バッテリ保護IC

リチウムイオン電池のバッテリ保護IC
 ・低電圧になると電池保護のため出力を遮断する
 ・過充電の保護も出来る
 ・1セル用、複数セル用がある
 ・出力遮断はFETを使う
 ・FETもバッテリ保護用のものを半導体メーカー各社が製造している
 ・バッテリ保護回路自体の消費電力があるため何も付いていない方が電池は減りは遅い
 ・バッテリ自体を完全に保護することは出来ない。保護回路の有無にかかわらず長期放置すればリチウムポリマー電池はいずれ膨らんで使用不能になる。


2012-03-30

今回試してみるのはこれ。FETには寄生ダイオードがあるので遮断するためにN-CH FETを2個使う。うまくいったらキット化します。

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2012-04-03

小手先と比較。半田吸い取り器必要。

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2012-04-04

実は在庫ありませんでしたという連絡が来た。どちらかを選択して下さい
 1.25個はありませんが2000個ならあります。2000個買えば単価は¥22です。
 2.同時に注文した他の部品だけ買って下さい
電子回路の場合部品を組み合わせて使うので一部の部品だけ来ても困る。2000個は多すぎて無理。chip1stopは最近価格がまともになったので一部の部品の仕入れに使っていたのだが2.はかなり致命的。今回は少量購入なので余り影響ないが200個購入時にこれが起きると大損害。とりあえずSII製は没。海外製を探そう。

2013-01-10

専用のICは電池や使用環境に合わせた物になり入手性が悪いのでリセットICで代用。Microchip社のMCP1322。これは出力がOPENドレインなのでPUSH-PULLのMCP1318の方が回路が簡単になって良い。FETはSANYO製。
専用ICは
 ・過放電防止
 ・充電過電圧防止
 ・ゼロボルト電池充電防止(完全に死んでる物に充電しないようにする)
といった機能があるが、リセットICを使ったこの回路では過放電防止だけをやっている。この回路に流れる電流は遮断/非遮断にかかわらず1μAよりやや少ない。

batt.bmp

通常FETはVgsが4~5V程度有るが、これは1VでON/OFFできる。大体0.6VあたりからONし始めて1.5Vでほぼ全開。携帯電話のバッテリ保護用のFETなので特殊。NチャネルFETが2個入っているが内部でドレインが繋がっている。片方を過放電防止用、もう一方を充電時の過電圧防止用として使う。寄生ダイオードがあるのでFET1個だと過放電は防止できても過電圧は防止できない。上の回路はFETを並列にして過放電防止だけにしてある。

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リセットICはSOT23、FETは独自サイズだと思う

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MCP1322

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SANYO ECH8651R。足ピッチが0.65mm

電圧3Vで約300mA流している。白いのが負荷に使った10Ωのセメント抵抗。FETのドレイン-ソース間電圧は0.83mV

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電圧3Vで約4mAの時。LED2つ分の電流。ドレイン-ソース間電圧は7.51mV。ON抵抗は12mΩ程度なのでモーターを回すのにも使えると思う。

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回路経由で充電テスト。逆電圧をかけるとドレイン-ソース間電圧が40mVある。実際の充電終了電圧はその分だけ低くなる。40mVなら誤差の範疇とみていいだろう。

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FETはchip1stopやRSで購入できる。数個でいいよという人は送料の安い売店でどうぞ

2016-02-13

aitendoで専用ICを売っている。DW01-Pというバッテリ保護ICとBR8205というFET。商品説明ページには両者を組み合わせるとバッテリ保護回路になるという説明が抜けているので回路設計をしない人にはわからない。(追記補足)出回っているほとんどのDW01は保護電圧2.5Vで電池がダメージを受けるのでお勧めしない

2019-02-13