の物もCPUです。これはスイッチ部を制御している物と思われます。
ROMでしょうか?2Mはたぶん2軸のMILLの意味。これは旋盤用ではなく2軸のフライス盤用です。
ドミノ倒しっ!!
スケールとメイン基板は普通のフラットケーブルでノイズ対策は特にしていません。ケースが金属だからでしょうか? 信号線は1.5Kの抵抗でプルアップされ、470pFのコンデンサでGNDに接続されています。この基板のシルクは部品番号以外にも容量が印刷してあるので解析が楽です。逆に電源間がテスターで計ってみると32Ωしかないので、GNDに繋がっているのか、VCCに繋がっているのかよくわかりません。グラススケールのインターフェースはRS−422タイプの物もあり、そのためか基板には150Ωのターミネーター抵抗用のパターンらしき物があります。RS−422タイプの場合、半田ブリッジで安っぽく配線されている部分にレシーバICが載るはずです。
信号線はさらにバッファーを通ってメインCPU(表面が削られているほう)に接続されています。片方向でいいはずですが双方向のバッファーが使われています、他の周辺回路とバッファーICを共有しているためでしょうか?
LEDの足が長いのはこんなふうに半田付けするからなのか。市販品を見るのも勉強になります。
クロックは16MHz、なぜかCPUとはかなり離れたところにあります。CPUは2個あるのに発信子らしき物はこれだけ。兼用でしょうか?
グランドパターンが透けて見えます。4層基板のようです。
コンデンサもかなり容量の大きい物が付いています。LEDの抵抗は100Ω、緑の割には高抵抗です。
トランジスターアレーはたくさん使われています。
つなぎました。
動いているところ <−MOVIE 1/200mm分解能です。小数点以下が3桁なので、旋盤用の場合下3桁目はいつもゼロでは?
グラススケールの信号です。インクリメンタルタイプのロータリーエンコーダーと同じです。この波形の左右で動かしている方向が変わっているのが解りますか? こちらの方がノギスタイプの物よりDROを作るのは簡単です。スケール1本に流れる電流は約100mA。電源は5V。
最小分解能1/200mmとは、この距離のこと。
D−SUBコネクターのピン割り当て | ||
ピン番号 | 機能 | 解説 |
1 | 未使用 | |
2 | 0V電源 | |
3 | 未使用 | |
4 | BaseLine | 同軸ケーブルのシールドがここに繋がっています スケールの金属部分もここに繋がっています |
5 | 未使用 | |
6 | A | 上のProbe00がこれ |
7 | 5V電源 | |
8 | B | 上のProbe01がこれ |
9 | Z | |
シェル | - | 同軸ケーブルのシールドがここに繋がっています スケールの金属部分もここに繋がっています |
信号解析中の図
これは旋盤用。とフライス用の多機能版。
どれも基板は同じで、ROMと思われる物が異なります。
裏面がちょっと違います。右の写真の下側が上の方で紹介した物。
半田ブリッジは組み立てた人の性格が出ます。
【購入情報】
CDCO Machineryから購入するためにはメールで注文する必要があります。USAから注文する場合はメニューから商品を選んで「ポチっとな」とやればOKです。メールで注文するときの流れは
1.ほしい物のItemNo、数量などを伝える
こんな感じ。スケールだけ2本注文したときの例。
Please quote me a price for the following items.
Item name Travel ItemNo. QTY
--------------------- ------ ------- ---
Standard Glass Scale 12.5" 30101 2
best regards
2.ショップから価格の回答
表示されている価格と同じ物が返ってくるだけです。それと発送方法をどのようにするか質問がきます。
発送方法は船便、航空便 などが選べます。航空便だと送料は重さにほぼ比例します。船便は安いのですが、1〜2ヶ月近くかかります。
3.発送方法を連絡します
4.ショップから送料を含めた最終見積と、決済方法の連絡が来ます
決済方法はpaypalとクレジットカードが使えます。
5.ショップのメニューから通常に「ポチっとな」方式で注文操作をして
ショップへの連絡欄に発送先(つまり日本の自分の住所)を入力して注文完了。クレジットカード番号はこのとき入力します
6.後は待つだけ
航空便でも10日ほどかかったように記憶しています。発送時にショップから発送した旨のメールが来ます。
メールの応対から推測するに、フランクさんという人が一人で経営しているショップのような気がします。かなり几帳面な人のようです。
送料は一番上に掲載の巨大な箱の場合、約$135、トラベル12.5インチのスケールだけ2本で約$45でした。送料についての連絡はUSPSのLINKがそのまま送られてきます。Airmail Percel Postというのが普通の航空便です。
ショップ経由ではなくメーカーから直接大量に購入すると
2軸の旋盤用で¥35000。もちろんスケール付き、スケールは上に掲載している1/200mm精度の物。
3軸のフライス盤用で¥46000程度とのことです。