スルピンKIT使ってみました 購入:2006-01-23
両面スルーホール基板のスルーホールを作るためのキットを使ってみました。約¥8500。サンハヤト製。
ランニングコストが高いとは知らずに買ってしまいました。
中身は
・鉄板。ポンチを使うときの敷き板です
・ドリル
・部品を取り付けてしまった後にポンチで叩きたいときの敷き板代わりの棒。黄色い物。右のように使う。
・ポンチ。オートポンチなのでハンマーで叩く必要はありません。押しつけるだけです。ある一定の位置まで押しつけると、それまでにため込んだ力が解放される仕組みになっています。
・インサータ。構造はシャープペンと同じ
付属のドリルの径は1mmではなく、若干太い1.01mm。通常、1mmのドリルの径は0.98mmくらいなので、若干太めです。普通の1mmドリルは細くて使えません。この中途半端な径のドリルがまた高いのです。
それと、スルピン。カッターナイフの刃のように切れ目が入っていてそこで折り取って使います。これがものすごく高い。これだけで¥2800。
イメージしやすいように同じ値段になるように¥10玉を積み上げてみました。
1コマ分を折り取った物がこれ。筒状ではなく筒の中に何かを詰め込んだ構造になっています。詰まっているのはたぶんハンダですが普通のハンダは折り曲げてもポキッといかないので組成が違うものと思われます。1個¥10。大切に使いましょう。これが特許のようでMulticoreSoldersとのライセンス...と説明書に書いてあります。中身が詰まっていることでポンチで叩いたときに膨らんで円柱が下穴に張り付く仕組みのようです。
基板に穴を開けて。シャープペンのようなインサーターで穴にコマを差し込んでから折り取ります。その後、上下からポンチで叩きます。左が差し込んだだけの物。右がポンチで叩いた後。基板の厚さが通常の1.6mmではなく1.0mmなのでちょっと飛び出してしまっています。
周囲にハンダを盛って
ハンダ吸い取り器で吸い取るとスルーホール完成です。上の方は入り方がちょっと浅かったみたいです。でもちゃんと導通しています。部品が上から被さってしまう場合はテスターで調べておいたほうが無難です。
飛び出した部分はカッターナイフで容易に切れます。断面の色からして銅のようです。箱には1.0mmと書いてありますが、内径は若干それより小さい感じです。実際は0.95〜0.97mm程度(たぶん)。
こういう風に取り付けたいのですが、これだとハンダ付けできないので、スルーホール加工して。穴にハンダを流し込むようにしました。こういった用途に限ればランニングコストはあまり気になりません。
穴あけが正確に出来れば2列のピンヘッダもなんとかいけます。
この工法は機械的強度が小さいので抜き差しすることを前提にしたピンヘッダには適していないようです。機械的強度を向上させるためにはスルホールをパターン面とツライチではなく少し飛び出すくらいにして、ハンダをきれいに吸い取らずにちょっと残しておいたほうが良さそうです。