CNCルーター

CNCルーターの自作

門型のCNCルーターはヘッドを変更すると、レーザー加工機、プラズマカッター、3Dプリンター等に変更できるので汎用性が高い


2021-05-12

arduinoシールドを購入。これは実験用。arduinoスケッチはCADソフトで生成したGコードをステッピングモーターの回転方向、回転速度、動作&停止に変換する。シールドの上に乗る3つはステッピングモータードライバーでこれは2A程度のステッピングモーターを回せる。大電流を必要とするステッピングモーターの場合はもっと大きいステッピングモータードライバーに変更する必要がある。このミニステッピングモータードライバー基板も大きなものも入力信号の種類は同じなので置き換えは簡単

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2021-06-04

arduinoシールドが届いたのでテスト。ArduinoNANOも付属している。モーター電源だけはコネクターが付いていないので適当なものを付ける必要がある。普通の2.1mmDCジャックを半田付けした。
・ソフトはインストールされていない
・grblという名称のCNCソフトをインストールする
 Versionは1.1
・ソフトの修正が必要。grblはarduinoUNO用でNANOで動かす場合はポート割り当てを変更する必要がある
 これは商品説明ページに書いてあった。以下の動画にもある
・このシールドはマイクロステップの設定が正しく動作しない
 モータードライバー基板のM1,M2,M3をGND->VCCに接続して1:1~1:16のマイクロステップ動作を設定するがシールド上のジャンパーピンを挿してもプルダウンされてしまう
 ジャンパーピンを挿したときにプルアップされるように改造しないと正しく動作しない
 へなちょこモータードライバー基板は実験にしか使わないので当面基板修正はしない
インストール方法はこれを見た(grblの在処もこの動画にある)

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・grblのarduinoスケッチはこれだけ。#includeしかない。loopもsetupもない
 C言語で書かないと遅すぎて使い物にならないと言う事だろう
・スケッチ書き込み時にメモリー不足で正しく動かなくなるかもしれないというメッセージが出るが気にしないで良い
・Gコードはシリアルポートで送る。速度は115200bps
・Gコードには無い機器特有の設定は$コードで行う
 例えばX軸を1mm動かすためにステッピングモーターを何ステップ回す必要があるのかといった設定
・$コマンドを実行するとarduinoのEEPROMに書き込まれるようで再起動しても前回の状態を保持している

適当なGコードを入力して動いたので次はもっと強力なモータードライバーで実験する

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2021-06-04

これがモーターの電源だった。arduino電源はこのコネクターからシリーズレギュレータ経由になっているがコマンドを送る都合上USB接続が必要になる

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2021-07-02

モータードライバーが届いたので動作テスト。中国製約¥1000。モーターは以前に購入したもの。これも中国製で¥5000~¥6000だったと思う。このモーターには特に定格電圧というものは無い。定格電流は6A。モーターはコイルなので電源電圧が低いと電流を流したいときに流れてくれなくなる。電源電圧を高めにしてドライバー側で電流制限をかけて使用する。ドライバーは最低電源電圧20Vなので20Vでテスト。信号線はDIR,PUL,ENAそれぞれ2端子の合計6端子ある。Arduino->モータードライバーはマイナス共通の信号なのでDIR,PUL,ENAのマイナス側合計3端子をArduinoのGNDに接続。信号線プラス側はEN(Arduino)-ENA+(Driver),DIR(Arduino)-DIR+(Driver),STEP(Arduino)-PUL+(Driver)。特に動作は問題無し。必要十分な速度で回転する。門型CNCはX軸の上にY軸がY軸の上にZ軸が乗る構造なのでX軸に一番負荷がかかる。X軸はモーター2個必要になると想定していたがモーターのトルクはかなり大きいので1個でも行けるかもしれない

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電源は完成するまで実験用電源を使う。電気系の基礎実験はこれで完了なので次はX,Y,Zテーブルの部品集めを開始する

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2021-07-29

可動域を考慮してからでないと部品のサイズが決められないので簡単な構想図を書いた

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2021-08-06

寸法が決まったので直動部品を発注。3軸で約9万円。電装、躯体を含めると20万円程度になる予定。最大ワークサイズは1500x900x180mm。スピンドルの形状次第でもう少し小さくなる

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2021-08-07

先に注文しておいたZ軸到着。これはボールねじなどを全部含むセット品。約¥11000
規格
ボールねじ:SFU1605
ボールねじ軸受け固定端:BK12
ボールねじ軸受け支持端:BF12
リニアガイド:HGH20CA
リニアレール:HGR20

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2021-08-14

レールが届いた。1800mm2本、1100mm2本。¥31540+消費税、手数料¥3700
規格
リニアガイド:HGH25CA
リニアレール:HGR25

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2021-08-19

ボールねじが届いた。1800mm2本、1100mm1本。¥49000。切削ネジではなく転造ネジ
規格
ボールねじ:SFU2005 C7精度
固定端:BK15
支持端:BF15
ナットハウジング:SFU2005用
規格の数値は主要な寸法を意味するがベアリングが嵌る部分はボールねじの径より小さいので20mmのSFU2005ボールねじに適合するベアリングユニットはBK15,BF15のように15mm。各部の寸法をよく見て購入する必要がある。精度は工作機械向きではないC7。木工や3Dプリンター、プラズマカッターなら一番安いC7で十分。Aliexpressにあるボールねじはほぼ全てと言っていいくらいC7。金属切削加工なら一つ上の精度のC5を選択する。DIY用ならたぶんC7で問題無いはず

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リニアガイド程ではないが油でべたべた。触りたくない

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2021-08-21

3Dプリンターは専用機を設計した。上から見た図。木工ルーター、プラズマカッターは構想中の物で問題無いが3Dプリンターは専用の物を作らないと装置のセットアップを毎回やる必要があってかなり面倒なことになりそう。少し調べたところ3Dプリンター特有の制御は
・素材となるプラスチックワイヤーの送り出し機能がある
・素材によってはテーブルを加熱する必要がある
・テーブルのXY平面に対する平行出しが必要
・素材によって冷却や保温が必要
まだ他にもあるかもしれない。NCルーターのヘッドを交換して3Dプリンター専用テーブルを置けば良いというわけにはいきそうもない。加えて運転時間が長いという問題がある

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Z軸モーターは造形中に全部同期させて動かすがテーブルとリニアガイドを完全に固定するとテーブルの水平調節は出来なくなる。市販の3Dプリンターはテーブルの上にさらに水平調節可能なテーブルが乗っている構造であるがこれはモーターが3つ独立して存在しているのでテーブルそのものの水平が出せるように3点の支持機構をこんな感じにする。この構造でテーブルは3個のZ軸モーターで自由に傾きを調節できるようになる。右下はすり鉢状になっているネオジム磁石の上に鋼球を載せた物。この上に同形状のすり鉢を被せるとボールジョイントになる。平行ピンの上に鋼球を乗せた支点はこの写真左右方向の動きを拘束している

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