ネオン管時計の作り方

ネオン管を使用した時計キットの作り方

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 キットを購入する前に
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・このキットは組み立てが難しい部類に入ります
 矯正しても視力の弱い人、不器用な人は組み立てられない可能性があります
・PC(Windowsのみ対応)とUSB接続する場合はこのページの下に添付されている設定プログラムが起動できるか購入前に確認して下さい
 PCとの時刻同期とバグ修正によるファームウェア更新にUSB接続が必要になります

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 仕様概要
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・数値はネオン管の点灯数で表す。ゼロは全消灯
・12時間表示 24時間表示は不可(内部では24時間で時刻を保持している)
・消費電力約2~3W
・幅100mm 奥行90mm 高さ約50mm
・時刻バックアップ用の電池はCR2032
・精度 日差6秒程度 使用している水晶の精度が低いため
    校正は可能。校正にはUSB接続もしくはGPSが必要

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 注意
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・AC100V回路なのでケースに入れて使用してください
 放熱とアラームのため密閉しないでください
・このキットの開発地は商用周波数50Hzです
 60Hzの地域はUSB経由で点灯周期を変更する必要があるかもしれません
 変更にはWindowsパソコン(WindowxXP以上)が必要です

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 機能
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-アラーム 設定した時刻にブザーが鳴ります
-GPSモジュールを接続すればGPSと時刻同期可能 接続方法は下のほうを参照
 GPSはキットに付属していません
 中国製の約$10GPSモジュール(キーワード gps module NEO-6M で検索する)をAliexpressで購入してください
-カレンダー
-電源OFF時の時刻バッテリバックアップ
 アラーム時刻などの設定値はEEPROMに記録されるので電池が無くても消えない
-USB経由でのPCと時刻同期
 USBケーブルはキットに付属していません
-USB経由でのファームウェア更新
 WindowsパソコンがあればUSB経由でプログラムの書き換えが可能

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 使い方
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●カレンダー
 ・アラームが鳴っていないときにSW3を押すと3秒間日付が表示される

●アラーム時刻設定
 ・キット完成直後の初期値はAM7:00、アラーム機能はOFFになっている
 ・SW1を押すとアラーム時刻が表示される。そのまま3秒放置すると通常の時刻表示に戻る
 ・3秒以内に再度SW1を押すとアラーム音が鳴りアラーム時刻設定モードになる
 ・アラーム時刻の設定は年月日の設定が無いことを除いて時刻の設定と同じ。時刻の設定方法は少し下を参照

●アラームON/OFF切り替え
 ・SW2を押すとアラーム有効/無効が切り替わる
  アラームが有効な時は中央のネオン管が常時点灯、スイッチを押したときにアラーム音が鳴る
  アラームが無効な時は中央のネオン管が点滅

●アラーム音停止
 ・アラームが鳴り始めてから1分放置するとアラーム音は自動的に止まる
 ・SW3を押すとアラームを強制停止できる
 ・アラーム時刻設定やアラームON/OFF切り替えの操作をすることによってもアラーム音は止まる
  つまり3つのスイッチのどれを押してもアラーム音は止まる

●時刻設定
 ・GPS、USB経由で時刻設定できる、本体のスイッチで設定する場合は以下の手順となる
 ・SW1を押しながら電源を入れる
  初期日時はこの時計が開発された記念すべき日(2016/08/24 11:35:00)に設定されている
  設定モードに入るときはブザーが3回鳴る
 ・GPSが接続されていると手動による時刻設定はできない
 ・年->月->日->時->分 の順番で設定
  SW1を押すと次の設定項目に移動
  設定中の桁は全ネオン管が3回点滅する
  設定中は時計が止まる
  分の設定後にSW1を押すと秒はゼロになり時計が動き出す
 ・年は下2ケタまで、表示が59までのため2059が最大値
 ・表示は12時間時計であるが設定入力は24時間
  時間10桁目はネオン管が1個しかないので2は中央(時分の間にあるネオン管)を点灯して表す
 ・SW2が数値増加、SW3が数値減少

●GPS時刻同期
 ・GPSの時刻と2秒以上ずれると校正される
  GPSは校正および時刻の初期設定にのみ使用されネオン管時計の内臓クロックが時刻ずれを起こさない限りGPSは使用されない
 ・時刻修正が不要な時はGPSを取り外してよい

●USB時刻同期
  このページの下のほうを参照

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 制約
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 ・手入力による設定は西暦2059年までにしか対応していない
  GPSによる日付時刻校正はこの制約に該当しない
  GPSのNMEAフォーマットは西暦を下2桁で表すので2400年は正しくうるう年の計算ができない
 ・GPSによる時刻設定は日本を含むUTC+9の地域でしか正常な時刻を設定できない
  つまり海外では使用できない
 ・繰り上がり計算が複雑になるので 0~2,57~59秒 の間は時刻がずれていてもGPS同期はしない
 ・GPSと同時にUSB接続してはいけない


2016-08-27

キット完成状態。時刻は10:59。ネオン管が1桁9個なのでゼロは全消灯で表す

R0031403.jpg

部品表

buhinhyo.png

赤く囲った部品は取り付け向きに注意

neonclockbrdimg.png

基板表面

PICT3922.jpg

基板裏面。IC1以外は取り付け向きに注意。ベタパターンがある下側部分が5V回路。上側はAC100Vの回路なので通電しているときに触らないように注意してください

PICT3927.jpg

・フラックスは使用しないでください。フラックスは意外と電気を流します
 フラックスを使用する場合は部品実装後に洗浄してください
・部品は面実装品を先に半田付けします
・コルクは基板に両面テープで貼り付けます。キット付属のコルクは両面テープ付きです
・コルクに下穴をあけるときは基板のパターンを削り取らないように注意してください。ドリルの先端を基板に差し込んでから回転させると良い
 コルクの厚さは6mmあります。垂直に穴あけできないとネオン管が整列しません
 コルクは電気的には不要な部品ですがガラス管とプリント基板は接着が困難なのでコルクを使用しています
 他に良い方法があればコルクを使う必要はありません
・ネオン管は割れていないか確認してから半田付けしてください。キットには不良率を見越して2個余分に入れてあります

R0031288.jpg

面実装部品はセロハンテープで仮押さえしてから半田付けします

R0031447.jpg

ガラス管はコルクに嵌っているだけ

R0031312.jpg

このキットで一番難しいのはネオン管をきれいに並べること。中央の段はリードが約13mm突き出す位置

R0031310.jpg

コルクは固いので下穴をあける必要があります。1mmのドリルで下穴をあけてください

R0031435.jpg

ボタン電池の向き

R0031445.jpg

ガラス管を取る場合はひねらずに起こすようにする。ひねると両面テープがはがれる

スイッチを外部に引き出す場合の配線。基板上のスイッチを押しても外付けしたスイッチを押しても動作する

switch.png

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 GPSによる時刻合わせ
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・特に設定は必要ない。以下の図のように接続するだけ
・GPSモジュールとネオン管時計はシリアル通信(RS232)している
・常時接続している必要はない時刻がずれたときだけ接続すればよい
・NEO-6M GPSモジュールは通信速度9600bpsに初期設定されているので通信速度の設定も必要ない

R0031460.jpg

GPSモジュールはアンテナ付きで販売されている。これは使い回ししやすいように1つの基板にアンテナとモジュールを固定したもの

R0031456.jpg

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 USB接続による時刻合わせと各種設定
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前提条件 前提ソフトのインストールについては少し下を参照
 ・設定プログラムはWindowsXP以上で動作
 ・.Net Framework4.0が必要
 ・USB接続のためにCH340ドライバーが必要

1.本体の電源を入れUSBケーブでPCと接続します。USBを先に接続して本体の電源を入れても動作します。その後、設定プログラムを起動します
2.最初にCOMポートの選択をします
  複数ある場合はこのうち1つがネオン管時計です
  どれがネオン管時計か不明な場合は先ずネオン管時計を接続していない状態で設定プログラムを起動、
  その後ネオン管時計を接続してプログラムを起動したときに増えたポートがネオン管時計です
3.時刻はCOMポートを選択するだけで勝手に同期されます
  ネオン管時計とPCの時計が2秒以上ずれると再同期されます

表示の説明:
・$GPRMC.....  ネオン管時計に送信している時刻同期データ。GPSと同じ書式にしてある
・明るさ 大きくすると明るくなる ネオン管をONしている時間が長くなり明るくなる
     数値を2倍にしても2倍明るくなるわけではない
・周期  ネオン管のちらつき感が変わります
・明るさと周期の関係
  周期 = ネオン管のON時間 + ネオン管のOFF時間
  ネオン管は商用周波数と周期の両方で点滅しています
  明るさ一定で周期を大きくすると暗くなります
  明るさ一定で周期を小さくするとネオン管のOFF時間が短くなり本来点灯しないはずのネオン管がうっすら点灯してしまいます
  周期一定で明るさを大きくしても上記同様うっすら点灯する現象が起こります
  うっすら点灯現象はフォトカプラ(白い部品)の動作速度が遅いためです
・アラーム 24時間アラームです
・校正 1日に時計がどれだけ進む(遅れる)か入力します
    1日に5秒遅れるのであれば-5に設定します
    -5にすると 86400/5秒 置きに1秒時計を進めます。1日に5回1分が61秒になります
    電池だけで時刻バックアップされている状態では校正は行われません
・送信 このプログラムからネオン管時計に送信しているコマンドです 最後の4桁はチェックサム(CRC)です
    $#? は現在のネオン管時計に設定されている値を送信せよというコマンドです
・受信 ネオン管時計から受信した設定値です,で区切られた2番目の数値はネオン管のOFF時間「周期-明るさ」です

R0031436.jpg

USB接続と電源投入はどちらが先でもよい

gamenini.png

起動直後はCOMポートの選択しかできない

gameconect.png

設定画面

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 前提ソフトのインストール
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 .Net Framework4.0
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・設定プログラムを起動したときに .Net Frame v4.0.... のエラーが出たときにインストールする
・.Net Frame v4.0 で検索しダウンロードインストールする
  入力項目は無い
  サイズはかなり大きい
  現時点では以下の所にある
    .Net Framework 4.0

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 CH340ドライバー
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・ネオン管時計をUSB接続してドライバーが自動インストールされなかったときは手動でインストールする
・メーカーのホームページからCH340SER.EXEをダウンロードし実行する
 途中何か入力する項目は無い
  CH340ドライバー

R0031441.jpg

CH340ドライバー インストール画面

R0031443.jpg

.Net Framework4.0 インストール画面

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 ファームウェアの書き換え方
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・キットのファームウェアは常に最新版に書き換えられて販売されるので
 この手順でファームウェアを書き換えるのはキット購入日の後にバグ修正が行われたとき
・前提ソフトCH340ドライバーのインストールが事前に必要 .Net Frameworkは不要

USBケーブルでネオン管時計とPCを接続する。まだネオン管時計の電源は入れない

R0031449.jpg

AN1310ui.exeを実行する

bootinit.png

Settingsでネオン管時計のCOMポートを選択する
ネオン管時計のUSBドライバーIC(CH340)はUSBの電源供給で動いている
画面下半分の3か所のチェックがこれと同じようになっていることを確認
通信速度は自動認識なので何でもよい。右側の通信速度はネオン管時計においては無関係で使用されていない

bootsettingsmenu.png

水色のリセットボタンを押し。ネオン管時計のAC100V電源を入れる

bootreset.png

赤■ボタンを押してネオン管時計と通信を開始する

bootredbutton.png

書き込むファームウェアファイルを選択する。バグが見つからない限りこのページにこのファイルは無い

bootfopen.png

ネオン管時計ファームウェアを書き込む。「赤↓」が書き込みボタン

bootwritedev.png

左下に Write complete と表示されたら書き込み完了 9600bpsで約20秒かかる
USBケーブルを抜いてAC100V電源を入れなおせば新しいファームウェアでネオン管時計が起動する

bootwcomp.png

点灯パターン

tentopat.png

ご参考の回路図。文字が小さくて読めなければ添付の大きな回路図を参照

neonclickschS.png
プログラム
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
NeonClockEXE.zip OTHER 設定プログラム windows.exe ファイル
WindowsXP以上で動作
.Net Framework4.0が必要
起動して.Net Framework関連のエラーが出たら .Net Framework4.0 をインストールしてください
AN1310ui.zip OTHER ファームウェア書き換えプログラム Windowsパソコンで動くEXEファイル。展開するだけで使える。AN1310ui.exeがアプリケーション
ご参考
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
neonclickschL.png PNG 大きな回路図
bootloader_and_neonclock.hex HEX ブートローダーとネオン管時計ファームウェア両方を含んだHEXファイル
キットのPICにはこれが書き込んである
NeonClockTRANSeagle.zip EAGLE プリント基板CAD EAGLE V4.15以上用 回路図&基板レイアウト
NeonClockmbasic.zip mikroBasic ネオン管時計ファームウェアのソースとHEXファイル一式
PIC18 Bootloader.zip mikroBasic ネオン管時計用ブートローダーファームウェアのソースとHEXファイル一式
NeonClockVB2010.zip OTHER 設定プログラムのソース一式 VisualBasic2010