FF9 データパック 作成:2006-08-19〜2006-08-26
FUTABA DP−64K もどきです。双葉のプロポFF9には機体の設定情報が8機まで記憶できますが、それ以上記憶したい場合は別売りのデータパックを購入しなければなりません。データパックは中にシリアルEEPROMが1個入っているだけの構造なので作ってみることにしました。買うと¥5000ほどします。
双葉製プロポのFF9の額の部分にデータパックを入れるスロットがあります。ピン間隔は2mmピッチなので、通常のICピッチのソケットは刺さりません。ピンの並びは左から
1.GND
2.GND
3.VCC
4.VCC
5.SCL
6.SDA
7.未接続
となっています。SCL,SDAにはI2C規格の信号がそのまま出ています。24LC16なら右の写真の結線になります。DP−16Kの中身はたぶんこうなっています。見たわけではありませんが...
本来はMicrochip社の24LC16を繋がなければいけないのですが、秋月電子に売っていないので24LC64を接続してみました。
プロポの電源を入れると一応認識されるのですが、4Kと表示され、初期化もうまくいきません。そもそも24LC16と24LC64ではメモリーの読み書き手順が違うので当然と言えば当然です。上が24LC64の物、下が24LC16の書き込み信号のフォーマット。24LC64のほうが記憶容量が大きいのでアドレス指定が1バイトではなく2バイトになっているところが違います。
秋月電子で売っていないので安く購入できるところを探していたところ、たまたま、こんなサイトを見つけました。フランス語なので読めないのですが、写真と回路図を見ればデータパックそのものであることは一目瞭然です。しかもこちらのほうは24LC16ではなく、24LC64を使っています。早速同じ物をブレッドボードで組み立てPICにプログラムを書き込んで実験してみました。オリジナルの回路とは、4カ所違ってます
・水晶ではなくセラロックを使った。もちろん水晶用の2個の15PFコンデンサーも不要。
・トランジスターは2SA1048を使った(2SAタイプの物ならたぶん何でもOK)
・パスコンは0.1uFの積層セラミックコンデンサーを使った(たぶん無くてもOK)
・抵抗は560Ωを使った(1kΩでもたぶん問題なし)
電源を入れると、64Kタイプのデータパックとして認識します。初期化もうまくいきます。
モデル数が+24されて32に増えました
初期化されたEEPROMを読んでみました。秋月電子のPICプログラマーはEEPROMが読み書き出来るってこと初めて知りました。EEPROMが簡単に取り外せれば機体データをPCにバックアップすることなど造作もありませんね。24LC16(DP−16K)なら簡単なアダプター作るだけでバックアップ可能です。
信号線の電圧をそのままLEDで表示しているので、読み書きが行われるとLEDが点灯します。基板を作るときはLEDが正面に見えるようにした方がよさそうです。
24LC64で動いたので、メーカーの違うATMELの24C1025でもやってみました、問題なく動きます。24C1025は¥600もするので無駄ですが... 回路図にはスイッチがあるのですが使い方がわかりませんでした。おそらく64K以上の記憶容量があるタイプの物を使ったときに64Kのものを差し替えて使うのと同じことをさせる機能と思います。24LC64を使う場合や、24モデル追加されるだけでよければスイッチは回路から取り外して良さそうです。
部品代は¥500〜600といったところでしょうか、作者に感謝。そして一言メーカーに言いたい!! ¥100のメモリーを¥5000で売るな。
プリント基板は暇なときに作ることにします。
基板設計してみました。部品が干渉していますが、トランジスター、セラロック、LEDはハンダ付けした後、基板にたいして寝かせます。トランジスターとセラロックは基板のパターン面にハンダ付けしないと入りそうにありません。データパックのスロットはかなり足が長く出ていて窮屈です。
オリジナルの回路図を日本で入手しやすい安い部品に変更した回路図。
思ったより高くなりました。これ12個作った場合の単価です。これ以外にも1本¥270もする0.6mmドリルが約0.5本ダメになるし、部品買い出しの交通費や振込手数料などの出費が発生してしまいます。
部品表 | ||||
品名 | 規格型式 | 参考価格 | 購入場所 | 備考 |
PIC | PIC12F675 | \150 | 秋月電子 | |
EEPROM | 24LC64 | \100 | 秋月電子 | |
トランジスター | 2SA1015 | \10 |
秋月電子 | |
発振子 | セラロック20MHz | \40 | 秋月電子 | |
LED | 3mm | \5 |
秋月電子 | |
抵抗 | 560Ω | \1 | 秋月電子 | |
ソケット | 2mmピッチ7ピン | \126 | 廣杉計器 | 40ピン用なら千石電商にもある |
感光基板 | サンハヤト40K | \33 | 千石電商 | 1枚¥400、1枚から12枚とれる |
エッチング液 | サンハヤトH−200A | \10 | 千石電商 | 明確な寿命がないので価格に厳密さ無し |
現像液 | サンハヤトDP−10 | \8 | 千石電商 | 一袋¥90 1回使い切り |
合計 | \483 |
24LC16だと基板もシンプル。PICも不要です。入手性が良ければ捨てがたい。ここにあるんですが売り切れてます。
一番小さい100×75の感光基板でも12枚とれます。とれすぎ。
基板パターンBMPファイル(1200dpi)
たくさん出来てしまいました。
出来ました。
収まったところ。LEDの頭だけが出ています。
蓋のほうには最初から1mmのスロットがあるので基板がその隙間に収まります。LED用の穴も開けました。
回路図 & プリント基板パターン <−EAGLEが必要です
・基板がたくさん出来てしまったので部品込みで配布します。作ってみたい人はメールください。
・送料込みで¥1000です。
・製造原価よりちょっと高いですが穴あけの手間賃です。穴開けにかかった時間を考えると最低労働賃金を下回ります。
・ハンダ付けが出来る人、先着11名様。
・取り付け方向がないのはセラロック(青い部品)、抵抗、ソケットだけです、それ以外は取り付ける向きがあります。
・LEDは足の長い方が+です。取り付けなくても動きます。
・発送は定形外郵便のみです。
・動作保証はありません、5年以上前に購入したFF9(9CAP)で動きましたが最新機種でどうなるかは不明です。
そもそもFF9のオプションはDP−16Kなので、DP−64Kは動作保証されているのか不明です。
・ソケットはちょっときつめです。逆にも入るので気を付けてください。
2006-09-24
配布終了しました
2006年末に再配布を計画します
・LEDは工作が面倒なので省略。それに伴いトランジスターと抵抗も不要になります。
・部品が少なくなりますが、人件費を時給¥800と計算しても今回の配布価格¥1000はかなり赤字なので配布価格は¥1200に変更。
・ジャンパー線(写真の赤い線)はL字に曲げて取り付けなければならなず、工作が面倒なので直線配置できるようにパターンを見直し。
・部品数が少なくなり組み立てが簡単になるのでキットのみの配布にします。
・配布開始は11月中頃〜12月末になると思います。時々ホームページを見に来てください。
作り方
ソケットを取り付けます。1ピンだけ取り付けたら曲がりがないかを確認して残りの足をハンダ付けします。ソケットと基板はセロハンテープで仮止めしておくとハンダ付けがしやすくなります。
ICと電線を取り付けます。ハンダ付けした後、裏側に突き出ている足は切り落とします。そうしないと裏面に取り付ける部品の足とショートします。
セラロックとトランジスターの足を整形します。トランジスターを差し込む基板の穴は小さいので足を斜めに切り落としておくと差し込みやすくなります。
セラロックとトランジスターをハンダ付けします。1つずつセロハンテープで仮止めしてハンダ付けします。
基板の表面に飛び出したトランジスターの足は切り落とします。セラロックの足は短いので飛び出しません。もし、飛び出しているようならICの足とショートしているかもしれません。
最後に抵抗とLEDを取り付けて完成です
表面
裏面
LEDなしの簡易版やDP16Kも作ってみました
DP−64Kもどきの動作確認機種
2006-09-25
FF9Superを使われている方から動作の報告がありました。
2006-09-28
T9CHPシンセサイザータイプで動作の報告がありました。
2007-??-??
1024でも動作の報告がありました。
2007-08-16
FF8スーパーで動作確認していただきました。
左がDP−64Kもどきの認識結果+33機に。右がDP−16Kもどきの認識結果+8機に
2009-11-14
FF9で初期化した物−>FF10へ挿し換えは動作しないとの報告をいただきました
2009-12-16
FF10でも動作の報告がありました。