弾速計キットの作り方

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 取扱説明書
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屋外で使用する時は遮光が必要なことに注意!!

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 仕様
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・電源電圧 5.5V~6.0V
  電源電圧が高すぎると表示部の裏面にある電源ICが熱くなりすぎる
・消費電流
  最大 0.5A
  単3ニッケル水素電池x5本推奨
  6VのAC-DCアダプターも使用可能ではあるが製品の違いや個体差でノイズが大きく動かないものがあるかもしれない
・精度 ±1%程度
  理論上この程度はあるという意味
  校正する方法が無いので精度の実測はしていない
  既知の誤差要因
   水晶の精度:
      大体5桁あるので最下位桁以下に切り捨てられる
   プログラム命令数:
      センサーが弾丸を検知してから経過時間を保存するまでの命令処理時間を前後のスクリーンで同一にしているので誤差は無い
   マイクロプロセッサクロック数:
      16MHzで実行されている。デジタルなのでその中間は無い。最大2/16MHz=0.125μ秒の誤差が発生しうる
      非常に小さい値なので表示の最下位桁以下に切り捨てられる
   センサーの反応速度:
      毎回同じ所を弾丸が通過しても0.5μ秒程度反応時間が変わる。前後のスクリーン共に起こるので2倍の1.0μ秒程度の誤差が発生する
      このテストは弾丸の通過を赤外線LEDの1灯だけを短時間消灯させることにより代用しているため推測値である
      これは2つの光学クスリーンで同一ではないためスクリーンの感度も誤差になる
   光学スクリーンの平面度:
      赤外線LEDを複数並べて面を構成しているのでLEDの近くになるほどスクリーンは凸凹している
      LED直下を米粒サイズの弾丸が通過するとセンサーに検知されずにすり抜ける可能性もある
      出来るだけセンサーの近くを狙うことで回避する
      光学スクリーン間の距離が短い時は無視できない誤差になる
   光学スクリーンの間距離:
      mm単位で設定するので 0.5/スクリーン間距離 の誤差がある
      ソフト上0.1mm単位で設定するようにすることは容易であるが0.1mm精度で2つのスクリーンを平行に工作するのは困難
・計測値は切り捨て
  m/s  小数点以下1桁
  km/s 小数点以下0桁
  fps  小数点以下0桁
・計測可能な最小弾丸サイズ
  直径3mmの球体
・計測可能弾速 5m/s~マッハ3程度のはず 
  下限はこれ以下でも計測できるがセンサーアンプの回路構成上誤差や安定性が悪化する
  上限は高速弾で試してみたわけではないので未確認
・赤外線方式なので屋外で使用する場合は遮光が必要
  1.センサー遮光カバーのスリットから直射日光が入らないようにする
    太陽に雲が隠れる瞬間は太陽光に照らされた雲からかなり強い赤外線が放射されるので装置全体を日陰に置いたほうが良い
    太陽光の影響を強く受けると E_dP エラーを起こす。この表示が出たときは遮光を工夫する
  2.太陽光に照らされた弾丸が通過してもセンサーは赤外線量の変化をとらえてしまう
    太陽光に照らされた弾丸が赤外線LEDの半球部に映ることが問題
    この場合も E_dP エラーが出る
    エラーが出たら装置付近の弾丸の通過経路の遮光が必要
    センサーの前後20cm程度を遮光する
  3.表示部の7セグメントLEDに直射日光が当たらないようにする(直射日光が当たると読めない)
 室内でもハロゲンヒーター、一部のパソコンディスプレイ、照明器具等に反応するのでセンサーの遮光カバーが必要になることがある
・シリアル通信機能
  シリアル通信モジュールを別途購入する必要がある
  出力データ
   弾速[m/s]
   前弾計測からの経過時間[msec]
   ショット番号(連番)

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 作り方の注意
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・電源、電池ボックス、電線、木枠、基板固定用ネジはキットに付属していない
・鉛フリー半田は半田付けが難しいので初めて電気工作をする人は普通の有鉛半田を使う
・センサー部は高倍率の増幅回路なので基板の汚れに敏感
 基板を触ってべたつくようなら洗浄が必要
 テストモードで誤動作が確認されたらアルコール洗浄する
・3本足以上の部品の向きを間違えたときは部品を破壊して取り外す。部品の1個の価格は安い
・動かなかったときの問題の9割は半田付け不良にあると思って良い

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 設定
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・2つの光学スクリーンの間隔は作った後に実測し設定する
・表示部右下のSW3を押しながら電源を入れると設定モードになる
 -初期値は300
 -単位はmm
 -ドットは小数点の意味ではなく現在この桁の数値を設定しているという意味
 -SW2を押すと桁位置が変わる
 -SW1を押すと数値が増加、9の次は0になる
 -SW3を押すと設定値保存
・大きすぎる値や小さすぎる値も入力できるが100mm~2000mm程度にする
 小さいと計測精度が落ちる。大きいほうが精度が向上するが間隔が5mもあればもはやそれは初速ではない
 ゼロも入力できるがこの場合強制的に300mmになる

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 使い方
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・光学スクリーンは完全な平面では無い
 LEDに近いほど凸凹している
 センサーに近いほど平面に近く計測精度が高くなる
 直径6mmの球形弾丸ならセンサーの上100mm程度であればスクリーンの凸凹を無視できるほど小さい

・SW2を押しながら電源を入れるとテストモードになる。表示は tESt
 光学スクリーンを物体が横切ると
  前側スクリーン LED1が点灯
  奥側スクリーン LED4が点灯
 ゆっくり移動するものには反応しない
 何も横切っていないのにLEDが点灯するときは回路不安定
  -AC-DCアダプターを使っていたら電池に変更してみる
  -半田付け不良を疑う
  -センサー基板をアルコール洗浄する

・SW1を押すと表示単位が切り替わる
 m/s km/h f/s の三種
 電源を切っても記憶される

・SW2を押すと表示更新するときに一旦消灯しない
 このモードの時はLED4が点灯する
 消灯時間は0.3秒もあるので連射するときに不都合
 電源を切っても記憶される
 再度スイッチを押すと解除される

・SW3を押すとショットガンモードになる
 通常は奥側スクリーンが反応する前に手前側スクリーンが2回以上反応するとエラーになる。表示は E_dP
 これはショットガンの弾速を計測するときに不都合があるのでSW3で解除できる
 直射日光が遮光カバーのスリットに入射していると太陽光を遮るときと、赤外線LEDを遮るときの2回センサーが反応することがある
 これは正しく計測できていないことを意味するので通常はエラーを表示するようにしている
 このエラーは弾丸に当たった直射日光の反射光が赤外線LED先端の凸面に反射しても起こる

・前側スクリーンを弾丸が通過したが奥側スクリーンを通過しなかった場合は E__1 のエラー表示になる
 奥側スクリーンだけを通過した場合は無視されるので何も起こらない

・表示部のSW2のすぐ下にある3ピンコネクターとパソコンを接続するとパソコンで計測値を受信できる
 $1程度で販売されているUSB-シリアル通信モジュールを接続して使う
 通信条件は
  19200bps
  8ビット
  パリティ無し
 この設定が合っていなくても通信自体はできるが文字化けする。文字化けしたらこれが合っていない
 パソコン側の専用ソフトは無い。フリーソフト等のシリアル通信モニターを使う
 受信機能は現時点無いのでRXピンは使用されていない
 データ書式は
  弾速[m/s] 前弾計測からの経過時間[msec] ショット番号
 エラーした場合はデータ(エラーメッセージ)を送信しないがショット番号は増加する。ショット番号の歯抜けでエラーが起きたことを判断する
 標準偏差や最大値、最小値等の表示機能は無いのでこのデータを元にEXCELなどを使用して計算する


2018-11-06

前後のスクリーンは平行に作る必要がある。スクリーンの間隔は作った後に設定する方式なので平行でありさえすれば距離の正確さは必要ない

R0039682.jpg

もう一つの制作例。上の物は円弧状にLEDを並べているがこれは一直線。スクリーン間隔は500mm。電源はニッケル水素電池5本

R0039830.jpg

スリット幅は2mm。この遮光カバーの高さは50mm。スリット幅は狭いほうが良い。2mmが最小。最大でも3mm程度にする。センサーの直径は5mm有るが半球形の部分はレンズで実際の素子は1mm角程度。レンズは削ってしまう

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遮光カバーをLEDとセンサーの間に精度よく設置するのは意外と難しい。遮光カバーを少しずつずらし電源マイナスと矢印間の電圧が最小になる位置で固定する。赤外線がセンサーに当たっていないときはほぼ5V、最適な位置では4.5V付近になる

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LEDは中央のセンサーに向ける。水色の領域の内側がセンサーの反応する範囲。四角い枠は作りやすいがV字型のほうがこの領域の大きさがわかりやすい。木枠の上下間が300mm。センサーとLEDの距離はそれより少し短い

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表示部。74HC595は上位桁から下位桁に向かって数珠つなぎになっているので上位桁の半田付け不良があると下位桁が表示されなくなる。隣にたくさん並んでいる抵抗の半田付け不良があると特定のセグメントが点灯しないという症状になるので問題個所の発見は容易。左下のICSP端子はプログラム開発用なのでキットには付属していない
※LEDは販売ロットによって見た目が変わります

R0039694.jpg

表示部裏面。電源ICはセロハンテープで仮固定してから半田付けする。放熱フィン(というほど大きくないが)も半田付けする。熱が逃げやすいので半田鏝を焼け気味にして使う。GNDは電源マイナスの意味。センサー基板につながる端子にあるIN1,IN2は特に気にしなくてよい。製造ミスで本当はIN1,IN2を逆にしたかった

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センサー部 表面。木ネジで固定してあるが位置の微調整が出来ないので鍋頭のビスが良い

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センサー部 裏面 基板の製造ミスで裏面に1kΩの抵抗(茶-黒-赤-金)を取り付ける必要がある

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センサーは先端の半球部分をやすりで削って平らにする。削らないと正面だけの感度が強く弾が左右に逸れたときに反応しにくくなる。表面は#1000程度の紙やすりで仕上げる。センサーチップは底面から4mm付近にある。削りすぎに注意。半球形が無くなったところで削るのを止めること。荒削りはグラインダーを使うと早い。固くもろい材質なのでプラスチックニッパーを使うと割れることがある

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LED基板は3枚連結

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赤外線LEDの点灯確認はデジタルカメラで。肉眼では分からないがデジタルカメラのファインダーではうす紫色に光っているのが分かる

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赤外線LEDは向きを調節できるように基板から浮かせる。片足だけ半田付けしこの向きから見てLEDが基板に対して垂直に整列するように調節してからもう一方の足を半田付けする

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部品表。集合抵抗は共通ピンに●マークが付いている。リチウムイオン電池2本だと表示部裏面の電源ICが熱くなるので短時間しか使用できない

buhinhyo.png

部品表 上の部品表をソートマージしたもの

buhinhyosyukei.png

表示部。赤丸がプラス側で足が長い

displaybrd.png

センサー部。赤丸がプラス側で足が長い

sensorbrd.png

LED部。赤丸がプラス側で足が長い

ledbrd.png

USBシリアル通信モジュールとの接続。これはAliexpressで1ドル程度で販売されている。弾速計に受信機能は無いので黄色線は繋いでいない。繋いでも問題ない。使われないだけ。シリアルは UART とも呼ばれる。検索するときは serial や UART のキーワードを使う。写真の物は CH340G という中国メーカーの独自開発ICを使っている。使われているICの違いはドライバーが自動的にインストールされるか否かの違いだと思ってよい。CH340Gはたぶん自動インストールされない

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裏側

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弾速データ。カンマ区切り。約2秒おきに撃っている。8発目が抜けているのはエラー。意図的に奥側スクリーンを通過しないように撃っているので時間がかかっている

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屋外で使用する時はセンサー部に遮光カバーを付ける。スリットの幅は5mm程度。深さは50mm以上にする。この写真ではスリットから直射日光が入ってしまっているので良くない。支柱の幅を広くしたり上に板を載せたりしてスリットに直射日光が入射しないようにする。日陰にした時も屋外ではこの遮光カバーは必要。カバー直上の中央が最も精度よく計測できる領域

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基板はつながっているので手で折って切り離す。切断面はガラス繊維が毛羽立つのでやすりで軽く削る。屋外で作業したほうが良い。室内で作業するときは掃除機を準備してから

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基板製造ミスのためセンサー基板にはパターンカットした箇所がある

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ご参考の回路図。表示部。大きい物は下のほうに添付してある。LEDの電流制限抵抗は220Ωになっているが電流が流れすぎるのでキットでは330Ωに変更した

displayschsmall.png

センサー部回路図。C2はほとんど効かないので無くても良い。C1は発信防止。無くても発信は持続しないが極短時間の発信が起こることがある

sensorsch.png

LED部回路図。2.23mAは誤り。8.4mAが正しい

ledsch.png
回路図&プログラムソース等一式  Copyleft iizukagiken all rights reversed
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
displaysch.png PNG 表示部回路図
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