電流計付き5V電源 制作:2006-08-16〜2006-08-27
作りかけが多いというのに、またまた脇道にそれています。つまらない回路なのでデジタル電流計を付けることにしました。この電源装置はDROがフライス版からノイズ(漏電?)を拾っている対策の実験に使います。
アナログの電流計を付けたいのですが、小型にしたいのでデジタル方式にします。電源の最大出力を超過したか否かだけがわかればいいので、LEDバーで電流を表すようにします。電源に0.04Ωの抵抗をかませて、抵抗の端子間電圧をオペアンプで拡大しPICのADコンバーターでデジタルに変換してそれをLEDに表示します。PICのADコンバーターを使うのは初めてなのでブレッドボードで実験です。
実験風景 <−MOVIE
実はかなり苦戦しました、PIC16F88でうまくいかないので、PIC16F873で実験しているところです。結局、ソフトのバグでした。
使ったオペアンプはLM358です。5Vで動作してくれる便利な物ですが、最大出力は電源電圧より1.5ボルト低い値です。実測は約3.8V。
出力は5Vで固定。電流は0.3A取り出せれば十分なのでこんなに小型です。手のひらサイズ。基板のパターンはEAGLEを使いました。いつもの通り100%自動配線に頼ってます。基板のパターンは必ず紙に印刷してその上に部品を並べて干渉をチェックします。右上に写っている4本足の部品はブリッジダイオードです。足の間隔が3.8mmという中途半端な物ですがEAGLEの部品ライブラリーにありました。
5Vの固定電圧でいい場合、電源ICは普通7805を使うのですが、お気に入りの可変タイプのLM317を使っています。オペアンプは1つの8ピンDIPパッケージに2素子入っていますが1つしか使いません。出力がショートすると電流表示部自体が動作しなくなりLEDが一つも点きません。正常に動作しているときは必ず1つ以上点灯します。Max300mAを10段階で表示するので1つあたり30mAです。回路図にあるR6は実際の回路には取り付けませんでした。無負荷時にR5の両端の電圧が不安定になるのでは?と思ったのですが不必要でした。大きな勘違いです。
ADコンバーターの精度を調べようとして、結果をPICの内蔵EEPROMに書き込もうとしましたが、エラーになってコンパイルできません。どうやらバグのようです。P16F88def.pbasファイルにEEPROMライブラリーの定義が抜けています。defファイルを修正するかプログラムにinclude文を追加してやるとコンパイルできるようになります。V4でも、最新のV5でも同じです。
書き込んだEEPROMの中身をグラフにしてみました。ばらつきが見たいだけなので下位8ビット分だけです。青い線は6mVの電圧をオペアンプで300倍に拡大した物をAD変換した物。赤い線は電源を1kΩの抵抗2本で2.5Vに分圧した結果をAD変換した物。PICは10ビッドのADコンバーターを内蔵していますが、ブレッドボードで適当に組んだ回路では8ビットあれば十分なようです。
実際のデータはこんなです。これは上のグラフの赤い線の物。
有効期限まであと100日。新品の基板ではないがまずまずの出来。
正面パネルの図面です。部品のレイアウトは単純作業で疲れます。
部品がだいたい乗りました。いくつか取り付けていませんが、その有無によって動作がどうなるか確認するためです。放熱が必要な電源ICは基板の裏に付いてます。
2mmのスペーサーを廣杉計器で買いました。用途はこれ。基板と電源ICの間に挟まっているナットはネジを取り去った物ですが、これを作るのが面倒だったのと、ちょっとかっこ悪いので。0.5mm単位で長さが選択できます。
この抵抗の両端の電圧を測定して電流を表示します。秋月電子で売っているチップ抵抗40mΩ。コロッとした物かと思いましたが、薄っぺらでした。
ブレッドボードで実験したときはC5,C6があると結果が違ったのですが、配線が最短距離になるプリント基板だとあってもなくても結果あまり変わりませんでした。
手頃な抵抗がなかったので、トランスを負荷にして電流流す実験。電流を切った瞬間、高電圧が発生するので本当はこんなことやってはいけません。
300mA流れる前にオペアンプの出力が振り切れてしまったので抵抗を交換します。電圧を300倍もすると計算値が合いません、実測して適切な物に交換する必要がありました。
当初スイッチを付ける予定はありませんでしたが、出力をショートさせた後にPICが正しくリセットされず誤動作したので電源スイッチを付けました。PICのリセットは10kΩの抵抗経由でVCCに繋げる方法をとりましたが、電源電圧が不安定になる回路ではリセットICを使うのが正解のようです。
中身
完成しました。パネルの色は逆のほうが良かったかも... DROのノイズ対策のために作りましたが絶縁トランス方式がうまくいっているので出番はしばらくありません。
動いているところ <−MOVIE
EAGLE回路図、プリント基板パターン & 鍋CADパネル図面
mikroBASICソース、HEXファイル