素子:充電IC MCP73831

小型のリチウムイオン/ポリマー電池用の充電ICについて纏めておきます

・数個の外付け部品を付けるだけで充電器になる
・最大充電電流は500mA 最小は15mA
・リチウムイオン/ポリマー電池1セル用
・MicrochipDirectで購入できる。但し25個単位の販売。(工作室売店でも少量販売します)
・安価 約$0.6
・電源は5~6Vの定電圧電源
・USBを電源にしても良い。
 USBを電源にするときは150mA以上の充電電流にしない方がよい。
 これはUSBを使うときのお作法なので。守っていない装置多いですが...
・充電電流は外付け抵抗で調整できる
・充電完了を知らせるLEDを外付けできる。充電完了でLED点灯、消灯どちらも可。
・充電最大電圧が4.2~4.5まで選択可能。
 可変では無い。購入時に選択する必要がある。
 通常は4.2Vのものを選択すること。
 MCP73831-2 <- 4.2V
 MCP73831-3 <- 4.3V
 MCP73831-4 <- 4.4V
 MCP73831-5 <- 4.5V
・充電開始時の電池端子電圧は4.0V程度になる。
 電源が5Vだと最大で電圧差1V×500mA=0.5W発熱する。
 室温20℃程度なら放熱器不要。
 電源が6Vだったり、電池電圧が低かったりした場合は過熱するので放熱器必要

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過電流充電などすると危険なので必ず目の届くところにおいて充電すること
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2009-12-23

とても小さい。パッケージの高さは約1mm。

PICT12531.JPG

SOT23-5パッケージ。足の間隔は0.95mm

PICT1255.jpg

ピン配列。DFNパッケージは半田ゴテでは半田付け出来ない。

データシートはここ

PICT1257.jpg

日本語のデータシートもある。mとμの誤植がたくさんあるので注意!!。英語のデータシートも見ること。

抵抗2本、コンデンサ2個、LED1個に加えて定電圧電源が有れば充電器になる。

PICT1254.jpg

基本的な使い方の回路図

PICT1239.jpg

ブレッドボードで実験

PICT1240.jpg

これだけの配線で充電器になる

PICT1231.jpg

リチウムポリマー電池1100mAHの2セルバッテリーパックの充電。ラジコン用のリチウムポリマー電池は各セル毎に端子が出ているのでセル数倍の時間をかければ1セル用の充電器で多セルバッテリーパックを充電できる。

この計測器はちょっと使いづらい。ソフトの出来がイマイチ。

PICT1245.jpg

充電電流の計測。使用しているのはナショナルインスツルメンツのUSB-6008という計測器。

電池電圧は最初3.7V程度、電源投入直後4Vになりその後40分程度かかって4.2Vに到達する。充電電流は充電電圧が4.2Vになるちょっと前から少しずつ下がっていく。約50mA程度にまで充電電流が下がったところで充電は完了する。1C(1000mAHのバッテリーなら1000mAの充電電流を意味する)充電では充電完了に1.5時間ほどかかる。

PICT1249.jpg

充電電流を15mA~500mAまでロータリーディップスイッチで変更できる充電器の参考回路図。
 ・電源投入すると緑のLEDが点灯。
 ・充電電流はロータリーディップスイッチで設定。
 ・電池を繋ぐと赤いLEDが点灯。
 ・充電完了すると赤いLEDが消灯。
充電電流設定用のロータリーディップスイッチは正論理(リアルコードとも言う)の物を使用すること。

jyudenkiSch.PNG

上記回路の充電電流

denryu.PNG

2009-12-24

充電電流は以下の式で決まる
 充電電流[mA]=1000÷PROG端子に繋がる抵抗値[kΩ]
以下に上記回路の抵抗の計算式を纏めたワークシートを添付しておく 

充電電流の計算ワークシート
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
MCP73831denryu.zip OTHER OpenOffice.org CALC用