EAGLEプリント基板CAD

EAGLEというプリント基板CADをつかってみました。回路図からプリント基板作成までを支援する統合環境になっています。基板のサイズが100×80までなら無料版があります


2005-09-24

EAGLEによるプリント基板作成は
 1.回路図を作る
 2.プリント基板のパターンを作る
の順番で行います。

動作しない無意味な回路を組むのはかえって難しいので、1軸だけのDROを題材にしてみました。

これはLED基板の回路図。茶色い物が部品で緑が配線です。多数の部品がライブラリーに登録済みなので、そこから選んで回路図に配置して、それを配線していくことで作図します。作図は容易ですが、多数ある部品ライブラリーから必要な物を探すのが大変です

eagle1.GIF

秋月電子で販売されている7セグメントLEDは外形サイズがライブラリーに登録されている物と合わなかったので自分で作りました。ライブラリからCOPYして外枠の線を広げただけです。この回路図を作るために計5個の部品を自作しました。
 1.セラロック <-村田製作所のセラロック(海外でも有名な会社だと思っていたのだが違うのか?)
 2.ダイオード <-ピン間隔5mmのものが何故かライブラリーに見つからなかった
 3.7セグメントLED <-外形サイズを変更しただけ
 4.プッシュスイッチ <-基板の外に引き出す特殊な使い方のため適当な物がなかった
 5.USBコネクタ <-ライブラリーにあったのだがUSBの外枠部分をGNDにするピンが付いていなかった(使い方をよく理解できていないだけかもしれない)
部品は回路図のシンボルと実際のピンの配置をセットで登録するため結構面倒です。

eagle6.GIF

これがメイン基板の回路

eagle3.GIF

部品は回路図のシンボルと実際のピンの配置がセットで登録されているので、回路図を作っただけで部品の準備が出来ます。下のイメージがそれです。右側の白い枠がプリント基板の外形でこの上に左に並んでいる部品をドラッグして並べていくだけです。黄色い線は配線で上の回路図から自動生成された物です

eagle5.GIF

いきなり完成していますが。上の状態からここまで作図するのに要するのは10~20分あれば十分です。部品を基板上に並べるだけだからです。配線の取り回しはCADが自動でやってくれます。但し、このようにタイトに部品を詰め込む必要があるときは出来るだけ結線が短くなるように部品を並べなければなりません。そうしないと自動配線できない線が多数発生してしまいます。
(2007-02-17追記)
自動配線機能は最短距離で配線しようとする傾向が強いので、遠回りで配線されるときは、部品同士をもっと近づけてやると思った通りの配線をしてくれます。手動で配線が必要になるのは未配線の結線が残ったときに限られると思って問題ありません

eagle4.GIF
自動配線
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
eagle.wmv MOVIE 自動配線の様子

自動配線できなかった物は手動で配線します。また最短距離で結線しなければならない物が遠回りで配線されることもあるので実際はここから地道な修正作業が必要になります。このLED基板は100%自動配線されて、かつ、手修正の必要は皆無ですが、上の基板は2カ所USBコネクタの所に自動配線できなかった物が残っています。また、バイパスコンデンサーがICからかなり遠回りで結線されているので修正が必要になります

eagle2.GIF

この基板は両面基板なので感光基板で自作するのはとにかく面倒です。OLIMEXという基板メーカーにこのデータを送付して両面基板を作ってもらうのが定石のようです。100×160の両面基板が$33です。上の基板サイズだと5枚取れるサイズです。

今回これを作るのにEAGLEの使い方の確認を含め1週間(延べ時間30時間程度)かかってしまいましたが慣れれば7~8時間で出来そうです。今までやってきた片面感光基板による作業よりはるかに効率的です。でも、効率化を求めていくと電子工作が本来持っていた面白さであるハンダごてを握って結線していく作業がどんどん少なくなっていきます。上の回路なら1時間あればハンダ付けは終わってしまいます。効率化により無駄を排除していくと、その無駄を結構楽しんでいたことを逆に実感できます