2008-09-06
プリント基板のマスクパターンの印刷に使っているので、黒以外は蒸留水でも入れておけばいいのではないかと思いますが、詰め替えインクを買ってしまえば計算上5年はインクを購入する必要がなくなるので全色買ってみました。
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フォトブラックとグロスオプティマイザが同時になくなりました。プリント基板のマスクパターンを印刷することが多いので当方のプリンターはフォトブラックの所にもマットブラックを入れています。
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リサイクルインクも使っていますが。あまり安くありません。純正品より1~2割安いだけです。
今回購入したのがこれ。クローズアップ社の製品を光学機器を売っているケンコーが販売している物。約¥8600。ビックカメラで購入。
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インクが太めの注射器のような物に入っている。カートリッジ2回半分のインクが入っている。
インクジェットプリンターのインクカートリッジはインクの予想残量を記憶しています。インクが入っていても予想残量がゼロになると、そのインクカートリッジは使用できなくなります。予想残量はカートリッジにくっついているチップに記録されるので、それをリセットするとインクの残量とは無関係に再度使用できるようになります。
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インクの予想残量をこのチップが記憶します。
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チップをリセットするためのリセッター
リセットされたことはLEDの表示色でわかります。緑になればリセット完了。
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リセット中
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リセット完了
インクカートリッジ内部の空気を注射器で抜き、カートリッジ内部を負圧にしてインクを注入します。手も汚さずきれいに注入できます。
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この写真のちょうど真ん中あたりに写っている部分が注入穴。カッターナイフで十時に切開する。
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注射器型詰め替えインク
重さを量れば満タンになったか否かがわかります。
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ほぼ空っぽ
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ほぼ満タン
印刷は出来るようになったが、何故か残量表示が無効になってしまった。リセッターの機能は不完全なようだ。
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OHPシートは近いうちに絶滅するだろう。最近はパソコンのVGA信号を入力に出来るプロジェクターが安くなった。このPLUSのOHPシートは透明度が高くてプリンターのセンサーが印字開始位置を見つけられずに何も印刷せずに排紙してしまうことが多々発生する。
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あれっ?
マットブラックは純正品よりかなり薄い感じです。純正品は液晶ディスプレイの光を殆ど透過しませんが、これはだいぶ透けて見えます。若干緑がかっています。普通のブラックじゃないでしょうか?
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純正品とはインクの質もだいぶ異なる
色はだいぶ異なるようです。詰め替えインクのユーザーは図表なんかを大量に印刷するのでしょうから、若干色が違うのは問題ないのでしょう。発色を気にする人にはお勧めではありません。
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水を付けると溶ける。水性なので当たり前だ。
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OHPシートにインクを垂らして延ばしてみる。やはり緑色っぽい
今まで使用していたOHPフィルムを使用したら光をあまり透過しません。インクの吐出量はおなじでしょうから肉眼にはそのように見えるだけなのかもしれません。PLUSのOHPフィルムのほうが光を透過するように見えますが、緻密に印刷できています。緻密さの違いははっきりわかります。
白い変色箇所はグロスオプティマイザの影響でしょうか? グロスオプティマイザはOFFになっているのでインクは出ないはずなのですが...インクカートリッジ内部でインクが混合された影響かもしれません。原因不明です。紫外線の透過率には影響ないみたいなのでプリント基板のマスクパターンを作る上では問題ありません。
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いつも使っているOHPフィルムを使用したら光をあまり透過しない
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白っぽく変色する
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OHPフィルムによって光の透過率が変わる
2008-09-09
原因わかりませんが、今日使用したら残量表示が回復していました。不思議???
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何故か残量表示が復活
給紙ミスの問題は赤マジックや黒マジックで実験してみましたが、どちらも思わしくありません。センサーは白い物に反応しているようで白い紙を貼るのが正解でした。
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赤マジック。これはダメ
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黒マジック。これもダメ
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これが正解。センサーは白い物を検知する。センサーは反射式なのか?
KonicaのOHPフィルムは入手できないかもしれないので、PLUSのOHPフィルムで実験してみました。インクの使用量は同じはずなので遮光性も同じと判断しいつもの条件で感光しました。感光後フィルムを基板から剥がすとインクが付着していましたが水溶性で現像液に浸けると落ちるので問題ありません。
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新品基板はこんな青っぽい色。古くなると緑になる。
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PLUSのOHPフィルムで実験
生基板が出来ました。露光超オーバーです。遮光性が低い様です。インクの吐出量が同じはずなのに何故こんなに違うのでしょう。
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大失敗
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KonicaのOHPフィルムとの比較。下がKonica、上がPLUS
謎ですが事実です。こうなったら意地です。2枚重ねで対抗してみます。2枚なら遮光性はPLUSのほうが上です。
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LEDライトの上に載せて比較。左:PLUS,右:Konica
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左:2枚重ねPLUS、右:1枚Konica
2008-09-09
再度挑戦するために同時に購入した基板を開封したところ何だがだいぶ色が違う。かなり緑色になっている。千石電商で同時に購入したので製造ロットなどは同じだと思うのだが感光基板には製造ロットなどがわかるものが一切ないので判断は出来ない。
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同時に購入したのだが何故か緑色。赤丸の所に黒いシミもある。
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黒いシミがサークルライトのつなぎ目の部分にある。
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両方とも有効期限は同じ
やはり周辺部が感光不足で中央部が露光オーバーになる。感光は往復式の紫外線ライトなので中央部だけ光を強く当てることは出来ないので感光基板にムラがあることは間違いない。感光剤を生基板に塗るときの問題なのか、乾燥時の問題なのかわからないがこれはサンハヤトに改善してもらいたいところだ。中国人が感光剤を刷毛で塗っているのではあるまい。現像後も基板が異常に茶色い。現像液に溶けたインクの影響か? 水洗いしてから現像すべきだった。
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いつもと同じ5分間感光。変えたのはマスクを2重にした点。
ベタアース部分が若干エッチングされて変色している。穴が空くほどではなく実用上問題のないレベルだが、汚い
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エッチング後。この状態であまり出来が良くないことがわかる。
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感光剤除去後
黒いシミの部分は感光不良のため、パターンが繋がってしまっている。このシミには何度が遭遇したことがあるが、問題とならないケースもある。黒くなっているので現像がうまくいっているのか否かがわからないためエッチングしてから問題であったことがわかる。シミの原因はなんだろうか? 製造時の物か、擦るとこうなるのか? いずれにせよ対応すべきはメーカー側だ。初期不良が購入時にわからない製品なので品質には気を遣ってほしい。
生基板になってしまったほうも跡が付いている。感光剤のムラの痕だろうか?
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エッチング後。やはり茶色い。現像液にはインクが溶けてしまっているので原因がインクの問題なのか基板がそもそも茶色いのか判断できず。
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OHPフィルム2枚重ねには問題なし。きれいに重なるのはプリンターの性能が良いからだ。ドリルの穴もきれいに出ている。基板が茶色かったので台所用たわしで擦ったためキズが大分入っている。フラックスの乗りはこの方がよい。
KonicaのOHPフィルムは型番で検索してもHITしないので入手不可能となっているようだ。材質は不明。PLUSはPET樹脂。あと10枚程度しか残っていない。対策を考えねば。紫外線LEDでライトを作って中央部だけ露光アンダーになるようにするか、あきらめてNCにするか、方法がないわけではないが酷く手間だ。全体的に露光オーバーだったのでOHPフィルムの紫外線透過率は問題ないはずだ。デジカメは紫外線側にも感度があるので撮影すればわかると思ったがケミカルライトは可視光も大分含まれているので判断不能であった。紫外線LEDもたぶん同じだ。
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縁の部分の感光剤が落ちないのは昔からだが、今回はそれがひどい。基板の品質かOHPフィルムの紫外線透過率の問題か不明。
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レーザープリンター用のOHPフィルムに印刷してみたがインクが吸収されないため全く使用不可
2008-10-25
3Mのインクジェットプリンター用OHPフィルムの無料サンプルを入手しました。サンプル提供は期間限定ではなくずっとやっているみたいです。3枚入っているので、あまり使わない人はこれだけで十分かも。サンプル入手はここ
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無料サンプル入手
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パッケージのイメージ
きれいさではPLUSの物に遠く及びませんが、遮光性はこちらのほうがはるかに上です。今まで使用していたKonicaの物と同等です。染料インク用のため顔料インクはダメとありますが、問題なく使えています。もしかしたらEPSON純正のインクはダメなのかもしれません。触った感じはかなりざらざらしています。粉っぽいと言っていいくらいです。Konicaの物もざらざらしていますが、うまくいかないPLUSはざらざら感がとても少ない感じです。
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パターンを印刷
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顔料インクはダメとあるが...
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インク吸収層が厚くて奥まで浸透する。水を付けると通常きれいに落ちてしまうが、これは薄く残る。
現像もきれいに出来た。基板の外形線(+と+の間をつないでいるうんと細い線)は飛んでしまっている。Konicaのフィルムではぎりぎり残っていた。
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塩化第2鉄溶液をかけて赤紫色に変色しない場合は現像不完全なので、マスク無しの状態で紫外線ライトを少し遠くから(20cm程度の距離)あてて感光を促進する。マスクをしないのでパターンの部分も感光が同時に進んでしまうので慎重にやる。こうやって修正すると何とか使える物が出来る。完全にうまくいったときよりは出来の悪い物が出来るが生基板を作ってしまうよりはマシだ。今回は修正全く不要な良い出来になった。
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塩化第2鉄溶液をかけて赤紫色に変色したらきれいに現像できている証拠
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現像後の現像液にも現像能力がかなり残っている。エッチングが終了したら再度感光させて現像すれば感光剤はきれいに除去できる。
感光基板は2008-09-19購入した物です。冷蔵庫で保管していました。有効期限は2009-08-07です。結果は良好です。基板サイズは150×100のガラスコンポジット片面基板です。前回は中央部の露光オーバーの問題が発生しましたが、今回は全く問題なし。周辺部と中央部の差は見られません。感光剤の色も新品同様でした。現像は約1分で終了しました。もう少し露光時間を短くしても良かった感じです。
OHPフィルムの遮光性はフィルム表面に塗ってあるインクの吸収剤の影響を大きく受けることが確認できました。3種類のフィルムでの確認なので結論は出せませんが、「ざらざらしているやつがいい」と言えそうです。
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若干ブツブツが出た。この程度だと肉眼では解りにくい。デジカメで撮影して解るレベルだ。
2008-10-28
マスクパターンを液晶ディスプレイに貼り付けてシャッタースピード1秒で撮影してみました。パターンに小さな穴があるのが解ります。エッチング後にブツブツが出てしまうのはこれが原因のようです。太陽光にかざすと肉眼でもわかりますが、夜間の室内照明では解らないレベルの物です。
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OHPフィルムについてのまとめ:(3種のOHPフィルムを比較した物なので間違っているかもしれません)
1.吸水性の高いものが紫外線の遮光性が高くプリント基板用のマスクパターンとして適している。
2.吸水性が高い方が表面がざらざらしていて、ミスフィードもない。
3.吸水性が低い方が微細なパターンのマスクが作成できるが、紫外線の遮光性が悪い。
どれも一長一短があります
PLUSのOHPフィルム:
-遮光性低く使用に耐えない
-微細パターンの印刷が可能
-保存性良
-インクの乾きはきわめて遅い
KonicaのOHPフィルム:
-遮光性良
-インクの乾き早い
-微細パターンの印刷はPLUSと3Mの中間
-マスクの保存性最悪 実質保存不可能 1日経過するとインクがひび割れてくる
-販売終了している
3MのOHPフィルム:(型番CG3410)
-遮光性良
-インクの乾き早い プリント基板パターンではなく本来の用途としても適している
-微細パターンの表現 若干劣る
-保存性良
-本来は染料インク用であるが、顔料インクでも使用できている
-3Mのサイトからサンプル入手可能
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一生困らないだけの量を購入。全部で100枚。
2008-11-01
3MのOHPフィルムを使用し露光時間を少し抑えて(約7%少なくした)感光してみました。プリンターで印刷可能な最も細い線までエッチングできています。ブツブツも出ていません。一枚約¥80と安く保存性が良いのでお気に入りのフィルムになりそうです。気に入らなくても100枚は使わないといけませんが...

これは基板に塗布された感光剤が一様では無いためのもの。縁の部分がこうなる物とそうでない物があるが、感光するまで目視ではよくわからない。
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ほぼ完璧な状態
2008-12-11
このフィルム1枚だと条件によってうまくいかないことがありますDCモーター制御の基板を作っていて失敗しました。上の写真と同様、シャッタースピード1秒で撮影しましたが遮光性が変化しているようには見えません。基板の製造ロット等の影響を考えるとマスクを2重にして使用するのが理想的と言えます。
マスクを2重にすると良好な結果が得られれます。インクジェットプリンターはきわめて精度の良いマスクを印刷できるので2枚のマスクパターンはきれいに重なります。OHPフィルムを2倍消費してしまいますが+¥40で保険をかけておくべきというのが現時点での答え。
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遮光性がよいと感光後もきれいな青色のまま
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2重にしたマスクフィルムと現像の様子
2009-02-10
実験を繰り返していたらマットブラックだけ無くなっていました。詰め替えがやりにくいので透明のインクカートリッジとインクを購入。インクの補充はカートリッジ上面の穴から注入出来ます。写真の状態は間違いで、青いキャップをしたままではいけません。インクが減ると負圧になってしまうので、ここに小穴を開けたセロハンテープを貼るのが正解。
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透明のインクカートリッジ(異常に高くて約¥900)とマットブラックを100ml購入
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透明のカートリッジは何故かちょっと小さい
青キャップをしたままプリント基板のマスクパターンを印刷するとインクを大量消費するので直ぐにカートリッジ内部が負圧になって印刷できなくなります。
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青キャップをしたまま印刷
2009-04-08
このインクはOHPフィルムに印刷すると直ぐひび割れてきます。OHPフィルムとインクの相性があるとは思いませんでした。
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ひび割れる
2009-04-09
画材屋で購入したエッチング液を使用してみました。ちょっと色が薄いような気がしますが普通に使えます。サンハヤトのエッチング液は銅を赤紫色に変色させながら溶かしましたが、この溶液は銅がそのままの色で溶けていくので本当にエッチングされているのかよくわかりません。組成が違うのでしょうか? <-(追記)新品の時だけでした。
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現像液は作り置きしたもの1リットル。
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新品のエッチング液。こんなに色薄かっただろうか? これくらいの量で15~16枚エッチングしてしまうので未使用時の色を忘れています。
エッジがふにゃふにゃで上手くエッチングできていませんが、露光&現像時の問題と思われます。線の太さは10mil(2.54mm=100milなので10milは0.254mm)。やはりマスクパターンは10分程度経過するとひび割れてきます、フィルム表面のインク吸収剤が乾燥に伴って収縮するためだと思います。今日の湿度は異常に低くて室内でも30%しかありません。湿度の高いときだと状況が変わるかもしれません。
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出来は30点
2009-04-21
線の太さを14mil、線と線の間隔は最小10milで作ってみました。結果は良好です。ピンホールが若干有りますが気にならないレベルです。印刷したマスクフィルムを光にかざすとかなり光を透過してしまっているのが解ります。何となくですがインクの粒子が小さくなりすぎて隙間が出来ているような気がします。
今日は雨が降っていて室内の湿度は55%程度です。マスクパターンはやはりひび割れましたが、ひび割れの程度が少ない感じです。ひび割れが発生するまでに十分な時間があるので感光に問題はありません。
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エッチング直後の基板
前回作った変換基板よりエッジがしっかりしています。線のクリアランスは前回より狭くなっています。
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150×100サイズの基板の現像なら、現像液は100cc有れば十分
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大きなピンホールがあるがまずまずの出来
2009-09-18
MAKE:Japanでエッチングレジストを直接生基板に印刷するものが紹介されていた。FULL SPECTRUM ENGINEERINGってとこの製品。
写真が汚いのでどの程度の精度でエッチングできるのかよくわからないが
・CD-ROMラベル印刷モードで印刷しているのでピン間を1本抜けるかかなり怪しい
エプソンのプリンタードライバーはCD-ROMラベル印刷すると高精度印刷してくれないのだ
たぶん印字ヘッドと印刷面との距離の関係で高精度に印刷できないんじゃないかと思う
・CD-ROMより大きい物は作れない
・価格はまだちょっと高い。送料を考えると感光基板の方がたぶん安い
問題点はあるが、改良されれば失敗のないエッチングが可能になる。プリンターメーカーの協力が必要だ。プリンターメーカーはインク屋と化しているので他社製インクに協力してくれそうにないが...
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レジストを直接印刷してしまう方式